自営業男性が、頭皮裂創後の縫合の瘢痕(非該当から9級16号に変更)で981万円を獲得した事例
最終更新日:2023年03月23日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 粟津 正博

- 病名・被害
- 頭皮裂創
- けがの場所
- 頭部顔(目・耳・鼻・口)
- 最終獲得金額
- 981万円
- 後遺障害等級
- 9級
- 事例の特徴
- 傷跡
事故の状況
槙野さん(仮名)は車に乗りまっすぐ進んでいました。すると、正面からセンターラインオーバーの車が突っ込んできます。槙野さんの車と加害者の車は正面衝突をします。
槙野さんは頭や首のけがをします。
ご相談内容
槙野さんは頭部裂創や頚椎損傷のけがをします。重傷です。
治療を続けたところ、首のけがは完治しました。しかし、頭から顔にかけての大きな傷が残ります。また、頭から顔にかけてのしびれや知覚低下が残りました。
保険会社の提示額は67万円
保険会社による後遺障害の審査の結果は後遺障害非該当でした。そして、保険会社から提示があった示談案は67万円でした。
納得できず弁護士に相談
槙野さんは67万円という提示額に納得できませんでした。そこで、槙野さんはよつば総合法律事務所に問い合わせをします。
弁護士と相談をしたところ、槙野さんは次のアドバイスを受けました。
- 傷の後遺障害が認定される可能性がある。
- 傷の後遺障害が認定されると賠償額が何倍にも変わる。
- 後遺障害の異議申し立ては弁護士に頼んだ方がよい。
- よつば総合法律事務所ではたくさんの傷跡の後遺障害の実績がある。
弁護士の話を聞いて、槙野さんは弁護士に頼むことにしました。
槙野さんのご相談内容のまとめ
- 後遺障害ではないという認定結果に納得できない。
- 重症なのに67万円という提示金額に納得できない。
弁護士の対応と結果
後遺障害の等級が決まったあとに、賠償額の交渉をするのが通常です。そのため、弁護士は、後遺障害の異議申し立ての準備を進めます。
槙野さんの傷のところの写真を撮影するとともに、実際の面接調査により判断すべきであることを異議申立書に記載します。
異議申し立ての結果「外貌に相当程度の醜状を残すもの」(9級16号)の後遺障害となりました。
616万円を自賠責保険会社から獲得
9級の後遺障害になると、616万円が後遺障害分の保険金として先に自賠責保険会社からもらえます。後遺障害非該当だと後遺障害分の保険金はもらえません。
そのため、616万円が純粋に増えたことになります。
365万円を任意保険会社から獲得
後遺障害9級になったあと、弁護士は任意保険会社との交渉をスタートします。
逸失利益などが争いとなったもの、365万円を任意保険会社から獲得できました。
弁護士の対応と結果のまとめ
弁護士の活動により、次の成果が出ました。
- 後遺障害の等級が非該当から9級になった。
- 981万円を獲得できた。
- 67万円から981万円と賠償額が14.6倍になった。
解決のポイント
1. 後遺障害非該当から9級への異議申し立てに成功
弁護士が代理する前、槙野さんは加害者の保険会社を経由して後遺障害の手続きをしていました。そのときの結果は後遺障害ではないという判断でした。後遺障害非該当です。
弁護士が代理して記録を確認したところ、頭部裂創後の縫合の瘢痕が顔面部まで及ぶものなのか、書面上はっきりとしていませんでした。また、自賠責保険の調査事務所による面談での傷の確認もしていませんでした。
傷跡の後遺障害は人目につく程度のものが必要
傷跡の後遺障害は、人目につく程度のものであることが必要です。頭部の髪に隠れる部分は原則として後遺障害の対象になりません。
そこで、被害者の傷の写真を付けて、顔面部に瘢痕が及んでおり人目につく程度のものであることを弁護士は主張しました。また、実際の面接調査を実施すべきことを弁護士は主張しました。
異議申し立ての書面を提出したあと、槙野さんは自賠責保険の調査事務所で面接を受けました。そして、顔面部に5センチ以上の傷跡を残すものと認められます。
結果として、槙野さんは「外貌に相当程度の醜状を残すもの」(9級16号)の後遺障害となりました。
診断書などの書面の精査が重要
傷跡の後遺障害はどの部分にどの程度の傷跡が残っているかが非常に重要です。
後遺障害診断書などの記載があいまいだと、面接が省略されて非該当となってしまうリスクがあります。診断書などの書面の精査が重要です。
2. 傷跡の後遺障害による逸失利益を獲得
槙野さんは、頭部裂創後の縫合の瘢痕について後遺障害となりました。
しかし、保険会社は、槙野さんの傷跡の後遺障害は逸失利益がないと主張します。逸失利益とは後遺障害による今後収入減の賠償です。
傷跡の後遺障害は、将来の労働に影響がないと保険会社が主張することが多いです。しかし、弁護士は次のような事情を証拠とともに詳細に主張します。
- 傷跡部分のしびれ感などにより、業務上必要なヘルメットを長時間かぶれない。
- 自営業であり営業の必要があるものの、傷跡により機会を逸失している。
最終的には、保険会社が一定額の逸失利益を支払う合意をすることができました。
ご依頼者様の感想
大変満足のいく成果を挙げて頂きました。ありがとうございました。
(千葉県館山市・40代・男性・自営業)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q傷跡の後遺障害認定基準はどのような基準ですか?
-
傷跡の場所や内容に応じて、7級、9級、12級、14級となることがあります。

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- 弁護士
- 粟津 正博