頚椎捻挫の60代会社役員が、異議申し立てにより14級となり、休業損害や逸失利益なども含めて合計350万円を獲得した事例
最終更新日:2023年05月10日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 根來 真一郎

- 病名・被害
- 頚椎捻挫・外傷性頚部神経根症状
- けがの場所
- 首手・肩・肘
- 最終獲得金額
- 350万円
- 後遺障害等級
- 14級
- 事例の特徴
- むちうち(首・腰)
事故の状況
北村さん(仮名)が同乗していた車が渋滞で停止していたところ、うしろから走ってきた車に追突されました。
ご相談内容
北村さんのけがの病名は、頚椎捻挫や外傷性頚部神経根症です。7か月の通院をしました。
示談する前に念のために弁護士に相談
北村さんは示談する前に念のために弁護士に相談します。賠償金のことで損をしたくなかったからです。
後遺障害の申請と賠償交渉を弁護士に依頼
北村さんは弁護士に相談したところ、次のようなアドバイスを受けました。
- 症状が残っているのであれば、後遺障害の申請をするのが望ましい。後遺障害になると大幅に保険金が増える。
- 賠償金の交渉は弁護士がするのがよい。賠償金が増える確率は極めて高い。
- 弁護士費用特約があるのであれば、弁護士に今の時点で依頼するのが望ましい。
弁護士費用特約があったので、北村さんは弁護士に頼むことにしました。
弁護士の対応と結果
はじめの後遺障害の申請は非該当
なんとか元の体に戻そうと、北村さんは事故後7か月の治療やリハビリに励んでいました。もっとも、症状が残ってしまったことから、後遺障害診断書を作成し、後遺障害を申請します。
しかし、はじめの後遺障害の申請の結果は非該当でした。
異議申し立てで14級を獲得
弁護士は、なんとか非該当という結果を変えようとします。具体的には次のような準備をします。
- 通院した医療機関への医療照会
- 入手したカルテを分析した結果の意見書の作成
- 北村さんの状況をまとめた書面である陳述書の作成
弁護士が異議申し立てをしたところ、将来において回復することが困難と見込まれる障害との判断にいたります。そして「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)となりました。
賠償金350万円を獲得
弁護士は加害者の任意保険会社との交渉をスタートします。
北村さんは会社の社長です。そのため、休業損害や逸失利益が争いとなりました。しかし、最後は北村さんが納得できる金額での合意ができました。金額は350万円でした。
解決のポイント
1. 示談前に弁護士に相談
北村さんは示談前に弁護士に相談しました。そして、弁護士に相談するまで、北村さんは後遺障害の申請のことなどを知りませんでした。
今回は、弁護士のアドバイスによって後遺障害の申請をしたところ、14級になり大幅に賠償額が増えました。
示談は一度してしまうとやりなおしはできません。示談前には弁護士に相談するなど慎重に対応しましょう。
2. 会社役員の休業損害と逸失利益を獲得
北村さんは株式会社の代表取締役社長です。会社役員です。
会社役員は休業損害がゼロになったり、逸失利益が少なく計算されたりなど、トラブルになることが多いです。
しかし、複数年度の決算報告書の分析結果や裁判官が執筆した論文をもとに粘り強く弁護士は交渉します。その結果、休業損害と逸失利益について適正な賠償を得ることができました。
ご依頼者様の感想
ありがとうございました。
(千葉県千葉市・60代・男性・会社役員)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q会社役員の休業損害がゼロということはありますか?
-
ありえます。
会社役員は1年に1回しか役員報酬の改訂が原則できません。そのため、事故にあっても役員報酬が減額とならないことがあります。
また、特に会社の規模が大きいときなど、社長が休業しても法人の業績が悪化しないことがあります。具体的には、売上が減少しなかったり、経費が増加しなかったりするときです。
そのため、実際のマイナスがないということを理由に、会社役員は休業損害がゼロということがあります。
- Q後遺障害が認定された会社役員の逸失利益がゼロということはありますか?
-
理屈上はありますが、実際には少ないでしょう。
逸失利益は将来の減収の見込みをもとに計算します。そのため、後遺障害となったときは、ある程度の減収の見込みがあるという判断になることが多いです。

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 根來 真一郎