事例345仙骨骨折
会社員が、仙骨骨折後の腰痛の症状について14級9号の認定を受け、約225万円(人身傷害保険と併せて約360万円)を獲得した事例
最終更新日:2023年05月10日
文責:弁護士 佐藤 寿康
保険会社提示額 : 提示前のご依頼
- 解決額
- 225万円
- 怪我の場所
-
- 腰・背中
- 骨盤骨
- 後遺障害等級
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- 14級
事故発生!自転車対オートバイの事故
平成28年某月、安井さん(仮名・野田市在住・10代・女性・会社員)が、自転車に乗車して進行していたところ、後方から自動二輪車に衝突されるという事故に遭いました。
相談から解決まで
被害者は、仙骨骨折により、腰部痛等の症状に悩まされました。被害者は、約7か月治療を継続しましたが、腰部痛等の症状が残ってしまいました。
治療開始から5か月に達しようというころに、お分かりにならないことについて確認したいとの思いから、当事務所へ相談にいらっしゃいました。
治療終了後、当事務所が代理し、被害者請求を行いましたところ、腰部痛の症状について14級9号の後遺障害が認定されました。
当事務所が代理し、相手方保険会社との賠償交渉を行った結果、総額約225万円(自賠責を含み、既払金を除く)を受け取ることで示談をしました。
当事務所が関わった結果
適正に後遺障害が認定され、既払金のほか、人身傷害保険から約135万円を受領した後、相手方保険会社から約225万円(既払いの自賠責を含みます。)を受け取ることが出来ました。
解決のポイントは以下の点です。
1人身傷害保険先行の場合の考え方
任意保険会社は安井さんにも過失があるとの見解に基づき、治療費の医療機関への直接払等の一括対応をしていませんでした。安井さんには使える人身傷害保険があったことから、治療費等は人身傷害保険に対応させていました。
治療が終了して後遺障害等級が決まり、人身傷害保険からの支払を終わらせた後、任意保険会社との交渉に取り掛かりました。
任意保険会社担当者は当初、「総損害額を算定してから過失相殺処理を行い、そこから人身傷害保険金を控除した残額を賠償することになるから、加害者側には支払義務はない。」と言ってきました。これは、絶対説と呼ばれている考え方にしたがった処理方法ですが、この考え方は平成24年の最高裁判決で明確に否定されています。
この判例に従うと、既払の人身傷害保険金は先に被害者の過失部分に充当されるということになっています。被害者には加害者に対して請求できる分がまだあることになります。
そこで、担当弁護士は、任意保険会社担当者に対し、実務上採られる余地のない処理方法しかできないのであれば示談交渉は打ち切らざるを得ないことを告げて検討を要請しました。
結局、前記判例にしたがい、任意保険会社からの賠償金の支払を受けることができました。
損害賠償請求権と人身傷害保険との間の関係は複雑でして、保険会社の方もみなさんがきちんと理解しておられるわけではありません。誤解なさっている方も珍しくはないという感覚をもっています。
この件では、弁護士が関わっていたので、任意保険会社担当者が誤解していることを指摘し、適正な解決に至りました。
2適切な後遺障害
治療終了後、仙骨の骨折はきれいに治癒しましたが、腰部の痛みが残存しました。
痛みそのものを証明することはできませんが、治療中一貫して症状の訴えがあったことを指摘し、適切な後遺障害認定に至ることとなりました。
依頼者様の感想
ありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 佐藤 寿康
本事例へのよくある質問
- 人身傷害保険から135万円、相手方保険会社から225万円を取得できたのは何故ですか?
- 被害者に過失がある案件で、約135万円分が過失相殺された金額だったことが理由です。
【解説】
人身傷害保険では、過失相殺として引かれてしまった部分の補償を受けることができる場合があります。人身傷害保険では請求する順序や方法によって受領額が変わってくることがありますので詳しい弁護士に相談しながら進めましょう。