腰椎捻挫(14級)で1年治療を続けた50代自営業が、1年分の治療費や休業損害など340円を受領した事例
最終更新日:2023年05月23日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 前原 彩

- 病名・被害
- 腰椎捻挫
- けがの場所
- 腰・背中
- 最終獲得金額
- 340万円
- 後遺障害等級
- 14級
- 事例の特徴
- むちうち(首・腰)
事故の状況
中村さん(仮名)は車を運転して片道1車線の道路を進んでいました。すると、対向からきた車がセンターラインをオーバーしてきます。中村さんの車と相手の車は正面衝突しました。
ご相談内容
中村さんのけがは腰椎捻挫です。しかし、事故後3か月のときに治療費の打ち切りを保険会社がしてきます。そこで、中村さんは弁護士に相談しました。
弁護士費用特約を使って弁護士に依頼
中村さんは弁護士から次のようなアドバイスを受けました。
- 治療費の打ち切り時期が3か月というのは不当である可能性が高い。
- 弁護士が交渉をすれば、治療費が打ち切りにならないかもしれない。
- 治療費打ち切りになってしまうときは、健康保険で通院を続ける方法もある。
- 弁護士費用特約があるのであれば、今の時点で弁護士に頼むのが望ましい。
弁護士費用特約はあったので、中村さんは弁護士に頼むことにしました。
弁護士の対応と結果
治療期間はトータルで12か月
事故から3か月の段階で、保険会社は治療費を打ち切りしていました。
しかし、弁護士が交渉をしたところ3か月の延長となりました。合計6か月は任意保険会社が治療費を病院に直接支払いました。
そして、7か月目以降は健康保険を使って中村さんは通院をします。トータルで12か月通院しました。
14級で自賠責保険会社から75万円を受領
弁護士が後遺障害の申請をしたところ、はじめの申請は非該当でした。しかし、異議申し立てをしたところ、腰の痛みについて「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)となりました。
14級になったので、中村さんは自賠責保険会社から75万円を受領できました。
交渉で任意保険会社から265万円を受領
弁護士が任意保険会社と交渉をしたところ、265万円で合意します。中村さんは任意保険会社から265万円を受領できました。
中村さんが受け取った金額のまとめ
自賠責保険 | 75万円 |
---|---|
任意保険 | 265 万円 |
合計 | 340万円 |
解決のポイント
1. 4~6か月の治療費は任意保険会社が支払い
弁護士が交渉をしたところ4~6か月の治療費は任意保険会社が支払うこととなりました。はじめは3か月での打ち切りという話だったので、3か月伸びました。
2. 7~12か月の治療費は健康保険を利用
7~12か月の治療費は、一度中村さんが健康保険を使って支払いました。
そして、健康保険を使って支払った金額はまとめて任意保険会社に請求しました。いつまでを事故と関係のある治療費とするかという争いは発生したものの、最後は7~12か月の治療費を任意保険会社は支払いました。
結果として、12か月分すべての治療費を任意保険会社が負担しました。
3. 売上が減っていなくても自営業の休業損害を獲得
中村さんは自営業です。
自営業でほとんど1人で会社を切り盛りしているときは、事故でけがをしても仕事を休めないことがあります。そのようなときは、保険会社が休業損害ゼロを主張してくることが多いです。
そして、今回の中村さんは休業すると取引先を失い破産をするかもしれない状況でした。そのため、休業はしていません。
そこで、弁護士は次のような事情を主張します。
- けがによる休業が必要であるにもかかわらず、無理して働いていること
- 休業をすれば、取引先を失って破産してしまうかもしれないこと
- けがによって仕事ができなかったため、一部の仕事を外注に出していること
- 仕事を外注に一部出したため、経費が増えていること
保険会社と交渉したところ、事故から2か月は100%仕事ができなかったという前提での休業損害を獲得できました。
ご依頼者様の感想
事故にあって、治療費を打ち切るとか、休業損害が0円だとか、相手の保険会社にはいろいろ言われて嫌な思いをしましたが、最後、納得のいく良い解決ができて良かったです。
(千葉県千葉市・50代・男性・自営業)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q事故の治療で健康保険を使うメリットは何ですか?
-
健康保険を使うメリットは次のとおりです。
- 病院窓口での負担額が減る
- 自らに過失のある事案で賠償額が有利になる
健康保険を使うかどうかは専門的な判断が必要です。悩んだら、交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。
- Q加害者の任意保険と健康保険のいずれを使えばよいですか?
-
はじめは加害者の任意保険の利用を考えましょう。何らかの事情があるときは健康保険の利用を考えましょう。
どちらを使って通院するかは専門的な判断が必要です。しかも、事故後早い段階での決断をしなければいけません。
悩んだら、交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 前原 彩