大腿骨骨折後(10級11号)の80代専業主婦が、紛争処理センターを使って1000万円を獲得した事例

最終更新日:2023年07月04日

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士
前原 彩
当初の提示額
460万円
最終獲得金額
1000万円
2.1 増額
千葉県印西市・80代・女性・専業主婦
病名・被害
左大腿骨骨頭骨折
けがの場所
足・股・膝
最終獲得金額
1000万円
後遺障害等級
10級

事故の状況

高橋さん(仮名)は、信号のない横断歩道を歩いていたところ、左からきた車に衝突されました。

ご相談内容

高橋さんのけがは大腿骨骨折です。入院も含めて1年半ほど治療を続けたものの、治らずに症状固定となります。

症状固定とは

後遺障害は10級

高橋さんは自ら後遺障害の手続きをしたところ、股関節の動く範囲の制限について「一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの」(10級11号)となりました。

保険会社の提示額460万円に疑問で弁護士に相談

保険会社は高橋さんに示談金を提案します。金額は460万円です。

高橋さんは460万円という金額が低いような気がしました。そこで、高橋さんは弁護士に相談します。

説明を聞いて高橋さんは弁護士に依頼

高橋さんは弁護士から次のような説明を受けました。

  1. 460万円は明らかに低い。
  2. 80代の高齢専業主婦なので、休業損害逸失利益が争いになるかもしれない。
  3. もっとも、弁護士が入れば金額が増える確率が高い。

高橋さんは弁護士に頼むしかないと考え、弁護士に依頼しました。

足の骨折

弁護士の対応と結果

はじめの保険会社の提示は460万円でした。そして、弁護士が交渉をしたものの、交渉では若干の増額しかできません。

そこで、高橋さんと相談のうえで弁護士は交通事故紛争処理センターへの申し立てをします。その結果、次の金額が増えます。

  1. 専業主婦の休業損害
  2. 専業主婦の逸失利益
  3. 入通院慰謝料
  4. 後遺障害慰謝料

最終的にはトータルで1000万円を受領できました。高橋さんも納得できる金額でした。

解決のポイント

1. 交通事故紛争処理センターへの申し立て

交渉は決裂したものの、裁判はしたくないときは交通事故紛争処理センターへの申し立てを検討しましょう。

3~6か月で、裁判に近い内容の解決ができることが多いです。

高橋さんは紛争処理センターに申し立てをしたことにより、460万円だった保険会社のはじめの提案が最後は1000万円に増えました。

2. 既往症があるという保険会社の主張に反論

高橋さんは80代です。

80代だと事故前にも病院に定期的に通院していたということが多いです。事故前の症状を既往症といいます。

保険会社は高橋さんの既往症を主張します。そして、既往症があるため、1日あたりの通常の休業損害や逸失利益の50%しか認めないと主張します。

しかし、事故前の通院歴は高橋さんの今の症状とはまったく無関係でした。そのため、弁護士は、通常どおりの休業損害や逸失利益が認められるべきだと反論します。

結果として、既往症があるという保険会社の主張は一切認められませんでした。

ご依頼者様の感想

事故にあって身体が思うように動かなくなったり、保険会社と話をしなくてはいけなかったりしてストレスを抱えていましたが、この内容で解決することができ区切りをつけることができて良かったです。

(千葉県印西市・80代・女性・専業主婦)

本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。

本事例へのよくある質問

Q高齢者の主婦の休業損害はどのように計算しますか?

女性の平均賃金をもとに計算します。ただ、加齢により労働量が減っていたり、自分のための家事部分が多かったりするため、日額を「女性の平均賃金の〇%」と低く算定することもあります。

低い算定にならないように、同年代の主婦より家事を多くしていたり、家族の介護をしていたりなどの事情があればしっかりと主張しましょう。

Q紛争処理センターへの申し立てをしないほうがよいのはどのようなときですか?

次のようなときは紛争処理センターでの適正な解決が難しいことが多いです。

  1. お互いの主張する後遺障害の等級が大きく異なっているとき
  2. お互いの主張する過失割合が大きく異なっているとき
  3. その他、お互いに譲歩の余地がないような大きな争いがあるとき

交渉や紛争処理センターでの解決が難しいときは、裁判での解決を目指しましょう。

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士
前原 彩

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