事例332頚椎捻挫
医師面談を行って後遺障害の残存等の立証を試みた事例
最終更新日:2023年04月04日
文責:弁護士 粟津 正博
保険会社提示額 : 提示前のご依頼
- 解決額
- 140万円
- 病名・被害
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- むちうち(首・腰)
- 怪我の場所
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- 首
- 後遺障害等級
-
- 認定なし
事故発生!自動車対自動車の事故
平成27年、水口様(仮名・50代・千葉県柏市在住)は信号待ちで停止中、後方から追突されるという態様の被害にあいました。救急搬送され、頸椎捻挫と診断されました。
強い、首と上肢の痺れを自覚され、その後半年間通院して、症状固定となりました。
相談から解決まで
当事務所が代理して、後遺障害の申請を行いましたが結果は非該当でした。
当事務所が関わった結果
その後、相手方保険会社と交渉を行い、慰謝料と休業損害を計140万円受け取る内容で示談をしました。
解決のポイントは以下の点です。
1治療期間に関する交渉
ご本人は、頸部痛、右上肢の放散痛を自覚し治療に努めていましたが、事故後半年で保険会社から治療費の対応を打ち切る旨の申入れがありました。
結果的に弁護士が交渉して、1か月治療期間を延長したうえで、症状固定となりました。
例えば頸椎捻挫の傷病名の治療の場合、6か月程度で治療費の打ち切りの要請があることは珍しくありません。これは、症状が残存していても、これ以上治らない=症状が固定していると客観的にみなされる状態であれば、その間の治療費を加害者に請求することはできないという賠償法上の理由によるものです。このような場合、少しでも症状が軽快している状況であるかを確認し、その点を具体的に相手方保険会社に伝えることが重要です。
2医師との面談
ご本人は、頸部痛、右上肢の放散痛が残存していましたので、後遺障害の申請を行うために、後遺障害診断書を主治医に作成していただきました。しかし、主治医の診断では、同症状は「治る」旨記載されていました。
そこで、弁護士が医師と面談を実施し、同記載の根拠や現在も強く症状が残ることなどを伝えました。
後遺障害申請時には医師面談の結果や、警察の実況見分調書なども取り寄せて、事故による衝撃が大きかったことなども併せて主張しましたが、後遺障害診断書の記載内容が響き結果は非該当でした。
ご本人の意向もあり、異議申し立てをすることなく、示談交渉を進めていくこととなりました。
後遺障害診断書の記載内容は、後遺障害の申請上、極めて重要な書類です。例えば、今後の見通しを記載する欄に、症状が治る旨記載されている場合、(主治医の診断によれば治るということですので)後遺障害が認定されていることは稀であると思います。
そのような点を踏まえて今回は医師との面談を行い、「治る」旨の記載について照会を行って、チャレンジをした事案でした。
依頼者様の感想
粘り強く進めていただき、ありがとうございました。また何かありましたらお願いします。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 粟津 正博
本事例へのよくある質問
- 後遺障害診断書に記載されてしまうと後遺障害が認定されにくくなる記載にはどのような記載がありますか?
- 次のような記載等があります。
- 障害内容の増悪・緩解の見通しの欄にある「治った」旨の記載
- 自覚症状の欄にある「寒いときは痛い」「首を動かすと痛い」などのいつも痛いわけではない旨の記載
- 治療費の打ち切りがされにくい場合はどのような場合ですか?
- 次のような場合には治療費の打ち切りがされにくいです。
- 主治医の意見が事故による治療がまだ必要という意見
- 症状が改善傾向
- 検査結果に異常あり
- 「あと〇か月程度で治療終了見込」など終了見込あり