会社役員が裁判まで争ったものの事故の事実と受傷の事実が認められなかった事例

最終更新日:2023年02月21日

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士
大澤 一郎
当初の提示額なし
最終獲得金額
0万円
0万円 増額
千葉県千葉市・30代・男性・会社役員
病名・被害
頚椎捻挫・腰椎捻挫
けがの場所
腰・背中
最終獲得金額
0万円
後遺障害等級
認定なし
事例の特徴
むちうち(首・腰)

事故の状況

横久さん(仮名)は駐車場を車に止めていました。

横久さんが停車中の車に乗っていたところ、後ろからの衝撃が突然あります。横久さんが車から降りて確認すると、横久さんの車は別の車にぶつけられていることがわかりました。

加害者は、現場では事故の事実を争ってはいませんでした。しかし、数カ月がたったあと、事故の事実を加害者は否定してきました。

ご相談内容

横久さんはむちうちなどのけがをしていましたので、健康保険で通院を続けていました。

しかし、加害者は事故を否定しています。そのため、横久さんは今後どのようにすればよいかわかりませんでした。

弁護士費用特約があったため、横久さんは弁護士に相談します。横久さんは弁護士から次のようなアドバイスを受けました。

  • 自賠責保険に治療費などの請求をしてみる方法がよいこと
  • 自賠責保険がだめであれば裁判になる可能性が高いこと
  • 裁判は、証拠で証明できないと横久さんの主張は通りにくいこと

横久さんは状況が厳しいことは理解します。しかし、どうしても納得できないため、弁護士に頼むことにしました。

横久さんのご相談内容のまとめ

  1. 治療費を誰も支払わないので今後どうすればよいかわからない。
  2. 誰も責任を負わないという結論にどうしても納得できない。

裁判所

弁護士の対応と結果

弁護士は、治療費などを自賠責保険に請求します。しかし、自賠責保険は治療費などの支払いをしませんでした。その後、自賠責保険への異議申立も行いますが、結論は変わりませんでした。

横久さんは裁判を起こします。裁判では、次のような証拠を出して争いました。

  1. 事故の事実があるという専門家が作成した鑑定書
  2. 受傷の事実があるという主治医の意見書

裁判では横久さんの証人尋問もしました。

ただ、最終的には、事故の事実と受傷の事実が認められないという判決となってしまいました。

弁護士の対応と結果のまとめ

  1. 自賠責保険に治療費などの請求をした。
  2. 自賠責保険に異議申立をした。
  3. 証拠を集めて裁判で争った。しかし、結果は出なかった。

解決のポイント

1. 自賠責保険への治療費などの請求

加害者の任意保険会社が治療費の支払いを拒否していたとしても、加害者の自賠責保険会社へ直接治療費を請求することができます。

横久さんも自賠責保険への請求をしました。

被害者保護のため支払がされやすいという特徴が自賠責保険にはあります。手続きがうまく進まないときは、直接自賠責保険への請求をすることも選択肢の1つです。

2. 裁判であきらめずに闘う姿勢

あきらめずに裁判を起こし、判決になるまで闘いました。

①事故の事実があるという専門家が作成した鑑定書、②受傷の事実があるという主治医の意見書などを証拠として提出しました。

証人尋問では加害者の主張の矛盾を指摘し、加害者の主張の信用性を下げました。

結果としては事故の事実と受傷の事実は認められないという結果になってしまいました。しかし、裁判を起こして争うべき点は全て争いました。

ご依頼者様の感想

結果は残念ですが、最後までやったのはよかったです。

(千葉県千葉市・30代・男性・会社役員)

本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。

本事例へのよくある質問

Q自賠責保険への治療費などの請求が認められにくいのはどのようなときですか?

次のようなときです。

  1. 事故が軽いとき
  2. 事故日から初診日まで日が空いているとき

事故が軽いかどうかは車両の損傷状況や修理代の見積書などで判断することが多いです。証拠をきちんと残しておきましょう。

また、事故にあってけがをしたときは、早めに病院に行くことが大切です。当日か遅くとも翌日には通院することをおすすめします。

Q自賠責保険の認定結果に納得できないときはどうすればよいですか?

自賠責保険の認定結果に納得できないときは、次の方法があります。

  1. 自賠責保険への異議申し立て
  2. 自賠責保険・共済紛争処理機構への異議申し立て
  3. 民事裁判での異議申し立て

一般的には、①自賠責保険への異議申し立てを行うことが多いです。どの方法がよいかは専門的な判断が必要ですので交通事故に詳しい弁護士へのご相談をおすすめします。

Q証人尋問とはどのような手続ですか?

事故の当事者が裁判所で裁判官の前で話す手続きです。テレビドラマの裁判などをイメージしていただければ近いと思います。

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士
大澤 一郎

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