頚椎捻挫と腰椎捻挫の50代会社役員が、休業損害はゼロだったものの、慰謝料89万円など総額100万円を獲得した事例
最終更新日:2023年05月02日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 大澤 一郎

- 病名・被害
- 頚椎捻挫・腰椎捻挫
- けがの場所
- 首腰・背中
- 最終獲得金額
- 100万円
- 後遺障害等級
- 認定なし
- 事例の特徴
- むちうち(首・腰)
事故の状況
安田さん(仮名)が信号待ちで止まっていたところ、うしろから車にぶつけられました。
ご相談内容
安田さんのけがは頚椎捻挫と腰椎捻挫です。約6か月の治療を続けました。そして、けがは治りました。
休業損害がゼロ
安田さんは中堅規模の株式会社を経営する代表取締役です。そして、保険会社が提示する休業損害はゼロでした。
安田さんは弁護士に依頼
安田さんは弁護士に相談をします。休業損害ゼロというのがいまいち納得できなかったからです。
安田さんは弁護士から次のようなアドバイスを受けます。
- ある程度の規模のある会社の社長の休業損害はゼロのことも多い。
- もっとも、休業損害の交渉はやってみないとわからない。
- 弁護士が入ると慰謝料が増える可能性が高い。
- 弁護士費用特約があるのであれば、弁護士に頼んだ方がよい。
弁護士費用の特約はあったので、安田さんは弁護士に頼んでみることにしました。
弁護士の対応と結果
弁護士は保険会社との交渉をスタートします。
慰謝料は満額の89万円で計算
安田さんは6か月の通院をしました。裁判での慰謝料の基準は89万円です。そして、弁護士が交渉をしたところ、慰謝料は89万円となりました。
休業損害は裁判を検討
保険会社が提示する休業損害はやはりゼロでした。
弁護士は、会社の数年分の決算書や月次の決算書を出して保険会社と交渉をします。しかし、交渉ではゼロという回答は変わりませんでした。
安田さんと弁護士は裁判を起こすかどうか検討します。もっとも、安田さんは社長という忙しい立場だったこともあり、裁判まではしたくはないということでした。
そのため、休業損害はゼロで決着しました。
まとめ:弁護士の対応と結果
弁護士が代理して交渉をしたことにより、慰謝料満額の89万円を含む100万円を獲得できました。
解決のポイント
1. 会社役員の休業損害は裁判になりやすい
会社役員の休業損害は難しい問題がいろいろ発生します。
年間や月次の決算書を出して裁判にて争えば、代表取締役社長であったとしても一定の休業損害が認められることもあります。
もっとも、会社役員の休業損害を争って裁判をすると、1~2年の期間がかかることが多いです。
会社役員の休業損害は、裁判までするかどうか慎重に検討しましょう。
2. 会社役員の休業損害を獲得しやすくする方法
会社役員の休業損害を獲得しやすくするには、次のような方法があります。
- 役員報酬を実際に減額すること
- 事故前と事故後の売上を比べて、事故後の売上が減っていることを証明すること
- 事故前と事故後の経費を比べて、事故後に経費が増えていることを証明すること
会社役員の休業損害はもめやすいです。悩んだら、交通事故に詳しい弁護士にまずは相談しましょう。
ご依頼者様の感想
休業損害についての保険会社の対応には納得していませんが、早く終ったので良かったです。
(千葉県千葉市・50代・男性・会社役員)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q役員報酬分の休業損害がゼロとなってしまった理由は何ですか?
-
実際の役員報酬の減額がなかったことが大きな理由です。
また、会社の規模が大きかったため、代表取締役社長が実際に仕事を休んだ結果、会社の業績にどのような影響があったかを証明しにくかったことも理由です。
- Q裁判をすれば役員報酬分の休業損害は認められますか?
-
認められるときと認められないときのいずれもあります。
役員報酬分の休業損害や逸失利益は裁判の見通しの判断が難しいです。悩んだら、まずは交通事故に詳しい弁護士に相談しましょう。

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 大澤 一郎