嗅覚脱失と高次脳機能障害(6級)の60代専業主婦が、交渉により2400万円を獲得した事例
最終更新日:2019年10月31日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 大澤 一郎

- 病名・被害
- 高次脳機能障害・嗅覚脱失
- けがの場所
- 頭部顔(目・耳・鼻・口)
- 最終獲得金額
- 2400万円
- 後遺障害等級
- 6~8級12級
- 事例の特徴
- 高次脳機能障害
事故の状況
野口さん(仮名)は自転車でまっすぐ走っていたところ、自分の右側を通り抜けようとした車とぶつかりました。
ご相談内容
野口さんは脳挫傷や後頭骨骨折、気脳症、外傷性てんかんなどのけがをしました。救急搬送のあと、1か月半以上の入院を続けました。
退院をしたあと、性格の変化など高次脳機能障害の疑いがありました。しかし、野口さんは通院をしていなかったため、医師の診断はありませんでした。
野口さんのご家族は弁護士に相談
野口さんのご家族は弁護士に相談をします。今後のいろいろな手続きをどのように進めればよいか、よくわからなかったからです。
高次脳機能障害が疑われたことから、弁護士は野口さんとも直接面談します。そして、野口さんと弁護士は一緒に病院に行き、主治医と面談をします。
家庭内での野口さんの状況を伝えたところ、主治医はすぐに検査をスタートします。その結果、高次脳機能障害という診断を受けました。
そして、今後の手続きをうまく進めるために、野口さんは弁護士に頼むことにしました。
弁護士の対応と結果
嗅覚の障害について専門病院での検査をアドバイス
野口さんには嗅覚の障害もありました。
嗅覚障害は、専門の病院での検査が必要です。そこで、専門の病院での検査を受けるよう、弁護士は野口さんにアドバイスしました。そして、嗅覚の後遺障害の検査を野口さんは受けました。
6級で1296万円を自賠責保険会社から受領
野口さんは事故から1年半ほど治療を続けたものの、完治はしませんでした。
弁護士が後遺障害の申請をしたところ、次のとおり6級となりました。
- 高次脳機能障害について「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」(7級4号)
- 嗅覚がなくなったことについて「嗅覚脱失が存するもの」(12級相当)
- あわせて併合6級
6級になったので、野口さんは自賠責保険会社から1296万円を受け取りました。
交渉にて1104万円を任意保険会社から受領
弁護士は、保険会社との交渉をスタートします。
6級になったので、比較的交渉はスムーズに進みます。最後は1104万円で合意できました。
野口さんは、任意保険会社から1104万円を受け取りました。
野口さんが受け取った金額のまとめ
自賠責保険 | 1296万円 |
---|---|
任意保険 | 1104万円 |
合計 | 2400万円 |
解決のポイント
1. 高次脳機能障害であることを把握
野口さんは、退院後に通院していませんでした。そして、入院中の主治医は高次脳機能障害を把握していませんでした。
高次脳機能障害は、知能や記憶には何も問題なく、性格の変化のみが生じることがあります。そして、性格の変化は医師の診察ではわかりにくく、同居の家族からの申告ではじめてわかることもあります。
今回の事故は、野口さんの家族が弁護士に早めに相談しました。そのため、高次脳機能障害の見落としがなく、適切な後遺障害認定や賠償金が獲得できました。
2. 嗅覚がなくなっていることを把握
高次脳機能障害では、嗅覚がなくなることもあります。
しかし、嗅覚の消失を本人が気付いていなかったり、病院にて専門的な検査をしていなかったりすることがあります。
嗅覚の消失の疑いがあるときは、早めに専門の病院を受診しましょう。
ご依頼者様の感想
いろいろとお世話になりました。どうもありがとうございました。
(千葉県柏市・60代・女性・専業主婦)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q高次脳機能障害のときは、どのように医師に症状を伝えればよいですか?
-
医師には症状を正しく伝えましょう。
次のような点も重要なポイントです。
- 家族が同席して伝えること
- 日常生活でできなくなったことを伝えること
- 極端に症状が良くなったり悪くなったりするような伝え方は避けること

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