事例178右下腿皮膚欠損・傷跡
会社員男性が、右下腿皮膚欠損後の、右下腿前部の瘢痕について、12級相当の認定を受け800万円を獲得した事例
最終更新日:2023年05月01日
文責:弁護士 粟津 正博
保険会社提示額 : 提示前のご依頼
- 解決額
- 800万円
- 病名・被害
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- 傷跡
- 怪我の場所
-
- 足・股・膝
- 後遺障害等級
-
- 12級
事故発生!バイク対自動車の事故
平成27年某月、新川さん(仮名・佐倉市在住・60代・男性・会社員)が、原動機付自転車に乗車して停車中、右方から来た普通乗用自動車に衝突されるという事故に遭いました。
相談から解決まで
被害者は、右下腿打撲挫創、右下腿皮膚欠損等を受傷し、1年間にわたって治療に努めました。その結果、右足の可動域の制限の症状は回復したものの、右足に傷跡が残り、この傷跡について12級相当の後遺障害が認定されました。
その後、相手方保険会社との賠償交渉を行い、800万円を受け取ることで示談をしました。
当事務所が関わった結果
当事務所が依頼を受けた結果、相手方保険会社から計800万円を受け取ることが出来ました。
解決のポイントは以下の点です。
1醜状障害と逸失利益
本件では、右足の傷跡のみについて後遺障害が認定されていました。そして、相手方保険会社からは、このような傷跡のみの後遺障害であれば逸失利益(将来にわたってお仕事が出来なくなることによる賠償)がない旨主張されました。このように、醜状障害の後遺障害について、将来の労働に対して影響がないと保険会社が主張してくることは多くあることです。そこで、本件では、皮膚の移植により、むくみ、痛みが出ていること、これによって通勤や勤務先での仕事に大きな影響が出ていることを詳細に主張しました。最終的に、一定額の逸失利益を認めさせることに成功しました。
2賞与の減額と休業損害
本件では、事故による休業により、月例の給与の減額があったほか、賞与の査定が下がり、賞与の減額がありました。しかし、相手方保険会社は当初賞与の査定が下がったことは事故と無関係である旨主張しました。そこで、賞与の査定方法について、詳細に反論し、賞与の減額が事故が原因であることを認めさせることに成功しました。
依頼者様の感想
ありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 粟津 正博
本事例へのよくある質問
- 傷跡が残りそうな場合、早期に後遺障害申請した方がよいですか?それともゆっくり治療をした方がよいですか?
- 非常に難しい問題です。傷跡は徐々に治っていきます。
そのため、早期に後遺障害申請した方が後遺障害認定基準を満たし後遺障害認定がされる確率が高まります。
他方、後遺障害申請段階になると保険会社は治療費を支払しなくなります。 また、早期に後遺障害申請をしたとしても必ず後遺障害が認定されるわけではありません。
そのため、主治医の判断を尊重しつつ決断するのが望ましいでしょう。 なお、傷跡の後遺障害の場合、6カ月経過してからでないと後遺障害が認められないことが多いので注意しましょう。 - 賞与の減額を補償させるにはどうすればよいですか?
- 賞与減額証明書を職場に作成してもらう方法がよいです。 賞与減額証明書のひな型は保険会社がもっています。もし、ひな型がない場合には保険会社に聞いてみましょう。
- 足の傷跡はどのような後遺障害の可能性がありますか?
- 次の後遺障害の可能性があります。
- 胸部及び腹部、又は背部及び臀部の全面積の2分の1程度以上の範囲に瘢痕を残すもの(12級相当)
- 胸部及び腹部、又は背部及び臀部の全面積の4分の1程度以上の範囲に瘢痕を残すもの(14級相当)
- 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの(14級4号)
- 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの(14級5号)