腰椎圧迫骨折と頚椎捻挫(11級)の60代自営業が、裁判で過失割合を逆転してトータルで900万円を獲得した事例
最終更新日:2023年05月31日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 大澤 一郎

- 病名・被害
- 頸椎捻挫・腰椎圧迫骨折・腹部打撲血種
- けがの場所
- 首腰・背中
- 最終獲得金額
- 900万円
- 後遺障害等級
- 11級14級
- 事例の特徴
- むちうち(首・腰)
事故の状況
事故現場は信号機のある十字路交差点です。須藤さん(仮名)が車を運転して直進していました。すると、対向車線の車が右折してきます。車と車は衝突しました。
ご相談内容
須藤さんのけがは、腰椎圧迫骨折や頚椎捻挫、腹部打撲です。
そして、事故後早い段階で保険会社は次のような主張をしてきます。
- 双方の進行方向の信号が黄色だったので、直進していた須藤さんは加害者である。
- 須藤さんは自営業であるため、低額の休業損害しか支払えない。
須藤さんは困ってしまいます。そして、通っていた病院の主治医から弁護士を紹介されました。
弁護士費用特約を使って弁護士に依頼
須藤さんは保険会社との対応を自分で進めることは困難でした。そこで、弁護士費用特約を使って弁護士に頼むことにしました。
弁護士の対応と結果
治療費約200万円は任意保険会社が支払い
弁護士が調整をしたところ、治療費約200万円を任意保険会社が病院に先に支払いました。
11級で自賠責保険から331万円を受領
弁護士が後遺障害の申請をしたところ、次のとおり11級となりました。
- 腰椎圧迫骨折後の変形について「脊柱に変形を残すもの」(11級7号)
- 頚椎捻挫後の首の痛みについて「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)
- 2つをあわせて併合11級
11級になったので、須藤さんは自賠責保険会社から331万円をもらえました。
裁判で任意保険会社から105万円を受領
過失割合や自営業の休業損害という争点があったため、弁護士は裁判を起こします。
結果として、次のような合意が裁判所で成立しました。
- 須藤さんは加害者ではなく被害者
- 過失の割合は30対70
- 自営業の休業損害は須藤さんの仕事の実態にあった金額で計算
- トータルの受領額は105万円
須藤さんは任意保険会社から105万円をもらえました。
人身傷害保険から約300万円を受領
人身傷害保険とは、自らに過失があるときに、その過失分などを補償する保険です。
須藤さんは被害者です。しかし、30%の過失がありました。そこで、過失分30%を弁護士は人身傷害保険に請求します。
結果として、須藤さんは人身傷害保険から約300万円をもらえました。
須藤さんが受け取った金額のまとめ
治療費(任意保険) | 約200万円 |
---|---|
自賠責保険 | 331万円 |
任意保険 | 105万円 |
人身傷害保険 | 約300万円 |
まとめ | 約900万円 |
解決のポイント
1. 過失割合の逆転に成功!
保険会社は信号機の色を黄色と主張していました。双方が黄色だと須藤さんは加害者となり、過失は70%という状況でした。
しかし、弁護士は次のような活動をします。
- 実況見分調書などの刑事記録の取り寄せ
- 別冊判例タイムズ38号を踏まえた、過去の裁判例に基づく主張
- 現地調査を弁護士がしたうえで、通常の交差点とは異なる特殊な交差点であることを弁護士が主張
- 裁判所での証人尋問にて、加害者の主張の矛盾を指摘
結果として、須藤さんは被害者との判断に至りました。過失も30%だけとなりました。加害者から被害者へと過失割合を逆転できました。
注 裁判期日は複数回開かれます。
注 証人尋問とは当事者が裁判所で話す手続です。行われる場合と行われない場合があります。
ご依頼者様の感想
過失割合が逆転できてよかったです。長期間ありがとうございました。
(千葉県千葉市・60代・男性・自営業)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q圧迫骨折の変形障害はどのような後遺障害になりますか?
-
次のような後遺障害になることがあります。
脊柱の障害・変形障害 6級5号 脊柱に著しい変形を残すもの 8級2号に準じる 脊柱に中程度の変形を残すもの 11級7号 脊柱に変形を残すもの

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 大澤 一郎