10代の女性の顔面擦過傷後の傷跡(12級)について、裁判にて374万円を獲得した事例

最終更新日:2023年04月10日

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士
前田 徹
当初の提示額
290万円
最終獲得金額
374万円
1.2 増額
千葉県市川市・10代・女性・学生
病名・被害
顔面擦過傷
けがの場所
顔(目・耳・鼻・口)
最終獲得金額
374万円
後遺障害等級
12級
事例の特徴
傷跡

事故の状況

鈴木さん(仮名)は自転車に乗ってカーブを曲がろうとしました。すると対向車線から車が近づいてきます。車はカーブを膨らんで走行してきたため、鈴木さんの自転車とぶつかりました。

ご相談内容

鈴木さんのけがは、頭部打撲や頚椎捻挫、顔面擦過傷などです。1年ほどの治療を続けます。しかし、顔の傷跡は治りませんでした。

12級の後遺障害が認定

鈴木さんは自分で後遺障害の手続きをします。その結果、顔の傷跡について「外貌に醜状を残すもの」(12級14号)となりました。

示談交渉を弁護士に依頼

後遺障害の手続きのあとは示談交渉です。もっとも、鈴木さんは示談交渉の進め方がよくわかりません。そこで、鈴木さんは家族と一緒に弁護士に相談します。

弁護士費用の特約もあったので、鈴木さんは弁護士に依頼することとしました。

自転車走行中の学生

弁護士の対応と結果

相手が過失を否定するなど交渉は決裂

弁護士は保険会社との交渉をスタートします。

しかし、交渉のはじめの段階では、加害者は自らの過失を否定していました。また、顔の傷跡が10代の女性に与える影響も軽視していました。

そのため、交渉は決裂します。

裁判で374万円を獲得

弁護士は、鈴木さんやご両親と相談をしたうえで裁判を起こします。

裁判で次のような点を弁護士は主張します。

  1. 10代の若い女性の顔に傷跡が残ってしまい、昔からの夢をあきらめることになったこと
  2. 加害者には大きな過失があること

最終的には加害者に大きな過失があることを前提にして、裁判所での合意により374万円を獲得することができました。

裁判の流れ

注 裁判期日は複数回開かれます。
注 証人尋問とは当事者が裁判所で話す手続です。行われる場合と行われない場合があります。

解決のポイント

1. 裁判の標準の1.7倍の後遺障害慰謝料を獲得

後遺障害慰謝料とは、後遺障害になったことによる慰謝料です。12級のときの裁判の標準は290万円です。

弁護士は次のような点を主張して慰謝料の増額を求めます。

  1. 10代の女性の顔の傷跡であり、今後の人生に与える影響は特に大きいこと
  2. 逸失利益が認められないのであれば、後遺障害慰謝料の増額をすべきであること

その結果、後遺障害慰謝料は493万円となりました。12級のときの裁判の標準の1.7倍になりました。

2. 過失での減額分は人身傷害保険から別途全額の補償

今回の事故は過失相殺が問題となりました。鈴木さんにも一定の過失がある事故だったためです。裁判所での和解では、鈴木さんもある程度の過失を認めて合意しました。

もっとも、鈴木さんは人身傷害保険を使うことができました。人身傷害保険は自らに過失があったときなどに、過失分の補償などが出る自動車保険の特約です。

結果として、過失分として引かれた金額全額の補償を鈴木さんはもらうことができました。

ご依頼者様の感想

面倒な裁判だったと思いますが、長い間、丁寧に対応いただき、ありがとうございました。今後、ないに越したことはありませんが、何らかの相談事ができたときには、改めてよろしくお願いします。

(千葉県市川市・10代・女性・学生)

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本事例へのよくある質問

Q顔の傷跡はどのような後遺障害になりますか?

顔の傷跡は次の後遺障害の可能性があります。

  1. 外貌に著しい醜状を残すもの(7級12号)
  2. 外貌に相当程度の醜状を残すもの(9級16号)
  3. 外貌に醜状を残すもの(12級14号)
Q人身傷害保険はどのようなときに使いますか?

次のようなときに使います。

  1. 単独事故のとき
  2. 過失がある事故のとき
  3. 加害者が無保険のとき
  4. 加害者が事故を認めないなどのとき
  5. 加害者の任意保険会社が治療費や休業損害を打ち切るとき

人身傷害保険は制度が複雑です。悩んだら、交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士
前田 徹

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