頚椎捻挫(14級)と腰椎捻挫(14級)の30代専業主婦が、裁判により240万円を獲得した事例
最終更新日:2023年05月25日
- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 川﨑 翔
- 病名・被害
- 頚椎捻挫・腰椎捻挫
- けがの場所
- 首腰・背中
- 最終獲得金額
- 240万円
- 後遺障害等級
- 14級
- 事例の特徴
- むちうち(首・腰)
事故の状況
事故は信号機のない十字路交差点で発生しました。田中さん(仮名)が車を運転して直進していたところ、右から車が出てきてぶつかりました。
ご相談内容
田中さんのけがは頚椎捻挫と腰椎捻挫です。1年ほどの治療を続けたものの、首や腰の痛みが残りました。
後遺障害の申請から弁護士に依頼
田中さんは後遺障害の申請から弁護士に依頼をします。弁護士に頼むと適切な後遺障害の認定になると聞いたからです。
弁護士費用特約もあったので、弁護士費用の実質的な負担はなく依頼できました。
弁護士の対応と結果
後遺障害は14級
弁護士が後遺障害の申請をしたところ、次のとおり併合14級となりました。
- 首の痛みについて「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)
- 腰の痛みについて「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)
- あわせて併合14級
任意保険会社との交渉は決裂
弁護士は保険会社と賠償金の交渉をスタートします。
しかし、保険会社の見解は次のようなものでした。
明らかに不当な見解のため交渉は決裂します。
裁判で240万円を獲得
田中さんは弁護士と相談のうえ、裁判を起こします。
そして、裁判では次のような合意をすることができました。
- 田中さんのけがの実態にあった主婦の休業損害を認める。
- 田中さんの過失割合を20%とする。
- 保険会社からの受領額は240万円とする。
はじめの保険会社の提示よりも、大幅に賠償金が増えました。
注 裁判期日は複数回開かれます。
注 証人尋問とは当事者が裁判所で話す手続です。行われる場合と行われない場合があります。
人身傷害保険から過失として引かれた20%を獲得
田中さんは人身傷害保険に入っていました。人身傷害保険は、過失として引かれてしまった分の全部または一部を補償する保険です。
弁護士が事前に保険会社との調整をしていたこともあり、裁判後に請求をすると、人身傷害保険は20%分を田中さんに支払いました。
田中さんは過失があったにもかかわらず、過失がなかったときと同額の賠償金を獲得できました。
解決のポイント
1. 人身傷害保険への適切な請求
人身傷害保険は、過失分として引かれてしまった金額の補償を受けることができます。
ただし、請求の順序や方法により、人身傷害保険に請求できる内容は変わってきます。
今回は、加害者の任意保険会社に裁判を起こしました。そのうえで、裁判の終了後に人身傷害保険に請求をしました。この順番の場合、過失として引かれてしまった金額全額の補償を受けることができることが多いです。
人身傷害保険は内容が複雑です。請求を間違うと損をしてしまうこともあります。悩んだら、交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。
2. 専業主婦の休業損害を獲得
はじめの保険会社の提示は専業主婦の休業損害がゼロでした。けがによる家事への影響は少ないという理由でした。
これに対して、弁護士は次のような事情を主張します。
- 田中さんの現在の症状
- 田中さんの症状が家事に与える影響
結果として、田中さんも納得できる主婦の休業損害を獲得できました。
3. 過失割合を有利に変更することに成功
はじめの保険会社の提示は、田中さんの過失を30%以上とする内容でした。
これに対して、弁護士は次のような活動をします。
- 実況見分調書などの刑事記録を取り寄せして、証拠として裁判所に提出
- 別冊判例タイムズ38号などを利用して、過去の裁判例に基づく主張を裁判所に提出
結果として、田中さんの過失を20%とする合意ができました。
ご依頼者様の感想
私の過失分についてもきちんと支払われ、満足しています。ありがとうございました。
(千葉県印西市・30代・女性・専業主婦)
プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で事案の内容を変更していることがあります。
本事例へのよくある質問
- Q裁判のメリットはどのようなものですか?
-
裁判には次のようなメリットがあります。
- 証拠があるときは、交渉と比べて高額な解決ができます。
- 個別の事実関係を一番反映した解決ができます。
- 最終的には裁判所の判決により、合意をしないでも強制的な解決ができます。
- Q裁判のデメリットはどのようなものですか?
-
裁判には次のようなデメリットがあります。
- 手続きが複雑です。
- 時間が1年から2年かかることが多いです。
- 証拠が不十分だと金額が低くなることがあります。
裁判をするかどうかは慎重な判断が必要です。悩んだら、交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。
- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 川﨑 翔