事例124右肩腱板損傷
右肩腱板損傷後の疼痛について、14級9号が認定された事例
最終更新日:2023年03月30日
文責:弁護士 大澤 一郎
保険会社提示額 : 243万円
- 解決額
- 531万円
- 増額倍率 :2.1倍
- 怪我の場所
-
- 手・肩・肘
- 後遺障害等級
-
- 14級
事故発生!自動車対自動車の事故
平成25年某月、真島成友さん(仮名・千葉県柏市在住・60代・男性・専門職)が自動車を運転して、駐車場内に停止中、他の車両から突然衝突されるという事故に遭いました。
相談から解決まで
被害者は、事故により右肩腱板損傷の傷害を負い、約1年6ヶ月の治療を余儀なくされました。腱板の手術をおこないましたが、右肩痛は残存してしまいました。右肩痛について、14級9号の後遺症が認定された後、当事務所が受任、交渉にあたりました。
交渉の結果、531万6,618円(既払金を含めると826万5,568円)で解決することができました(当初、保険会社が提示していた金額の2倍以上になりました。)。
当事務所が関わった結果
当事務所が依頼を受け、被害者請求を行った結果、適正な後遺障害等級が認定されました。加害者に訴訟提起せずに解決することができました。
解決のポイントは以下の点です。
1休業損害について
被害者は、腱板断裂により肩関節の動きが制限されていたため、休業の後、退職を余儀なくされました。退職後、腱板の手術を受けたため、徐々に回復したものの、肩の痛みが完全にとれることはなく、長期間無職の状況になってしまいました。相手方保険会社は当初、退職の理由が明らかでないなどと、休業損害の支払いを拒んでいました。そこで、傷害が業務に与える影響や退職に至った経緯を詳細に説明し、確定申告書等の写しで減収を立証しました。
その結果、事故から再就職までの期間の休業損害、総額約180万円が認められました。
2傷害慰謝料について
傷害慰謝料(入院や通院の期間に応じて認められる慰謝料)の基準は2種類あります。むち打ち症等などの場合、低い基準で算定されることになります。
本件では、むち打ち症と同じ神経症状ではあるものの、腱板損傷後の疼痛であることから、高い基準で算定すべきであると主張しました。
相手方保険会社も当事務所の主張を受け入れ、裁判の水準で解決することができました。
依頼者様の感想
時間はかかりましたが、満足いく結果になりました。ありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 大澤 一郎
本事例へのよくある質問
- 肩腱板損傷ではどのような後遺障害の可能性がありますか?
- 次の後遺障害の可能性があります。
- 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの(10級10号)
- 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの(12級6号)
- 局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)
- 局部に神経症状を残すもの(14級9号)
- 事故後無職になった場合でも休業損害は認められますか?
- 労働能力及び労働意欲があり、就労の可能性が高い場合は認められます。
- 入通院慰謝料の基準が2種類あるというのはどういうことですか?
- 入通院慰謝料には別表Ⅰと別表Ⅱがあります。
- 別表Ⅱはむちうち等の場合で利用される基準です。
- 腱板損傷で1年半の治療というのは長い方ですか?
- 手術にまで至る事案の場合、1年半程度の治療期間は主治医の判断にもよりますが適切な期間です。
- 手術はせずに経過観察というような事案の場合、6か月~1年位で治療終了になる事案が多いです。
- 手術をしても改善しない場合、後遺障害は認定されやすいですか?
- 認定されやすいです。
- 手術という大変なことをしたという事実が後遺障害認定においては有利に働く傾向にあります。