事例122脛骨骨折
会社員が右脛骨骨折後の疼痛により12級13号の認定を受け、900万円の賠償が認められた事例
最終更新日:2023年03月27日
文責:弁護士 大澤 一郎
保険会社提示額 : 提示前のご依頼
- 解決額
- 900万円
- 怪我の場所
-
- 足・股・膝
- 後遺障害等級
-
- 12級
事故発生!バイク対自動車の事故
平成23年某月、田中豪さん(仮名・千葉市在住・会社員)がバイクを運転して交差点を直進したところ、右折対向車に衝突されるという事故に遭いました。
相談から解決まで
被害者は、右脛骨骨折、右眼窩底骨折の傷害を負い、2週間の入院を含めて、約2年間の治療を余儀なくされました。
右脛骨骨折は、骨折部に不整癒合があり、膝関節痛や感覚障害が残りました。
上記後遺症については12級13号が認定されました。
相手方保険会社との任意交渉がまとまらず、やむなく裁判を起こしました。
その結果、裁判所の勧めもあり、900万円を受領するとの内容で和解することができました。裁判上の和解であったため、被害者が加入する保険会社の人身傷害保険金も満額受領することができ、既払金や人身傷害保険金を含めて1,708万8,867円を受領するとの内容で解決しました。
当事務所が関わった結果
当事務所が依頼を受けて交渉をおこなった結果、被害者の過失分を含めて、被害の回復を図ることができました。
解決のポイントは以下の点です。
1逸失利益
交渉の際、相手方保険会社は、逸失利益の算定期間について、20年を認めていたものの、最初の10年については労働能力喪失率14%、次の10年については労働能力喪失率10%と主張していました。基礎収入についても裁判の基準に比べて少ない金額を主張していました。
そこで当事務所は訴訟において、被害者が比較的若く、賃金センサス(年収の統計資料)から見ても、高い給与を受け取っていること、膝の疼痛により業務にどのような影響が出ているのかを詳細に主張しました。
その結果、裁判所は算定期間全体について、14%の労働能力喪失率を認め、基礎収入も約500万円と認定しました。
2人身傷害保険金の受領
被害者が人身傷害保険に入っている場合、被害者に過失があっても十分な賠償を受けることが可能です。
訴訟を提起し、裁判所において過失や賠償額全体を正確に認定してもらうことで、受領できる人身傷害保険金が増加することがあります。
本件では、訴訟を提起し、損害額を裁判において確定させてから、人身傷害保険金を請求したことで、被害者の過失分を含めた全額の賠償を受けることができました。
依頼者様の感想
長期間おせわになりました。ありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 大澤 一郎
本事例へのよくある質問
- 脛骨の骨折はどのような名称で呼ばれていますか?
- 脛骨顆部骨折(けいこつかぶこっせつ)、脛骨近位端骨折、脛骨高原骨折、プラトー骨折などの名称で呼ばれています。原則として同一の傷病を指しています。
- 脛骨の骨折はどのような後遺障害の可能性がありますか?
- 次の後遺障害の可能性があります。
- 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの(10級11号)
- 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの(12級7号)
- 局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)
- 局部に神経症状を残すもの(14級9号)
- 後遺障害の労働能力喪失期間はどのようなルールで決まりますか?
- 原則として67歳までの期間となります。
- ただし、局部の頑固な神経症状(12級13号)の場合は10年、局部の神経症状(14級9号)の場合は5年程度に短縮されることがあります。
- 逸失利益の基礎収入はどのようなルールで決まりますか?
- 事故前の年収を元に決めることが多いです。
- ただし、将来、現実収入額以上の収入を得られる蓋然性があれば、その金額を基礎収入とすることもあります。特に、30歳未満の若年の場合には将来の賃金増の見込も考慮考慮して基礎収入が決められる事案も多いです。
- 人身傷害保険金とは何ですか?
- 自分が加入する保険会社から支払される保険金です。
- 過失がある事案の場合、相手が無保険の事案の場合、加害者が行方不明の事案の場合などは人身傷害保険を利用すると有利な解決ができることがあります。