事例116胸椎圧迫骨折
胸椎圧迫骨折後の脊柱の運動障害について8級2号が認定された事例
最終更新日:2023年03月28日
文責:弁護士 大澤 一郎
保険会社提示額 : 1,212万円
- 解決額
- 2,100万円
- 増額倍率 :1.7倍
- 怪我の場所
-
- 腰・背中
- 後遺障害等級
-
- 6~8級
事故発生!自動車対自動車の事故
平成24年某月、山藤直子さん(仮名・鎌ヶ谷市在住・30代・女性・会社員)が道路を走行中、右折してきた車に衝突されるという事故に遭いました。
相談から解決まで
被害者は、胸椎圧迫骨折の重傷を負い、入院加療を余儀なくされ、退院後も自宅で療養、その後の通院を余儀なくされました。
その後、後遺症8級が認定されましたが、相手方保険会社から呈示された金額に納得できなかったこともあり、当事務所にご依頼頂きました。
当事務所が関わった結果
粘り強く相手方と交渉を重ねた結果、当初よりも大幅に金額を増加することができました。
解決のポイントは以下の点です。
1労働能力喪失率
相手方は当初、胸椎圧迫骨折後の脊柱の運動障害が、労働能力に与える影響は20%くらいしか影響を与えないはずであると主張していました。
当方では、事故前に依頼者の方がなされていた仕事が重労働を伴う業務であること、事故がなければその仕事を継続していたであろうこと、その他怪我の重さ等を具体的に主張したところ、相当期間を労働能力喪失率を45%として、上記金額で示談することとなりました。
2粘り強い交渉
本件では、弁護士が入って交渉を開始しましたが、相手からの最初の呈示は1,266万2,984円という金額で、ほとんど弁護士が入っていないときとかわらない金額呈示でした。
その後、当方からは具体的事情を主張していきましたが、相手からも可動域制限も年数の経過とともによくなっていくのではないかという主張が追加されました。
当方としては、依頼者の方のご希望を踏まえながら、相手方保険会社と粘り強く交渉を続け、最終的に上記金額で和解が成立することとなりました。
依頼者様の感想
大変お世話になりました。感謝しております。ありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 大澤 一郎
本事例へのよくある質問
- 脊椎(頸椎・腰椎・胸椎)の圧迫骨折の変形障害ではどのような後遺障害の可能性がありますか?
- 次の後遺障害の可能性があります。
- 脊柱に著しい変形を残すもの(6級5号)
- 脊柱に中程度の変形を残すもの(8級2号に準じる)
- 脊柱に変形を残すもの(11級7号)
- 脊椎の圧迫骨折の運動障害ではどのような後遺障害の可能性がありますか?
- 次の後遺障害の可能性があります。
- 脊柱に運動障害を残すもの(8級2号)
- 脊柱に著しい運動障害を残すもの(6級5号)
- 脊椎の圧迫骨折の荷重運動障害ではどのような後遺障害の可能性がありますか?
- 次の後遺障害の可能性があります。
- 頸部または腰部のいずれかの保持に困難があり、常に硬性補装具を必要とするもの(8級相当)
- 頸部及び腰部の両方の保持に困難があり、常に硬性補装具を必要とするもの(6級相当)
- 45%の労働能力喪失率はどのような場合に認められますか?
- 後遺障害8級の標準的な労働能力喪失率は45%です。
- もっとも、圧迫骨折の8級の場合、収入が45%も減らないということを前提に、保険会社が45%の労働能力喪失率を争ってくる事案も多いです。
- 被害者の立場としては、認定された後遺障害等級が仕事や私生活に及ぼす影響を丁寧に主張・立証していくことが大切です。
- 20%の労働能力喪失率はどのような場合に認められますか?
- 後遺障害11級の標準的な労働能力喪失率は20%です。そのため、本事例では、保険会社は脊柱に変形を残すもの(11級相当)を前提とした労働能力喪失率で計算をしてきたということなります。
- 被害者としては、認定された等級よりも低い等級を前提とした示談案が出てきた場合には、内容を精査した上での適切な反論をする必要があります。