事例114顔面挫創
頭部外傷後の傷跡について9級16号の後遺障害が認められた事例
最終更新日:2023年04月21日
文責:弁護士 大澤 一郎
保険会社提示額 : 提示前のご依頼
- 解決額
- 900万円
- 病名・被害
-
- 傷跡
- 怪我の場所
-
- 頭部
- 顔(目・耳・鼻・口)
- 後遺障害等級
-
- 9級
事故発生!歩行者対自動車の事故
児島明美様(仮名・20才・千葉市花見川区在住)が歩行中、車と衝突しました。
相談から解決まで
被害者は、頭部を強打しました。その後、治療を継続し、高次脳機能障害等の後遺障害が残ることはありませんでしたが、顔に傷跡が残りました。
医師の判断もあり、事故後6ヶ月経過した時点で後遺障害等級認定の申請をしたところ、外貌に相当程度の醜状を残すものとして後遺障害等級9級16号が認定されました。
その後、保険会社と交渉をした結果、約900万円を受領することで早期に解決をすることができました。
当事務所が関わった結果
当事務所が関わった結果、早期の和解で解決をすることができました。
解決のポイントは以下の点です。
1傷跡の後遺障害と治療について
傷跡の後遺障害の場合、逸失利益が大きな争いとなります。仕事への影響はないと保険会社は主張してきますので、具体的な仕事への影響や、慰謝料増額事由がある旨を主張していくのがよいです。一般的には男女の違い、今の職業、今後希望する職業、実際の仕事への影響などの様々な事情を考慮した上で個別の事案ごとに逸失利益の有無及び金額を確定させていくことが多いです。
傷跡の治療には長い期間がかかります。 症状固定・後遺障害診断書提出後も治療方法があるのであれば検討し、時間をかけてゆっくりと治療していくことが必要となってきます。
2症状固定時期について
傷跡の後遺障害の場合、症状固定時期は悩ましい問題です。基本的には形成外科などの主治医の判断を尊重することになりますが、事故後6ヶ月経過した時点で症状固定とするのも1つの選択肢です。 もっとも、治療に関しては医師の判断が最優先ですので、医師の判断を踏まえた上で決断することが重要です。
3写真撮影・提出
傷跡の後遺障害の場合、後遺障害診断書だけだと具体的にどのような傷跡であるのかわかりにくいことがあります。
傷跡をきちんと写真撮影した上で、後遺障害診断書と一緒に提出するなどして適切な後遺障害認定を受けましょう。写真撮影する場合には長さを測るために定規を付けて計測したりすることも有効です。また、醜状痕の場合には全体の印象も後遺障害認定に影響することがありますので、例えば顔面であれば顔全体の写真を撮影することも重要です。
依頼者様の感想
ありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 大澤 一郎
本事例へのよくある質問
- 頭部の傷跡はどのような後遺障害の可能性がありますか?
- 次の後遺障害の可能性があります。
- 外貌に著しい醜状を残すもの(7級12号)
- 外貌に相当程度の醜状を残すもの(9級16号)
- 外貌に醜状を残すもの(12級14号)
- 傷跡の後遺障害で注意すべき点はどのような点ですか?
- 傷跡の計測は慎重に行いましょう。①傷跡の面積、②傷跡の長さなどで認められる後遺障害の等級が変わってきます。
- 傷跡の記載を後遺障害診断書に漏らさず記入しましょう。後遺障害診断書に記載がないと後遺障害は認定されません。
- 逸失利益の有無及び内容が問題となることがあります。傷跡が仕事に与える影響をきちんと主張立証しましょう。
- 逸失利益が認められにくいような事案の場合、後遺障害慰謝料の増額を主張しましょう。
- 傷跡の後遺障害申請はいつころした方がよいですか?
- 事故から6カ月経過した時点で後遺障害申請は可能となります。
- 事故から時間が経過しすぎると本来認められるはずの後遺障害が認められない可能性もでてきます。主治医と相談しながら適切な時期を決めましょう。