事例111急性硬膜下血腫・外傷性くも膜下出血・急性硬膜外血腫・前頭葉底部脳損傷・気脳症・嗅覚障害
学生が頭部外傷、嗅覚障害により併合11級の認定を受け700万円を獲得した事例
最終更新日:2023年03月24日
文責:弁護士 大澤 一郎
保険会社提示額 : 500万円
- 解決額
- 700万円
- 増額倍率 :1.4倍
- 病名・被害
-
- 高次脳機能障害
- 怪我の場所
-
- 頭部
- 顔(目・耳・鼻・口)
- 後遺障害等級
-
- 11級
- 12級
事故発生!バイク対自動車の事故
平成24年冬、伊藤みずす様(仮名・22才・千葉県柏市在住)がバイクに乗っていたところ、自動車と交差点にて衝突しました。
相談から解決まで
被害者は、両側前頭葉底部脳挫傷、左急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血、右急性硬膜外血腫、気脳症、右椎体骨骨折、腰椎捻挫、右股関節捻挫の傷害を負いました。そして、治療を継続し症状が改善し、最終的には、頭部外傷にて12級13号、嗅覚障害にて12級、結果として併合11級の後遺障害認定を受けました。
弁護士が入って保険会社と示談交渉をしたものの、合意がまとまらず、紛争処理センターへの申立を行いました。そして、紛争処理センターでの第1回期日において、あっせん案が提示され、既払い金を除いて約700万円を受領する合意が成立しました。
当事務所が関わった結果
当事務所が関わった結果、適正な金額について早期に解決をすることができました。
解決のポイントは以下の点です。
1後遺障害等級の妥当性について
後遺障害等級併合11級について、医学的な観点から9級への異議申立を検討しました。その結果、被害者の状況からすると、11級が相当であると判断しました。
2紛争処理センターへの申立
過度の負担がかからない早期の解決を被害者が希望していたこと、今まで争点になっていなかった新たな争点が裁判になると発生する可能性があったことから、訴訟ではなく紛争処理センターへの申立という方法を選択しました。
3嗅覚障害について
嗅覚障害については、主治医の先生から耳鼻科への紹介状作成を依頼した上で、オルファクトメータによる測定を行うことが一般的です。測定値によって、12級、14級、非該当という後遺障害認定結果となります。
頭部外傷の場合、嗅覚障害や味覚障害などの後遺障害が発生しているにもかかわらず、見過ごされてしまうことがあります。また、脳神経外科では耳鼻科領域の検査はしてくれないことが多いですので、手間はかかりますが別の病院で検査を受ける必要があります。
依頼者様の感想
比較的早期に解決してよかったです。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 大澤 一郎
本事例へのよくある質問
- 頭部外傷はどのような後遺障害の可能性がありますか?
- 次の後遺障害の可能性があります。
- 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの(1級1号)
- 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの(2級1号)
- 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの(3級3号)
- 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの(5級2号)
- 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの(7級4号)
- 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの(9級10号)
- 局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)
- 局部に神経症状を残すもの(14級9号)
参考:高次脳機能障害のよくある質問 - 嗅覚障害はどのような後遺障害の可能性がありますか?
- 次の後遺障害の可能性があります。
- 嗅覚脱失又は鼻呼吸困難が存するもの(12級相当)
- 嗅覚の減退のみが存するもの(14級相当)
- 紛争処理センターとは何ですか?
- 公益財団法人交通事故紛争処理センターのことです。あっせん(話し合い)を試み、最終的には裁定という強制に近い決定が行われる組織です。