頸椎症性脊髄症により頚椎椎弓形成術をしたところ、7級4号となった事例

最終更新日:2023年03月03日

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士
大澤 一郎
当初の提示額なし
最終獲得金額
2800万円
2800万円 増額
千葉県千葉市・30代・女性・会社員
病名・被害
頚椎症性脊髄症
けがの場所
腰・背中
最終獲得金額
2800万円
後遺障害等級
6~8級
事例の特徴
脊髄損傷

事故の状況

坂本さん(仮名)は車を運転していました。赤信号で止まっていたところ、後ろからトラックにぶつけられました。

坂本さんは頸椎症性脊髄症となりました。

ご相談内容

坂本さんは、頸椎症性脊髄症となり頚椎椎弓形成術をしました。しかし、症状はあまり改善しません。

坂本さんは後遺障害診断書を医師に依頼して後遺障害の手続きをします。その結果「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」(7級4号)となりました。

坂本さんは治療中からよつば総合法律事務所の弁護士に相談していました。そして、弁護士に損害賠償の交渉をお願いすることにしました。

坂本さんのご相談内容のまとめ

  1. 7級4号の後遺障害を前提に交渉で合意したい。
  2. 適切な賠償金をもらいたい。

頸椎症性脊髄症

弁護士の対応と結果

弁護士は損害額の請求書を作成し、保険会社に送ります。

しかし、保険会社の回答は、坂本さんに素因があるので大幅に素因減額をするという回答でした。また、保険会社側も弁護士をつけて争ってきました。

しかも、7級4号の後遺障害についても保険会社は争ってきました。坂本さんの現在の症状からすると、7級4号とは考えられないという回答でした。

交渉での合意は難しかったため、弁護士は紛争処理センターへの申立をします。また、弁護士は主治医に問い合わせをしたり、医学文献を証拠として提出したりします。

最終的には、7級4号の後遺障害を前提にして、素因減額は10%で合意できました。坂本さんがもらえた金額は約2800万円です。

弁護士の対応と結果のまとめ

  1. 紛争処理センターへの申立
  2. 主治医の意見書や医学文献を証拠として提出
  3. 7級4号の後遺障害を前提にした合意に成功
  4. 素因減額を10%に抑えることに成功
  5. 最終的な受領額は約2800万円を獲得

解決のポイント

1. 素因減額を10%に抑えることに成功

素因減額とは、身体的要因や心因的要因を理由とする損害賠償額の減額です。

坂本さんは事故の前から首の病気がありました。そのため、坂本さんの元々の病気を理由とする減額を保険会社は主張してきました。

弁護士は減額を減らすため、次のような活動を行いました。

  1. 主治医に面会して主治医の意見を聞く。
  2. 主治医に追加の診断書をお願いする。
  3. 医学文献を調査して、有利な医学文献を証拠として提出

結果として、保険会社は50%を超える減額を主張していたものの、実際の減額を10%に抑えることに成功しました。

2. 7級4号を維持した解決

神経系統の後遺障害の5級、7級、9級、12級、14級は判断が難しいことも多いです。

今回の坂本さんのけがも、7級に本当にあたるのか微妙な内容でした。そのため、慎重に手続きを進めて、7級4号に該当することを前提とした合意で解決しました。

神経系統の障害の後遺障害認定基準
等級 認定基準
1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号 局部に神経症状を残すもの

3. 交通事故紛争処理センターでの解決

交通事故紛争処理センターに和解あっせん申立をすると、受領できる保険金が増額することが多いです。解決までの期間は3~6カ月が目安です。

坂本さんのけがは「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」(7級4号)となるか微妙なけがでした。裁判をすると後遺障害が9級や12級、14級になる可能性もありました。

経験上、紛争処理センターは自賠責保険の後遺障害認定を尊重することが多いです。そのため、裁判と紛争処理センターを比較し、紛争処理センターへの申立をすることしました。

交渉、紛争処理センター、裁判のどれかよいかは難しい判断になります。悩んだら、交通事故に詳しい弁護士へのご相談をおすすめします。

ご依頼者様の感想

先生が妥当と考える案なので和解しました。よかったです。

(千葉県千葉市・30代・女性・会社員)

本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。

本事例へのよくある質問

Q頚椎症性脊髄症で7級4号の後遺障害になることは多いですか?

一般的には少ないでしょう。後遺障害7級4号は「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」です。頚椎症性脊髄症ではそこまで症状が重くないことが多いため、7級ではなく、14級や12級となることが多いです。

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士
大澤 一郎

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