事例101右膝後十字靭帯損傷
右膝後十字靭帯損傷後の右膝関節の不安定性について12級7号が認定された事例
最終更新日:2023年04月06日
文責:弁護士 大澤 一郎
保険会社提示額 : 1,247万円
- 解決額
- 1,836万円
- 増額倍率 :1.5倍
- 怪我の場所
-
- 足・股・膝
- 後遺障害等級
-
- 12級
事故発生!歩行者対自動車の事故
川端光春さん(仮名・船橋市在住・10代男性・学生)が横断歩道を青信号に従って横断中、左折しようとした相手方車両に衝突されるという事故に遭いました。
相談から解決まで
被害者は右膝後十字靭帯を損傷するという障害を負いました。約14カ月の通院のうち、右膝の不安定性について12級7号が認定されました。
後遺障害認定前に、当事務所に相談がありました。その後、症状固定をむかえられ、自賠責共済(保険)にて12級7号が認定されました。
当事務所が介入後、最初に相手方から提示がなされた金額が1,247万3,850円でしたが、当事務所が交渉及び(公財)交通事故紛争処理センターに持ち込んだ結果、1,836万円を受領するという内容で示談することができました。
当事務所が関わった結果
症状固定前でしたので自賠責の後遺症認定についてアドバイスをさせて頂くことができました。
また、初回の弁護士に対する呈示額から更に、賠償額が約1.5倍になりました。また、紛争処理センターに申立をしてからは、3回の期日で約3ヶ月で示談に至りました。
解決のポイントは以下の点です。
1労働能力喪失率
相手方からは、当初弁護士に対して、逸失利益の基礎収入について全年齢平均給与として約500万、労働能力喪失率10%にて計算して呈示がありました。
当事務所としては、被害者が大学を卒業して就職すること及び、少なくとも14%の労働能力喪失が予想されることを主張した結果、紛争処理センターにて、基礎収入について大卒平均の約650万、労働能力14%が認められ、示談となりました。
2父親の休業損害
当事務所では、被害者の父親が交通事故のために病院や警察署に行くために有休休暇を取得したことについて、その有休分の休業損害を主張しました。
それに対して相手方は否定しました。
当事務所では、有休取得の必要性を被害者の方の状況もふまえて主張しました結果、紛争処理センターで、その休業損害を認める形での示談となりました。
3慰謝料の増額
慰謝料は12級7号では一般的に290万となりますが、当初は相手方の提示はその8割の232万円でした。
これに対して、当事務所では、相手がひき逃げをして2カ月後につかまったこと、夜間の事故でそのままだと命にかかわる可能性もあるお怪我をおわれたのにもかかわらず相手が救護しなかったことの悪質性、刑事裁判の結果等を主張した結果、紛争処理センターにて2割増額が認められる形で348万円での示談となりました。
依頼者様の感想
長い間、親身な対応で協力していただき、ありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 大澤 一郎
本事例へのよくある質問
- 後十字靭帯損傷はどのような後遺障害の可能性がありますか?
- 次の後遺障害の可能性があります。
- 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの(8級7号)
- 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの(10級11号)
- 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの(12級7号)
- 局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)
- 局部に神経症状を残すもの(14級9号)
- 裁判基準(赤い本基準)より慰謝料が増える場合はどのような場合ですか?
- 次のような場合などです。
- 事故態様が悪質である場合(飲酒運転・赤信号無視など)
- 事故後の行動が極めて悪質である場合(轢き逃げ、証拠隠滅、被害者に対する不当な責任転嫁など)
- 紛争処理センターに申立をするメリットは何ですか?
- 交渉に比べて高額の解決水準となる確率が高いです。
- 裁判に比べて簡単な手続で解決します。
- 最終的には裁定(決定)が行われます。保険会社との合意なしでも解決できます。
- 学生の逸失利益はどのように計算しますか?
- 全年齢平均賃金を元に計算することが多いです。ただし、高卒・大卒などによって異なる基準となることがあります。
- 学生の慰謝料はどのように計算しますか?
- 学生でも社会人でも慰謝料の計算方法は同じです。
- ただし、①事故による留年・退学があったような場合、②事故によって就職ができなくなってしまったような場合には慰謝料の増額が認められる可能性があります。