事例095頚椎捻挫・腰椎捻挫
会社役員の休業損害・逸失利益を認定し、解決した事例
最終更新日:2023年05月19日
文責:弁護士 大澤 一郎
保険会社提示額 : 提示前のご依頼
- 解決額
- 375万円
- 病名・被害
-
- むちうち(首・腰)
- 怪我の場所
-
- 首
- 腰・背中
- 後遺障害等級
-
- 14級
事故発生!自動車対自動車の事故
平成24年某月、間山 喜一さん(仮名・野田市(七光台)在住・30代・男性・会社役員)が自動車を運転中、後方から追突されるという事故に遭いました。
相談から解決まで
被害者は、頚椎捻挫及び腰椎捻挫の傷害を負い、約8ヶ月の通院治療を受けました。
当事務所が被害者請求を行ったところ、頚椎捻挫後の疼痛及び腰椎捻挫後の疼痛により併合14級の後遺症が認定されました。相手方保険会社と賠償についての交渉を行いましたが、相手方提示額との差が大きく、訴訟提起に踏み切りました。
裁判では、争点であった休業損害及び逸失利益が認定され、相手方保険会社が375万円を支払うとの内容で和解しました(自賠責保険金75万円を含む)。
当事務所が関わった結果
当事務所が依頼を受け、被害者請求を行った結果、適正な後遺障害等級が認定されました。また、訴訟を提起したところ、裁判基準による解決となりました。
解決のポイントは以下の点です。
1休業損害について
被害者が会社役員であったことから、相手方保険会社からは休業損害を支払わないと主張されていました。
当事務所は裁判において、実際に被害者の方に生じている業務上の支障を具体的に立証し、税務関係書類を提出した上で、実際に減収が生じていることを具体的に主張しました。
その結果、裁判所は通院実日数分の休業損害の発生を認め、解決に至りました。
2逸失利益について
相手方保険会社は、逸失利益についても、被害者が会社役員であることを理由に支払わないと主張していました。
当事務所は裁判において、被害者が得ていた役員報酬が同業他社の給与とあまり変わらず、役員報酬全額が労務対価であると主張しました。その上で、事故後の減収や業務への支障を立証しました。
裁判所は当事務所主張額を認め、逸失利益の賠償を含めて解決しました。
依頼者様の感想
最後まで粘り強く交渉していただき、ありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 大澤 一郎
本事例へのよくある質問
- 頚椎捻挫ではどのような後遺障害認定の可能性がありますか?
- 以下の後遺障害認定の可能性があります。
- 局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)
- 局部に神経症状を残すもの(14級9号)
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- 腰椎捻挫はどのような後遺障害認定の可能性がありますか?
- 以下の後遺障害認定の可能性があります。
- 局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)
- 局部に神経症状を残すもの(14級9号)
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- 頚椎捻挫や腰椎捻挫で「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)が認定された場合、後遺障害慰謝料はいくらになりますか?
- 裁判の標準的な慰謝料は110万円となります。
- 交渉の場合には、110万円または若干少ない金額となることが多いです。
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- 併合14級とはどういう意味ですか?
- 後遺障害の併合とは、系列を異にする身体障害が2以上ある場合に、重いほうの身体障害の等級によるか、又はその重い方の等級を1級~3級繰り上げて当該複数の障害の等級とすることをいいます。
本事例では頚椎捻挫、腰椎捻挫等の系列を異にする身体障害が2以上あるといえます。それぞれの等級は14級ですが、14級どうしの併合では等級の繰り上げを行わないのが実務上の運用ですので、併合14級となります。あわせて読みたい
- 会社役員の休業損害はどのような場合に認められますか?
- 会社役員の報酬については、労務提供の対価部分は休業損害として認められます。
- ただし、会社役員の報酬のうち、利益配当の実質をもつ部分は認められません。
- 労務提供と利益配当の部分は次のような要素などを総合考慮して判断します。
- ①会社の規模・利益状況
- ②当該役員の地位・職務内容
- ③役員報酬の額
- ④他の役員・従業員の職務内容と報酬・給与の額
- ⑤事故後の役員報酬の減少
- ⑥同種企業における平均的な役員報酬額
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- 会社役員の逸失利益はどのような場合に認められますか?
- 会社役員の報酬については、労務提供の対価部分として事故により減少する可能性が高いと判断される部分は認められます。
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