事例094肋骨多発骨折・頚椎捻挫・腰椎捻挫
肋骨多発骨折後の変形癒合、疼痛等により併合12級が認定された事例
最終更新日:2023年02月21日
文責:弁護士 大澤 一郎
保険会社提示額 : 372万円
- 解決額
- 824万円
- 増額倍率 :2.2倍
- 病名・被害
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- むちうち(首・腰)
- 怪我の場所
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- 首
- 鎖骨・肩甲骨・肋骨・胸骨
- 腰・背中
- 後遺障害等級
-
- 12級
- 14級
事故発生!バイク対トラックの事故
平成23年某月、今治義純さん(仮名・柏市(北柏)在住・40代・男性・会社員)がバイクを運転中、前方を走行していたトラックが突如右折したため、トラックと衝突し、転倒するという事故に遭いました。
相談から解決まで
被害者は、肋骨多発骨折、頚椎捻挫及び腰椎捻挫の傷害を負い、約1週間の入院と約10カ月の通院治療を受けました。被害者請求の結果、肋骨多発骨折 後の変形癒合・疼痛(12級5号)、頚椎捻挫(14級9号)、腰椎捻挫(14級9号)により併合12級の後遺症が認定されました。 後遺症認定後、当事務所に依頼がありました。訴訟を提起したところ、824万円を保険会社が支払うとの内容で解決しました(自賠責保険金 224万円を含む)。
当事務所が関わった結果
当事務所が依頼を受け、訴訟を提起したところ、解決金額が約2倍になりました。
解決のポイントは以下の点です。
1逸失利益について
相手方保険会社は、肋骨の変形については逸失利益に影響を及ぼさないとして、頚椎捻挫及び腰椎捻挫についてしか逸失利益を認めないという見解でした (保険会社は、労働能力喪失率5%、労働能力喪失期間5年しか認めないという見解でした。)。
当事務所は、肋骨に変形により疼痛が生じていること及び当該疼痛により業務に支障が生じていることを詳細かつ具体的に尋問で立証しました。
その結果、裁判所において、労働能力喪失率8%、労働能力喪失期間22年が認められました。
2過失相殺について
相手方保険会社は、加害車両が右折しようとしていたところに、被害者運転のバイクが衝突したに過ぎないとして、被害者側に30%の過失があると主張していました。
当事務所は、被害者本人の尋問を行い、加害者側が急に右折を思い立ち、安全確認が不十分なまま右折したことを立証しました。
その結果、裁判所は相手方保険会社の主張を退け、当事務所主張のとおり、被害者側の過失は15%と認定しました。
依頼者様の感想
依頼をしてから2年半が経ってようやく解決しました。本当に長い間ありがとうございました。結果に満足しています。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 大澤 一郎
本事例へのよくある質問
- 後遺障害が複数認定された場合、後遺障害等級はどのようになりますか?
- 次のようなルールとなります。
- 13級以上に該当する後遺障害が2つ以上ある場合
重い方の後遺障害等級を1つ繰り上げします。 - 8級以上に該当する後遺障害が2つ以上ある場合
重い方の後遺障害等級を2つ繰り上げします。 - 5級以上に該当する後遺障害が2つ以上ある場合
重い方の後遺障害等級を3つ繰り上げします。
- 13級以上に該当する後遺障害が2つ以上ある場合
- 12級と14級の2つの後遺障害が認定された場合、後遺障害は12級のままですか?
- 併合12級となり、12級のままです。
- 13級以上に該当する後遺障害でないと繰り上げの対象になりません。
- 14級の後遺障害がたくさんあることを損害額の算定でどのように考慮すればよいですか?
- 後遺障害の箇所がたくさんある場合、裁判等では慰謝料の増額事由として考慮される場合があります。
- 話し合いでは裁判の標準的な基準以上に慰謝料増額となることは難しいかもしれません。
参考:後遺障害の慰謝料増額事由の解説
- 変形障害の場合、逸失利益の算定にあたって注意すべき事項は何ですか?
- 通常の労働能力喪失率や労働能力喪失期間通りに判断されないことがあります。
- 変形障害の場合、可動域制限などと異なり、身体への具体的な影響が少ないことがあります。そのような場合、個別の状況に応じて労働能力喪失率や労働能力喪失期間について慎重に検討して解決する必要があります。