事例074右膝骨折
局部に頑固な神経症状を残すものとして第12級13号が認定された事例
最終更新日:2023年02月08日
文責:弁護士 大澤 一郎
保険会社提示額 : 492万円
- 解決額
- 950万円
- 増額倍率 :1.9倍
- 怪我の場所
-
- 足・股・膝
- 後遺障害等級
-
- 12級
事故発生!歩行者対自動車の事故
平成20年某月、山中奈津子さん(仮名・柏市沼南在住・40代・女性)は、青信号の横断歩道を歩いて渡っていたところ、右折車両に轢かれるという被害に遭いました。
相談から解決まで
事故により、山中さんは、全身を強打し、右膝骨折という怪我を負いました。その後、山中さんは、右膝の骨折部が不整ゆ合し、右膝の痛みに悩まされました。そして、事故後約2年10か月もの間、通院を続けました。
後遺障害の認定後(第12級13号)、山中さん本人が当事務所までご相談にいらっしゃいました。相談前に相手保険会社から示談金額の提示がきており、492万0,810円という金額でした。
平成25年12月頃、当事務所に事件をお任せいただきました。
その後、平成26年7月頃まで約7か月間、保険会社と何度も交渉を重ねた結果、裁判を起こさずに総額950万円(既払金約997万を除く)の保険金が支払われることで合意できました。
当事務所が関わった結果
当事務所が交渉に入った結果、訴訟提起することなく比較的早期に、裁判基準に近い水準で和解することができました。ご相談いただいた時点で提示されていた金額の2倍近い賠償金額を獲得することができました。
解決のポイントは以下の点です。
1慰謝料
保険会社は、傷害部分の慰謝料、後遺障害部分の慰謝料について、ともに裁判基準と比べて低額の提示をしてくることが多いです。本件でも最初は裁判基準の半分以下の金額が提示されていました。
慰謝料の金額については、譲らない姿勢で粘り強く交渉し、裁判基準に近い金額に引き上げる必要があります。
2逸失利益
保険会社は、逸失利益の金額計算をする際、労働能力喪失期間について裁判基準よりも短い期間を主張してくることが多いです。本件では、保険会社は、裁判基準の半分である5年を労働能力喪失期間として主張していました。
この点についても、安易に譲歩することなく、粘り強い交渉をする必要があります。
依頼者様の感想
事件解決してひと安心です。お世話になり、ありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 大澤 一郎
本事例へのよくある質問
- 後遺障害12級の後遺障害慰謝料はいくらですか?
- 裁判の場合、290万円が標準的な金額です。
- 交渉の場合、290万円よりも若干少ない金額となることもあります。 参考:交通事故と慰謝料の解説
- 膝関節について、どのような病名の場合に後遺障害が認定されますか?
- 膝関節内骨折、脛骨顆部骨折、脛骨顆間隆起骨折、膝窩動脈損傷、膝蓋骨骨折、半月板損傷、前十字靱帯損傷、後十字靱帯損傷、内側側副靱帯損傷、外側側副靭帯損傷、膝関節後外側支持機構損傷、複合靭帯損傷、変形性膝関節症などの病名の場合です。
- 病名ごとの詳細は、下肢及び足指の後遺障害の解説をご参照下さい。
- 局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)の労働能力喪失期間はどの位のことが多いですか?
- 裁判の場合、10年程度が多いです。
- 通常の後遺障害の場合、労働能力喪失期間終期は67歳となることが多いです。
- ただし、局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)の労働能力喪失期間は10年程度と短めにされることが多いです。
- なお、局部に神経症状を残すもの(14級9号)の労働能力喪失期間は5年程度となることが多いです。 参考:逸失利益の就労可能年数の解説
- 「局部に頑固な神経症状を残すもの」(12級13号)と「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)の違いはどのような点ですか?
- 画像所見など客観的な所見で症状が証明できているかどうかという点により、12級、14級が決まることが多いです。
- 画像所見など客観的な所見で症状が証明できていると言える場合、12級となることがあります。
- 画像所見など客観的な所見で症状が説明できるという程度の場合、14級になることが多いです。