事例046頚椎捻挫
会社員が14級9号の認定を受け素因減額の主張を裁判で排斥し約354万円を獲得した事例
最終更新日:2023年05月19日
文責:弁護士 大澤 一郎
保険会社提示額 : 90万円
- 解決額
- 354万円
- 増額倍率 :3.9倍
- 病名・被害
-
- むちうち(首・腰)
- 怪我の場所
-
- 首
- 後遺障害等級
-
- 14級
事故発生!自動車対自動車の事故
平成23年某月、川島祐介さん(仮名・野田市在住・30代・男性・会社員)が車両に同乗中、追突されるという被害に遭いました。
相談から解決まで
被害者は、事故により頚椎捻挫等の傷害を負い、約9ヶ月の治療をおこないました。後遺障害認定直後に当事務所が受任し、相手方保険会社との交渉を行いました。
しかし、相手方保険会社からの提示額が裁判基準とは程遠いものであったため、訴訟提起し、判決に基づき354万3,733円(自賠責からの75万円を含む)を受領しました。
当事務所が関わった結果
当事務所が代理して訴訟提起した結果、判決がなされ、賠償額が約4倍に増額しました(約260万円の増額)。
解決のポイントは以下の点です。
1訴訟提起
相手方保険会社の提示が裁判基準とは程遠いものであったため、訴訟提起を行い、判決を求めました。その結果、遅延損害金及び弁護士費用相当額を含めた金額の支払いを受けることができました。
2素因減額の否定
被告側は、原告に既往症(もともとの病変)があり、後遺症は事故以外の影響もあるとして素因減額を主張していました。
しかし、当事務所は、被告側が素因減額の根拠として主張する医師の意見書によっても、既往症による影響は明らかでないと主張しました。その結果、裁判所は当事務所の主張を採用し、被告側の素因減額の主張を退けました。
3後遺障害慰謝料の増額
加害者には無免許運転の末、事故を発生させたという事実があったため、当事務所は後遺障害慰謝料が増額されるべきとの主張を行い、判決の中で140万円の後遺障害慰謝料が認められました(通常、14級の後遺障害慰謝料は110万円です)。
依頼者様の感想
本当にありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 大澤 一郎
本事例へのよくある質問
- 素因減額とはなんですか?
- 素因とは、損害の発生拡大の原因となった被害者の素質のことです。
素因減額により、被害者側に何らかの要因があり、その要因によって交通事故の損害が拡大していると認められる場合、支払われる賠償金が減額されることとなります。
素因は、被害者の精神的傾向である「心因的要因」と、既往の疾患や身体的特徴といった「体質的・身体的素因」に分類されます。
そもそも素因減額が認められるか、素因減額がされることとなった場合の減額の割合は具体的事案ごとに個別に判断されます。あわせて読みたい
- どのような場合に後遺障害慰謝料は増額されるのですか?
- 賠償基準をまとめた赤い本には、加害者に故意もしくは重過失(無免許、ひき逃げ、酒酔い、著しいスピード違反、ことさらに信号無視、薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転)または著しく不誠実な態度がある場合があげられています。
14級9号の後遺障害が認定された場合の後遺障害慰謝料は、裁判の基準では110万円となります。本件では、加害者には無免許運転の末に事故を発生させたという事実から、140万円の後遺障害慰謝料が認められました。参考情報