事例033右脛腓骨骨幹部開放骨折
醜状痕(12級相当)について裁判で約1,050万円の賠償が認められた事例
最終更新日:2023年03月15日
文責:弁護士 大澤 一郎
保険会社提示額 : 440万円
- 解決額
- 1049万円
- 増額倍率 :2.4倍
- 病名・被害
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- 傷跡
- 怪我の場所
-
- 足・股・膝
- 後遺障害等級
-
- 12級
事故発生!歩行者対自動車の事故
平成20年某月、村田さん(仮名・東我孫子在住・小学生・男性)が道路を横断していたところ、自動車に衝突されるという被害に遭いました。
相談から解決まで
被害者は、事故によって右脛腓骨骨幹部開放骨折の傷害を負いました。手術によって、骨折等は治癒しましたが、手術痕が残ってしまいました。後遺障害の申請したところ、醜状痕として12級が認定されました。
当事務所受任前、保険会社は439万9,240円を支払うとの和解案を提示していました。
当事務所が受任して訴訟を提起したところ、判決に基づき、相手方保険会社から1049万2,736円が支払われました。
当事務所が関わった結果
当事務所が訴訟提起を行った結果、賠償額が約2.4倍に増額しました。
解決のポイントは以下の点です。
1後遺障害慰謝料の増額
醜状痕については、「労働能力の喪失がなく逸失利益が発生しない」と裁判所に判断されることも多いです。本件でも、当事務所は醜状痕があることによって、将来の職業選択等に影響がありうるとの主張を展開しましたが、裁判所は当事務所の主張を退けました。
しかし、当事務所は、逸失利益が認められないとしても、一般的な12級の後遺障害慰謝料である290万円よりも慰謝料が増額されるべきであると主張しました。
そうしたところ、裁判所は「(醜状痕の)心理的な影響から就職範囲が限定されるなどして間接的に影響を及ぼす可能性があることは肯定できる」として、後遺障害慰謝料を150万円増額し、440万円としました。
2入通院慰謝料について
被告側は入通院慰謝料について、入院期間は約200日、通院期間は約300日であるが、実通院日数が16日と短いことから入通院慰謝料は261万1,133円であると主張していました。 当事務所は、被害者が児童であり、長期の入院や通院を強いられたとして、入通院慰謝料は296万2,000円が相当であると主張しました。裁判所は当事務所の主張どおりの慰謝料を認定しました。
3遅延損害金と弁護士費用相当額
判決がなされたことにより、損害の元金に加え、事故日から年5%の遅延損害金と損害元金の約10%相当額の弁護士費用相当額の支払いも認められました。
依頼者様の感想
先生には真剣に話を聞いていただきました。本当にありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 大澤 一郎
本事例へのよくある質問
- 醜状痕の後遺障害認定基準はどのような基準ですか?
- 傷跡の場所と大きさによって14級、12級、9級、7級となります。
- 醜状痕の場合、後遺障害逸失利益はどのようになりますか?
- 仕事に影響がありそうな場合、逸失利益が認められます。
- 仕事への影響がない場合、逸失利益が認められないことがあります。
- 仕事への影響がなく逸失利益が認められない場合、代わりに慰謝料が通常の基準よりも増額となることがあります。
- 遅延損害金とは何ですか?
- 裁判の場合に認められる利息です。2020年3月31日以前に発生した事故の場合は年5%、2020年4月1日以降に発生した事故の場合は年3%となります。
- 裁判所での話し合いによる解決(和解)の場合、遅延損害金の一部が認められることが多いです。
- 交通事故の場合、裁判をすれば弁護士費用は相手負担になるのですか?
- 一部相手の負担となる可能性があります。
- 交通事故の裁判の判決の場合、認められた金額の10%程度の弁護士費用相当額を相手に負担させることができることが多いです。
- 裁判所での話し合いによる解決(和解)の場合、弁護士費用の一部が認められることが多いです。