肩と足の関節の痛みで労災保険(12級)と自賠責保険(14級)の認定が異なったものの、合計で965万円を獲得した40代の自営業男性の事例
最終更新日:2023年04月19日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 大澤 一郎

- 病名・被害
- 足関節内果骨折・鎖骨外側端骨折・左肩甲骨骨折
- けがの場所
- 鎖骨・肩甲骨・肋骨・胸骨手・肩・肘足・股・膝
- 最終獲得金額
- 965万円
- 後遺障害等級
- 12級14級
事故の状況
事故現場は信号のない十字路交差点です。武藤さん(仮名)はバイクで直進していました。業務中でした。すると、対向車線から車が右に曲がってきます。
武藤さんのバイクと車はぶつかりました。
ご相談内容
武藤さんは左足関節内果骨折や左鎖骨外側端骨折、左肩甲骨骨折などのけがをしました。
業務中の事故だったため労災事故です。武藤さんは労災保険を使って、1年半ほど治療を続けました。しかし、完治せずに症状固定となります。
労災保険は12級13号
武藤さんの労災保険の後遺障害は「局部に頑固な神経症状を残すもの」(12級13号)となりました。
自賠責保険は非該当
武藤さんは自賠責保険にも後遺障害の申請をします。しかし、自賠責保険の後遺障害の申請は非該当でした。
今後どうしてよいかわからず弁護士に相談
武藤さんは今後どのように進めればよいかわかりませんでした。そこで、武藤さんは弁護士に相談します。
弁護士費用特約もあったので、武藤さんは弁護士に頼むことにしました。

弁護士の対応と結果
自賠責保険への異議申し立てで14級9号に変更
弁護士は自賠責保険への異議申し立てをします。その結果、自賠責保険は次のとおり14級となりました。
- 左肩の関節の痛みについて「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)
- 左足の関節の痛みについて「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)
- あわせて併合14級
トータルで965万円を獲得
弁護士は任意保険会社との交渉をスタートします。労災保険と自賠責保険の等級が異なる交渉が難しい事案でしたが、すべてをあわせてトータルで965万9126円を獲得できました。労災保険と自賠責保険、任意保険からの獲得額の合計額です。
解決のポイント
1. 労災保険と自賠責保険の後遺障害の等級の違い
実務上の感覚としては、労災保険よりも自賠責保険の診断基準が厳しいです。
また、労災保険では、労災指定病院で再度診察や検査をしたうえで判断をすることが多いです。他方、自賠責保険は書面のみの審査であることが圧倒的です。
そのため、労災保険と自賠責保険の後遺障害の等級が異なることがあります。
労災保険と自賠責保険の後遺障害等級が異なったときの対応はとても難しいです。悩んだら、交通事故に詳しい弁護士への相談をまずはおすすめします。
2. 労災の休業特別支給金を受領
休業特別支給金とは休業損害の20%相当額が追加でもらえる制度です。この制度を使うと、最終的には休業損害を120%もらえることが多いです。
労災保険に請求しないと休業特別支給金はもらえません。請求もれに注意しましょう。
ご依頼者様の感想
税理士の先生からの紹介でしたが、無事解決できてよかったです。
(千葉県流山市・40代・男性・自営業)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q交通事故で労災保険を使うメリットは何ですか?
-
次のようなメリットがあります。
- 被害者側にも過失があるときに有利です。
- 治療の打ち切りの心配が少ないです。
- 休業特別支給金の支払いがあります。
- 総額の治療費が少なくなりトラブルになりにくいです。
- Q交通事故で労災保険を先行して使うデメリットはありますか?
-
あまりありません。ただ、あえて言えば次のようなデメリットがあります。
- 手続きが煩雑です。
- 後になって治療期間に争いが出ることがあります。
- 労災の後遺障害の認定を争われることがあります。
- Q労災保険で12級なのだから、自賠責保険も12級でないとおかしくないですか?
-
労災保険と自賠責保険は別の制度です。そのため、労災保険で12級だから自賠責保険も12級ということはありません。経験上は労災保険は審査がゆるやかです。

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 大澤 一郎