大腿骨骨折(14級)の40代の男性会社員が、15%の過失に納得できず裁判をしたところ、高等裁判所にて過失が10%に減り460万円を獲得できた事例
最終更新日:2023年05月23日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 大澤 一郎

- 病名・被害
- 頸椎捻挫・右大腿骨骨折・左膝関節骨折
- けがの場所
- 首足・股・膝
- 最終獲得金額
- 460万円
- 後遺障害等級
- 14級
- 事例の特徴
- むちうち(首・腰)
事故の状況
事故現場は信号のある十字路交差点です。酒井さん(仮名)はバイクで直進していました。すると対向方向から車が右折してきます。酒井さんのバイクと車は衝突しました。
ご相談内容
酒井さんのけがは頚椎捻挫、大腿骨骨折、膝関節骨折などです。1か月の入院と1年の通院を続けます。しかし、完治することなく症状固定となります。
後遺障害は14級
酒井さんが後遺障害の申請をしたところ、大腿骨骨折後の強い痛みについて「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)となりました。
交通事故紛争処理センターに自分で申し立て
酒井さんは交通事故紛争処理センターに自分で申し立てをします。その結果、裁定額は341万1176円となりました。
裁定額に納得できずに弁護士に依頼
酒井さんは341万円の裁定額に納得できませんでした。過失割合が85:15という点が特に納得できません。
そこで、酒井さんは弁護士に相談のうえ、弁護士に依頼することにしました。
まとめ:酒井さんのご相談内容
- 大腿骨骨折後の強い痛みについて「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)に認定
- 交通事故紛争処理センターの裁定額は341万1176円
- 過失割合85:15に納得ができない
弁護士の対応と結果
過失割合の変更を求めて裁判を起こす
弁護士が入る前に、すでに交通事故紛争処理センターでの裁定まで手続きは進んでいました。そのため、保険会社が交渉に応じる可能性は極めて低い状況でした。
そこで、酒井さんと弁護士は相談のうえ、裁判を起こしました。
注 裁判期日は複数回開かれます。
注 証人尋問とは当事者が裁判所で話す手続です。行われる場合と行われない場合があります。
地方裁判所の判決の過失割合は85:15
地方裁判所では判決となります。しかし、過失割合はやはり85:15でした。酒井さんは納得できません。
高等裁判所での和解の過失割合は90:10
酒井さんと弁護士は相談のうえ、高等裁判所に不服申し立てをします。
そして、弁護士は次のような主張をします。
- 裁判所での当事者の証人尋問からすると、過失割合は酒井さんに有利になるべきである。
- 警察が作成した実況見分調書は不自然な点があり、実際の事故状況と異なる。
結果として、高等裁判所では過失割合が変わります。90:10です。5%酒井さんに有利になりました。
最後は、90:10の過失割合を前提として、460万円を受け取る裁判上の和解が成立しました。
解決のポイント
1. 高等裁判所での過失割合の変更
交通事故紛争処理センターと地方裁判所では、酒井さんの過失は15%でした。
しかし、弁護士があきらめずに高等裁判所で裁判を続けたところ、酒井さんの過失は10%に減りました。
警察が作成した書類が正しいとは限りません。事故状況を詳細に分析して主張したことが、よい結果につながりました。
2. 交通事故紛争処理センターの裁定を蹴った珍しい事案
酒井さんは交通事故紛争処理センターの裁定を蹴って、裁判を起こしました。
裁定に保険会社は従う義務があります。これに対して、裁定に被害者は従う義務はありません。もっとも、被害者は裁定に従うことが経験上は多いです。
酒井さんは、裁定を蹴って裁判しました。比較的珍しい事案です。結果として、酒井さんが納得する結果を得ることができました。
ご依頼者様の感想
本当にありがとうございました。
(千葉県野田市・40代・男性・会社員)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q裁判のメリットは何ですか?
-
裁判のメリットは次のとおりです。
- 証拠があるときは、一番高額な解決ができます。
- 個別の事実関係を一番反映した解決ができます。
- 最終的には裁判所の判決により、合意をしないでも強制的な解決ができます。

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