事例022左膝蓋骨骨折
左膝蓋骨骨折後の疼痛により12級13号が認定された事例
最終更新日:2023年04月18日
文責:弁護士 大澤 一郎
保険会社提示額 : 537万円
- 解決額
- 864万円
- 増額倍率 :1.6倍
- 怪我の場所
-
- 足・股・膝
- 後遺障害等級
-
- 12級
事故発生!自転車対自動車の事故
平成21年某月、会社員の小島淳さん(仮名・梅郷在住・30代・男性)が横断歩道を自転車で走行中、右折してきた車両に衝突されるという被害に遭いました。
相談から解決まで
被害者は、事故によって、左膝蓋骨骨折の傷害を負いました。約2週間の入院及び約2年の通院を経て、後遺障害の申請を行い、左膝蓋骨骨折後の疼痛により12級13号が認定されました。
当事務所が受任して、交渉にあたったところ、当事務所主張のとおり、864万2,541円を受領するという内容で和解が成立しました(休業損害約85万円についてはすでに支払い済みでした)。
当事務所が関わった結果
当事務所が交渉を行った結果、賠償額が約330万円増額しました。 刑事記録の取寄せを行いつつ、早期に交渉を開始したため、受任通知から約4ヶ月で和解に至りました。
解決のポイントは以下の点です。
1傷害慰謝料について
傷害慰謝料(入通院慰謝料ともいいます)を算定する場合、赤い本に記載された別表Ⅰ又は別表Ⅱに基づいて計算を行います。本件は、膝蓋骨骨折という客観的に明らかな外傷があり、別表Ⅰに基づく計算を行いました(当事務所計算額約192万円)。一方で、相手方保険会社は、当初、傷害慰謝料として、約100万円を計上していました。
当事務所は、赤い本別表Ⅰに基づき傷害慰謝料を計算することに合理性がある旨主張し、当事務所計算額の傷害慰謝料が認められました。
2逸失利益について
12級13号の場合、逸失利益計算の際の労働能力喪失期間について、10年として計算する裁判例が多いです。 しかし、相手方保険会社は、労働能力喪失期間を8年として計算していました。
当事務所は、過去の判例に照らせば、労働能力喪失期間は10年として計算すべきであると主張し、当事務所計算のとおり、逸失利益が認められました。
依頼者様の感想
本当にありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 大澤 一郎
本事例へのよくある質問
- 膝蓋骨の骨折ではどのような後遺障害の可能性がありますか?
- 次の後遺障害の可能性があります。
- 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの(12級7号)
- 局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)
- 局部に神経症状を残すもの(14級9号)
- 慰謝料についての赤い本別表Ⅰ、赤い本別表Ⅱとは何ですか?
- 赤い本別表Ⅰは骨折などの場合に使う慰謝料の基準です。
- 赤い本別表Ⅱはむち打ち症で他覚所見がない場合等に使う基準です。
- 本来、別表Ⅰで計算されるべき事案にもかかわらず、保険会社が別表Ⅱで計算をしていることがよくあります。
- 局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)の逸失利益の期間はどの位が多いですか?
- 10年間が標準的な期間です。
- 膝蓋骨骨折の場合、同じ12級でも、「一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの」(12級7号)と「局部に頑固な神経症状を残すもの」(12級13号)では補償額に違いがありますか?
- 違いがある可能性があります。
- 「一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの」(12級7号)の場合、67歳まで後遺障害逸失利益の期間が認められる可能性が高いです。
- 他方、「局部に頑固な神経症状を残すもの」(12級13号)の場合、後遺障害逸失利益の期間が10年程度に制限される可能性が高いです。
- そのため、12級13号よりも12級7号の認定の方が補償額が高くなる可能性が高いです。