事例014頸椎捻挫・腰椎捻挫
むちうちで14級が認定された事故について、紛争処理センターを利用し、事前提示額58万円から303万円まで増額して和解が成立した事例
最終更新日:2023年05月16日
文責:弁護士 大澤 一郎
保険会社提示額 : 58万円
- 解決額
- 303万円
- 増額倍率 :5.3倍
- 病名・被害
-
- むちうち(首・腰)
- 怪我の場所
-
- 首
- 腰・背中
- 後遺障害等級
-
- 14級
事故発生!自動車対自動車の事故
平成23年某月、会社員の林隆史さん(仮名・千葉県馬橋在住・30代・男性)が右折のため停車していた自動車に同乗中、後方から追突されるという被害に遭いました。
相談から解決まで
被害者は、事故によって頚椎捻挫及び腰椎捻挫の傷害を負いました。約200日の通院を経て、後遺障害の申請を行い、14級9号が認定されました。 当事務所の受任前、相手方保険会社は57万6,810円支払うとの提案をしていました。 当事務所が受任して、公益財団法人交通事故紛争処理センターでの交渉を行ったところ、ほぼ当方の請求どおり、303万2,003円(自賠責保険からの支払いを含む)を受領するという内容で和解が成立しました。
当事務所が関わった結果
当事務所が交渉を行った結果、賠償額が約5倍に増額しました。
解決のポイントは以下の点です。
1交通事故紛争処理センターを利用
当事務所が受任し、相手方保険会社と任意の交渉を行いましたが、相手方保険会社からは満足いく回答がありませんでした。
被害者ご本人は、裁判手続を使用せずに解決することを望んでいらっしゃったので、公益財団法人交通事故紛争処理センター(以下「紛争処理センター」といいます)にあっせん手続の申立てを行いました。
当方から損害に関する書類及び事故態様・後遺障害に関する報告書を紛争処理センターに提出したところ、ほぼ当方の主張を認めるあっせん案の提示があり、和解に至りました。
2逸失利益について
本件では14級の後遺障害が認定されており、労働能力喪失率は5%となります。一方、労働能力喪失期間は、裁判上、5年と認定されることが一般的です。
しかし、相手方保険会社は、後遺障害が認定されているにもかかわらず、全く逸失利益を計算していませんでした。
そこで、当事務所は、逸失利益について、事故前年の年収の5%を5年間喪失したとして計算し、交通事故紛争処理センターで当方請求のとおり、認められました。
依頼者様の感想
お疲れ様でした。本当にありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 大澤 一郎
本事例へのよくある質問
- 賠償額が5倍以上になった理由は何ですか?
- 保険会社の初回提示額が後遺障害14級9号にもかかわらず58万円と低かったことが理由の1つです。特に、後遺障害逸失利益が当初の提示ではゼロだったことが大きな理由です。
【解説】
後遺障害が認定された場合、後遺障害逸失利益が支払されます。後遺障害逸失利益は事故によって減少する将来の収入減の補償です。
「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)の場合、今後5年間にわたり5%収入が減るという前提で計算をすることが多いです。 - 交通事故紛争処理センター申立の場合、何カ月位で解決することが多いですか?
- 大きな争いのない事案の場合、申立から3カ月前後で解決することが多いです。
参考:公益財団法人交通事故紛争処理センター - 交通事故紛争処理センター申立の場合、申立後何回位の期日で合意に至ることが多いですか?
- 大きな争いのない事案の場合、2回~3回程度で合意に至ることが多いです。
- 200日の通院期間は適切な期間ですか?
- 頚椎捻挫、腰椎捻挫等の場合、3カ月から6カ月程度の通院期間のことが多いです。そのため、200日という通院期間は比較的適切な通院期間と言えるでしょう。