事例012びまん性脳損傷・頚椎損傷
学生が高次脳機能障害により9級10号の認定を受け約2,840万円を獲得した事例
最終更新日:2023年02月13日
文責:弁護士 大澤 一郎
保険会社提示額 : 660万円
- 解決額
- 2,840万円
- 増額倍率 :4.3倍
- 病名・被害
-
- 高次脳機能障害
- 怪我の場所
-
- 頭部
- 首
- 後遺障害等級
-
- 9級
事故発生!自転車対自動車の事故
平成20年某月、高校生の木村隆さん(仮名・千葉県北小金在住・10代・男性)が自転車に乗って、十字路を走行していたところ、出会頭に、右から来た自動車に衝突されるという被害に遭いました。
相談から解決まで
被害者は、事故によってびまん性脳損傷、頚椎損傷の傷害を負いました。約2ヶ月の入院と約1年の通院を経て、後遺障害の申請を行い、高次脳機能障害として9級10号が認定されました。
当事務所の受任前、相手方保険会社は660万1,417円支払うとの提案をしていました。
当事務所が受任して交渉にあたったところ、2,840万4,644円を受領するという内容で和解が成立しました。
当事務所が関わった結果
当事務所が交渉を行った結果、賠償額が約4.3倍(増加額約2,200万円)に増額しました。
解決のポイントは以下の点です。
1逸失利益について
9級の後遺障害の場合、労働能力喪失率は35%であり、67歳までの逸失利益を計算することになります。しかし、本件では、相手方保険会社が全く逸失利益を計上していませんでした。
そこで、当事務所は、逸失利益について、賃金センサス(賃金の統計資料のことです)を用いて逸失利益を計算し、請求を行いました。
2入院雑費について
入院を行った場合、入院にかかった雑費について実際の支出額にかかわらず1日1,500円が認められます。本件では、約2ヶ月の入院ですので、約10万円となります。
しかし、相手方保険会社は、入院雑費についても損害として計上していませんでした。
当事務所受任後は、当然、裁判基準に基づき、1日1,500円の入院雑費を請求し、認められました。
依頼者様の感想
裁判を起こさずに、早い解決ができてよかったです。ありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 大澤 一郎
本事例へのよくある質問
- 高次脳機能障害でよくある相談にはどのような相談がありますか?
- ①症状についての相談、②治療についての相談、③後遺障害認定についての相談、④損害賠償についての相談などがあります。
- 詳細は、高次脳機能障害のよくある質問と回答のページをご参照下さい。
- 高次脳機能障害が認定されるにはどのような条件が必要ですか?
- ①一定の病名、②CT・MRI画像などでの異常所見、③事故後の意識障害の3つが必要とされています。
- 詳細は、自賠責における後遺障害認定の入口の3要件の解説をご参照下さい。
- 高次脳機能障害9級の認定基準はどのようなものですか?
- 通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、社会通念上、その就労可能な職務の範囲が相当な程度に制限されるものです。
- 具体的には、①意思疎通能力(記銘・記憶力、認知力、言語力等)、②問題解決能力、③作業負荷に対する持続力・持久力、④社会行動能力(協調性等)のいずれか1つの能力が相当な程度制限されている場合です。
参考:高次脳機能障害のよくある質問と回答
- 学生の逸失利益はどのように計算しますか?
- 賃金センサスという統計の平均値を使います。具体的には男女別の全年齢平均の賃金額を使うことが多いです。
- 詳細は、学生の逸失利益の基礎収入の解説をご参照下さい。
- 入院雑費はどのように計算しますか?
- 入院雑費は入院1日あたり1,500円で計算します。
- 保険会社からの提示の場合。1日1,100円程度の提示のことがあります。その場合には増額を要請しましょう。
- 詳細は、入院雑費の解説をご参照下さい。