交通事故証明書の甲乙の決め方
監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 松本 達也
- Q交通事故証明書の甲欄と乙欄はどのように決まりますか?
- A交通事故証明書とは、交通事故が起きた事実を証明する公的書類です。
交通事故証明書の甲欄が加害者、乙欄が被害者のことが多いです。ただし、甲欄が実際には被害者のこともあります。
―――― 目次 ――――
交通事故証明書とは
交通事故証明書とは、交通事故が起きた事実を証明する公的書類です。
交通事故証明書原本の申請は、自動車安全運転センターへ行います。保険会社にお願いすれば交通事故証明書コピーをもらえることが多いです。
交通事故証明書の甲欄と乙欄とは
交通事故証明書には甲欄や乙欄があります。交通事故にあった当事者の情報を書く欄です。当事者の一方を「甲」、他方を「乙」として記載します。
では、当事者欄の甲乙の記載のルールはあるでしょうか?
甲欄と乙欄に書き込む当事者は警察官が決めます。甲欄には過失の大きい当事者、乙欄には過失の小さい当事者を記入するのが原則です。
とすると、甲欄が加害者、乙欄が被害者になりそうです。実際も多くの事案では甲欄が加害者です。しかし、全ての事案で甲欄が加害者とは限りません。
警察官が判断を誤ることもあります。どちらが悪いか微妙な事案もあるでしょう。交通事故現場で警察官が厳密に判断できないこともあります。
まとめると、交通事故証明書の甲欄と乙欄の意味は次の通りです。
- 甲欄が加害者、乙欄が被害者のことが多い
- ただし、甲欄が実際には被害者のこともある
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警察に申告すれば甲乙を変えてもらえるか?
では、警察に申告すれば甲乙を変えてもらえるでしょうか?
警察に申告しても、甲乙を警察が変更する可能性は低いでしょう。ただし、明らかに何らかの誤りがあるときは、交通事故証明書の修正に警察が応じるときもあります。
交通事故の過失割合
では、交通事故の過失割合はどのように決めるでしょうか?
被害者側と加害者側でまずは協議します。双方に保険会社がいるときは保険会社間でまずは協議をすることが多いでしょう。
被害者は、「今回の事故だと〇対〇」というような連絡を保険会社から受けます。加害者も同じです。双方が合意をすれば過失割合が決まります。
合意できない場合、最終的には裁判所の判決で決まります。
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過失割合に納得いかないとき
では、過失割合に納得いかないときはどうすればよいでしょうか?
過失割合に納得いかないときは、次の点を検討しましょう。
- ①過去の類似事例の調査
- ②客観的な証拠の確認
- ③基本的な過失割合を修正する事情の検討
過失割合に納得いかないとき、今後の手続きは次の流れがあります。
- ①保険会社に反論
- ②交通事故紛争処理センターの利用
- ③民事裁判の利用
まとめ:交通事故証明書の甲乙の決め方
交通事故証明書とは、交通事故が起きた事実を証明する公的書類です。
交通事故証明書の甲欄が加害者、乙欄が被害者のことが多いです。ただし、甲欄が実際には被害者のこともあります。
(監修者 弁護士 松本 達也)