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症状固定後の治療費について(裁判基準)


1 赤い本
 一般に否定的に解される場合が多いであろうが,その支出が相当なときは認められよう。リハビリテーションの費用は症状の内容・程度による。

2 青い本
 「症状固定後の治療費」は原則として賠償対象とは認められない。しかし,症状固定後でも症状の内容・程度・治療の内容により症状の悪化を防ぐなどの必要があれば認められることになる。

3 自賠責
 治療のために必要かつ妥当な実費とする。

4 解説
(1)症状固定状態とは,治療しても症状が改善しない状態のことであり,したがって,症状固定後の治療費を加害者に負担させることはできないということが原則です。

(2)症状の悪化を防ぐために追加の治療が必要な場合には,症状固定後であっても治療費が認められることがあります。また,リハビリの費用も認められる可能性があります。治療費を支出することがどのくらい確実かどうか,将来に手術を行うことがどのくらい確実かどうかという観点からの検討が必要です。

(3)痛みなどの神経症状を軽減するための通院費用については事例によりますが,特別重傷の場合等を除き将来の治療費は否定されることが多いです。

(4)将来の費用には治療費のみならず,将来の手術費・将来の付添看護料・将来の入院雑費・将来の交通費等の費用もあります。

5 事例
(1)55歳・男性・会社役員の後遺障害(脊髄損傷・頸髄損傷による右上肢機能障害・右下肢機能障害等・5級)につき,今後も日常生活動作を維持するための理学療法・薬物療法を要するとして症状固定時からの平均余命23年間のリハビリ費用として289万7969円が認められた。

(2)18歳・男性・アルバイトをしている専門学校生につき,将来の歯科補綴治療費として,10年後,20年後,30年後にそれぞれ30万円相当の治療費を要するとして中間利息を控除して46万9980円が認められた。

(3)植物状態の被害者(1級3号)(女性・症状固定時23歳)につき,現状維持のため医師・看護師の往診と投薬の続行の必要性を認め,将来の治療費と自宅療養雑費として1017万円を認めた。




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