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休業損害・学生について(裁判基準)


1 赤い本(学生)
 学生・生徒については原則として認めないが,収入があれば認める。就労後れによる損害は認められる。

2 青い本(学生)
 学生・生徒については社会人として就労する前の地位であるから,本来ならば金銭収入は得ておらず休業損害は発生しない。しかし,アルバイトをしているものについては,現実のアルバイト収入を基礎として算定した休業損害が認められる。
 治療が長期にわたり,学校の卒業ないし就職の時期が遅延した場合は,就職すれば得られたはずの給与額が損害として認められる。
 
3 自賠責
 特別の言及なし。

4 解説
(1)学校の卒業ないし就職の時期が遅延した場合は,学生であっても,就職したのであれば得られたはずの給与額が損害として認められます。この場合の基礎収入額は就職が内定していて,給与額が明確に推定できるような場合にはその額によるが,そうでないときは学歴別の初任給平均値によることになります。

(2)学生でアルバイトの場合には一般の社会人のように,安定した雇用関係とは言えないので,過去の就労状況や継続性,授業や単位取得のための試験の負担による就労日数の減少などを検討して現実的な就労予想日数を認定して損害額を算定する必要があります。

(3)学生の場合,保険会社の提案の中で逸失利益が大幅に減らされている事案があります。学生であっても今後長期間にわたって仕事をするわけですので,当然逸失利益は発生します。休業損害の問題と逸失利益の問題をきちんと分けて検討すべきです。

(4)学生の場合,特に重篤な傷害が残る学生の場合には,損害賠償額が極めて多くなる傾向にあります。これは,後遺障害の逸失利益の額が学生の場合多いからです。保険会社からの提案をそのまま受け入れずに,一度きちんと弁護士等の法律の専門家にご相談をお勧めします。

5 事例
(1)専門学校1年生の学生(男性・18歳)につき,卒業までの520日間のアルバイト収入127万円余と1年間の稼働後れによる賃金センサス・男性高専・短大卒平均賃金の1年分274万円余が認められた。

(2)就職が内定していた修士課程後期在学生(男性・27歳)につき,事故により就職内定が取り消され,症状固定まで就業できなかった場合に,就職予定日から症状固定まで2年6ヶ月の間,就職内定先からの回答による給与推定額を基礎に955万余が認められた。
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