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休業損害・家事従事者について(裁判基準)


1 赤い本(家事従事者)
 賃金センサス第1巻第1表の産業計,企業規模計,学歴計,女性労働者の全年齢平均賃金の賃金額を基礎として,受傷のために家事労働に従事できなかった期間につき認められる。
 パートタイマー,内職等の専業主婦については,現実の収入額と女性労働者の平均賃金額のいずれか高い方を基礎として算出する。

2 青い本(家事従事者)
 現金収入はなくても,受傷のため家事に従事することができなかった期間につき休業損害を請求することができる。
 算定の基礎となる収入額は,女性労働者の平均賃金を用いる。

3 自賠責
 1日につき原則として5700円とする。家事従事者については,休業による収入の減少があったものとみなす。

4 解説
(1)平均賃金額の算定にあたっては,全年齢平均賃金額を基礎収入額とすることが多いです。高齢者の場合,年齢別平均賃金が採用される傾向にあります。さらに,高齢者の場合には,若年者に比べて,家事分の休業損害の額が減額されることがあります。

(2)家事に従事しつつ,パートタイマーとしてあるいは事業による収入を得ているものも多いですが,その場合でも,実収入部分を女性平均賃金額に加算せず,平均賃金額を基礎収入とします。金銭収入が平均賃金額以上のときは,実収入額によって給与所得者又は個人事業者等として損害額を算定します。

(3)当事務所の経験では,弁護士が代理していない場合,保険会社からの損害額の提案の中に,家事分の休業損害がほとんど入っていないことがあります。また,実際に通院した日のみ家事分の休業損害を認めている場合もあります。家事労働の休業損害は,項目として失念しやすい項目ですので,失念しないように注意が必要です。

5 事例
(1)主婦(43歳・14級)につき,通院治療中もある程度家事に従事し,支障をきたしていたが,家政婦を雇うまでのことはなかったことから,事故から症状固定まで50%の労働能力制限が認められた。

(2)専業主婦(48歳・併合7級)につき,賃金センサス女性学歴計45歳から49歳平均を基礎に,事故当時から症状固定まで556日間,完全な休業を要したと認められた。

(3)主婦兼パートタイマー(53歳・左下肢神経症状12級12号)につき,賃金センサス女性学歴計50歳から54歳平均を基礎に,入院期間97日間は100%,その後症状固定まで288日間は70%の就労不能として認定した。
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