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交通事故知識ガイド各損害の損害賠償基準の詳細解説

主婦の休業損害

最終更新日:2024年3月7日

監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 大澤 一郎

主婦の休業損害
主婦の休業損害は、事故で主婦の仕事ができなくなったときに請求できます。

この記事では交通事故被害者にむけて、主婦の休業損害が賠償対象となる場合や計算方法を交通事故に詳しい弁護士がわかりやすく解説します。

なお問題が発生しそうなときは交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。

主婦の休業損害とは

主婦の休業損害とは事故により家事ができなくなったことへの損害賠償です。

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主婦の休業損害の支払基準

では自賠責保険や裁判での主婦の休業損害の支払基準はどのようなものでしょうか?
自賠責保険では自賠責保険の支払基準の告示(金融庁)があります。
裁判では赤い本と青い本という裁判の基準をまとめた本があります。

赤い本の基準

  • 賃金センサス第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計、女性労働者の全年齢平均賃金の賃金額を基礎として、受傷のために家事労働に従事できなかった期間につき認められる。
  • パートタイマー、内職等の専業主婦については、現実の収入額と女性労働者の平均賃金額のいずれか高い方を基礎として算出する。

青い本の基準

  • 現金収入はなくても、受傷のため家事に従事することができなかった期間につき休業損害を請求することができる。
  • 算定の基礎となる収入額は、女性労働者の平均賃金(賃金センサス第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計の全年齢平均賃金または年齢別平均賃金)を用いる。
  • 家事に従事しつつ、給与所得者としてあるいは事業による収入を得ている者も多いが、その場合でも、実収入部分を女性平均賃金額に加算せず、平均賃金額を基礎収入とする。

基準の解説

主婦の休業損害は家事ができなかった期間請求できます。
1日の金額は10,804円が多いです。令和3年賃金センサスを元にした金額です。

主婦の休業損害1日の金額

では主婦の休業損害1日の金額はどのように決めるでしょうか?

主婦の休業損害は女性の平均年収を使います。賃金構造基本統計調査(賃金センサス)によれば、令和4年の女性平均年収は3,943,500円です。1日にすると10,804円です。

【計算式】年収3,943,500円÷365日≒10,804円

保険会社が日額6,100円を提示することがあります。日額6,100円は自賠責保険 の基準です。日額6,100円の提示のときは異なる基準で請求しましょう。

主婦の休業損害の日額
日額
通常の基準 10,804円
自賠責保険の基準 6,100円

主婦の休業損害の日数

では主婦の休業損害の日数はどのように決めるでしょうか?

主婦の休業損害は、事故で家事ができなかった日数分請求できます。しかし、事故により家事ができないかどうかの証明は難しいことが多いです。そのため、次のような基準で日数を決めることが多いです。

  • ①通院日は家事ができなかったとして計算する方法。たとえば、全部で45日通院していたら45日分で計算する方法。
  • ②事故から一定期間家事ができなったとして計算する方法。たとえば、事故から1カ月の30日分で計算する方法。

兼業主婦の休業損害

主婦で仕事もしている兼業主婦も休業損害を請求できます。兼業主婦の場合、仕事と主婦の休業損害のうち高い金額を請求できます。

家事をしていることの証明方法

家事をしていることは次のような証拠で証明しましょう。

1人暮らしは請求できない

では1人暮らしで自分のために家事をしているときは休業損害は請求できるでしょうか?

自分のためだけに家事をしているときは家事分の休業損害は請求できません。ただし、例外的に次のようなときは休業損害が請求できることがあります。

  • ①1人暮らしでも他人のための家事をしている場合
  • ②一時的に1人暮らしになった場合

まとめ:主婦の休業損害

主婦の休業損害は家事ができなかった期間請求できます。
1日の金額は10,804円が多いです。期間は一律の基準はありませんが、次のような計算が多いです。

  • ①通院日は家事ができなかったとして計算
  • ②事故から一定期間家事ができなったとして計算

(監修者 弁護士 大澤 一郎

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