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休業損害・給与所得者について(裁判基準)


1 赤い本(有職者)
 事故前の収入を基礎として受傷によって休業したことによる現実の収入減とする。現実の収入減がなくても,有給休暇を使用した場合には休業損害として認められる。休業中,昇給・昇格があった場合にはその収入を基礎とする。休業に伴う賞与の減額,不支給,昇給・昇格遅延による損害も認められる。

2 青い本(有職者)
 受傷やその治療のために休業し,現実に喪失したと認められる得べかりし収入額とする。

3 自賠責
(1)休業損害は,休業による収入の減少があった場合又は有給休暇を使用した場合に1日につき原則として5700円とする。ただし,家事従事者については,休業による収入の減少があったものとみなす。
(2)休業損害の対象となる日数は,実休業日数を基準とし,被害者の障害の態様,実治療日数その他を勘案して,治療期間の範囲内とする。
(3)立証資料等により,1日につき5700円を超えることが明らかな場合には,自動車損害賠償保障法施行例第3条の2に定める金額(19000円)を限度として,その実額とする。

4 解説
(1)実際の認定の際には色々な計算式が用いられる場合があります。代表的なものは以下の計算方法です。
(ア)収入日額×認定休業日数 治療期間の範囲内で相当な休業日数を認定します。
(イ)収入日額×期間1+収入日額×期間2×●%等 病状の推移を見て,時間経過と共に,収入日額の一定割合に減じた金額を元に計算をして積算して治療期間中の損害額を算出します。
(ウ)収入日額×治療期間総日数 期間の長短・傷害の態様や勤務内容によっては検討されるべき計算方法です。

(2)休業損害の収入日額については,事故前3ヶ月の支給額全額を平均して収入日額を算定することが多いです。

(3)収入額として計算すべきなのはいわゆる手取額ではなく税込額です。

(4)事故による受傷が原因で解雇・退職となった場合は,無職状態となった以降も現実に稼働困難な期間が休業期間とされます。また現実に稼働可能となっていても就職先が得られなかった場合には,現実に就労先を得られたときまでの期間又は転職先を得るための相当期間のいずれか短期の期間について休業損害が認められます。

5 事例
(1)事故後約2年8ヶ月後に退職した警察官について,退職までの各年度の昇給後の給与(調整手当の増額分も含む)及び賞与・時間外手当についての損害が認められた。

(2)昼間は会社作業員・夜間は寿司店配送運転手として2箇所で収入を得る被害者(男性・37才・四肢不全麻痺12級)について,合計収入を基礎に,32日間は100%,以後,症状固定まで348日間は60%の労働能力制限が認められた。
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