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交通事故知識ガイド各損害の損害賠償基準の詳細解説

遅延損害金

最終更新日:2023年6月7日

監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 大澤 一郎

賠償金の基準「遅延損害金」
遅延損害金は事故日から年3%を相手に請求できます。裁判のときのみ請求できます。

この記事では交通事故の被害者にむけて、遅延損害金の請求ができる場合や金額などを交通事故に詳しい弁護士がわかりやすく解説します。

なお問題が発生しそうなときは交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。

遅延損害金とは

遅延損害金とは支払が遅れたことに伴う利息です。交通事故では事故日から年3%の遅延損害金が発生します。ただし、認められるのは裁判の場合のみです。

遅延損害金の支払基準

では自賠責保険や裁判での遅延損害金の支払基準はどのようなものでしょうか?
自賠責保険では自賠責保険の支払基準の告示(金融庁)があります。
裁判では赤い本と青い本という裁判の基準をまとめた本があります。

赤い本の基準

  • 事故日から起算する。
  • 令和2年4月1日以降に発生する交通事故について、損害賠償請求の遅延損害金は年5%ではなく事故日の法定利率によることとなる。
  • 令和2年4月1日以降事故日の法定利率は年3%である。

青い本の基準

  • 損害賠償額全体(弁護士費用を含む)について、事故日から遅延損害金が発生する。

基準の解説

遅延損害金が賠償対象となるとき

遅延損害金が賠償対象となるのは裁判のときです。

裁判は判決や和解で終了します。裁判の判決では遅延損害金は賠償対象になります。裁判の和解では遅延損害金が賠償対象になることが多いです。

交渉や紛争処理センターでの解決のとき、遅延損害金は賠償対象となりません。

解決の方法と遅延損害金
解決の方法 遅延損害金
裁判の判決 〇賠償
交渉 ×賠償なし
紛争処理センター ×賠償なし

注 個別事案により異なります。
裁判の流れ

遅延損害金の金額

では遅延損害金が発生するとき、遅延損害金の金額はいくらになるでしょうか?

裁判の判決のときは、事故日から支払日まで年3%です。
裁判の和解のときは個別の事案によります。裁判の判決の半額位が経験上は多いです。

よくあるQ&A

Q遅延損害金のルールはどのように決まっていますか?
A民法第404条により年3%と決まっています。
Q裁判でなくても遅延損害金は法律上発生しませんか?
A裁判でなくても遅延損害金は法律の理屈上は発生します。ただ、交通事故の損害賠償請求の実務では、裁判のときのみ遅延損害金を賠償対象とするルールです。
Q遅延損害金の計算の起算点はいつですか?
A事故日です。
Q遅延損害金の計算の終了時はいつですか?
A支払日です。
Q裁判所が出した和解案に「調整金」という項目がありました。調整金とは何ですか?
A調整金とは弁護士費用、遅延損害金、その他裁判所が和解のために検討した金額の合計額を指すことが多いです。

まとめ:遅延損害金

遅延損害金は裁判のときに賠償対象となります。裁判の判決のときは事故日から支払日まで年3%です。裁判の和解のときは判決の半額程度が多いです。

解決の方法 遅延損害金
裁判の判決 〇賠償
交渉 ×賠償なし
紛争処理センター ×賠償なし

注 個別事案により異なります。

(監修者 弁護士 大澤 一郎

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