交通事故の被害者請求では,等級が認定されたら先に自賠責からお金をもらえると聞きました,それはなぜですか?

2018年10月30日
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交通事故の被害者請求では,等級が認定されたら先に自賠責からお金をもらえると聞きました,それはなぜですか?

被害者請求の場合,被害者が直接自賠責保険に保険金を請求するので,自賠責保険で決定が下りたらすぐに保険金が支払われます。
自賠責保険との直接のやり取りなので,任意保険会社との示談交渉が成立するかどうかは無関係だから,先にお金を受け取れるのです。





 交通事故 : 被害者請求 




◆被害者請求と事前認定において,保険金を受け取れるタイミング




交通事故で後遺障害の等級認定請求を行うときには
被害者請求と事前認定の2種類の方法があります。

被害者請求は,被害者が加害者の自賠責保険へと保険金を直接請求する方法で,事前認定は,任意保険会社に後遺障害認定を依頼する方法です。

被害者請求の場合には,等級認定の結果が出たらすぐに後遺障害についての自賠責保険金を受け取れます。

これに対し事前認定の場合,示談が成立するまで後遺障害についての保険金を受け取ることはできません。









◆被害者請求で保険金を先に受け取れる理由




被害者請求の場合,なぜ先に保険金を受け取ることができるのでしょうか?

それは,被害者請求は被害者と自賠責保険の直接のやり取りだからです。

被害者請求の場合,任意保険会社を介さずに被害者が直接自賠責保険へと請求を行い,自賠責保険が保険金の決定をしたら,その金額を被害者に支払うだけの単純な構図です。

ここに加害者の任意保険会社は関与しないので,任意保険会社との示談成立を待つ必要はありません。


これに対し事前認定の場合,任意保険会社が後遺障害等級認定の手続きを代行します。

決まった後遺障害についての保険金は,示談成立時に任意保険会社が被害者に立て替え払いして,後に自賠責保険へと請求します。

そこで,事前認定の場合には,後遺障害認定が下りてもすぐには保険金を受け取ることができず,示談成立を待つ必要があります。









◆被害者請求のメリット




被害者請求をすると,後遺障害分の自賠責保険金を先に受け取ることができます。

後遺障害が残った被害者は失業することもありますし,さまざまな物品購入や自宅,車の改造,生活のためなどにお金が必要になるケースが多いので,このように先にお金を受け取れるメリットは大きいです。

また被害者請求の場合,後遺障害が認められるかどうか判断が微妙な案件においても,提出する書類を選別できるなど被害者側の裁量の範囲が大きいため,適切な等級認定手続きにつながりやすいというメリットがあります。


後遺障害等級認定で被害者請求をするときには,最低限の医学的知識や専門のノウハウが必要です。

被害者お一人で対応するより弁護士に任せた方が,認定を受けられる確実性が高まりますので,交通事故で後遺障害が残った場合,お早めに弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・交通事故に遭い治療を続け,後遺障害診断書を任意保険会社に送りました。
しばらくして,任意保険会社から審査結果が送られてきました。後遺障害に当たらないなどと書いてあります。どういうことでしょうか?

・交通事故で相手方が任意保険無保険の場合の対応を教えてください。
・後遺障害等級について

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(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

交通事故の後遺障害の等級に納得がいかない場合は,どういう手続きをすればいいですか?

2018年10月29日
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交通事故の後遺障害の等級に納得がいかない場合は,どういう手続きをすればいいですか?

交通事故の後遺障害の認定決結果に納得できない場合,自賠責に対して異議申立てをする方法,自賠責保険・共済紛争処理機構を利用する方法,裁判で争う方法があります。




 交通事故 : 後遺障害等級 




◆自賠責への異議申立て




交通事故で後遺障害が残った場合には,加害者の自賠責保険や共済に対して後遺障害認定の請求を行う必要があります。

しかし思ったようには認定を受けられず,非該当になったり等級が低くなってしまったりすることも多いです。

その場合,まずは自賠責保険や共済に対する異議申立てができます。

異議申立ての際,適切な資料を揃え直して後遺障害の存在や因果関係を立証できれば,後遺障害の等級を変更してもらえる可能性があります。

ただし,異議申立ての申立先は,1回目に申請をしたのと同じ自賠責保険・共済です。同じ資料しかなければ認定が変わることはありませんし,異なる資料を揃えても判断を変更してもらうことは簡単ではありません。









◆自賠責保険・共済紛争処理機構




自賠責への異議申立てによっても等級が変わらなかった場合「自賠責保険・共済紛争処理機構」に調停の申立をする方法があります。

この機関は,国土交通大臣と金融庁長官の指定を受けて,自賠責保険の決定内容や保険金支払いについての紛争を解決するために設立された,ADR(裁判外紛争処理機関)です。

後遺障害等級認定は自賠責保険・共済による決定なので,自賠責保険・共済紛争処理機構を利用して解決をはかることが可能です。
調停の申立てをすると,自賠責保険・共済紛争処理機構において後遺障害への該当性や等級の判断が行われます。

自賠責保険や共済は機構の決定内容に従うので,機構によって後遺障害認定の判断内容が覆されたら変更された等級が適用されて,新たに認定された等級にもとづく保険金が支払われます。









◆裁判




自賠責保険・共済紛争処理機構を使っても判断が変更されなかった場合には,裁判によって後遺障害認定結果を争うことが可能です。

裁判所は,被害者と保険会社による主張と提出された証拠によって,他の機関から独立して判断を行います。

自賠責や自賠責保険・共済紛争処理機構で後遺障害が認められなかった場合にも,裁判できちんと証明ができれば後遺障害として認定されますし,等級が変更される可能性もあります。


自賠責で後遺障害認定の結果が出たとき,異議申立てや自賠責保険・共済紛争処理機構への申立てをせずに,いきなり裁判で後遺障害等級について争うこともできます。

ただし,裁判で後遺障害を認めてもらうためには,後遺障害の症状の存在や交通事故との因果関係を綿密に立証する必要があります。




被害者お一人の力で裁判に勝つことは困難ですから,後遺障害認定に不服がある場合には,お早めに弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・交通事故により,手と腕を怪我しました。怪我がきれいに治らず,傷痕が残ってしましました。このような場合,何か後遺障害が認定される可能性はありますか?
・交通事故ブログ〜後遺障害その他〜
・交通事故による後遺障害の解説

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(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

交通事故の物損事故の場合,査定協会の査定をしてもらえると聞きました。査定協会の査定があれば,その金額を保険会社に支払ってもらえるのですか?

2018年10月26日
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交通事故の物損事故の場合,査定協会の査定をしてもらえると聞きました。査定協会の査定があれば,その金額を保険会社に支払ってもらえるのですか?

査定協会は,国の許可を受けて作られた機関で,公正中立の立場から車の査定を行っています。物損事故の評価損の算定のために査定協会を利用することは可能ですが,保険会社は査定協会の査定内容に拘束されません。
減価証明書は裁判でも有効な資料となりますが,必ずしも査定協会の査定通りにはなりません。





 交通事故 : 査定協会 




◆日本自動車査定協会とは




物損事故では「自動車の評価損」が発生することが多いです。

評価損とは,事故車になったことにより,車の市場価値が下がってしまったことによる損害です。

ただ,事故によって評価損が発生しているとしても,どのくらい価値が減少しているのかが問題となります。

そこで登場するのが,日本自動車査定協会です。
これは,経済産業省と国土交通省の指導の下に作られ,公正中立な立場からさまざまな目的で車の価値を査定している機関です。


交通事故で評価の下がってしまった車の査定を依頼すると,「減価証明書」という書類を発行してもらえます。減価証明書は保険会社との示談交渉だけではなく,裁判するときにも証拠として利用できます。

査定協会で自動車の査定を受けるには,軽自動車の場合には5400円,普通乗用自動車の場合には7020円または9720円の費用がかかります。自動車の排気量や重量によって料金が異なります。









◆減価証明書は保険会社を拘束しない



減価証明書は評価損発生や価額についての有力な資料にはなりますが,保険会社を拘束しません。

そこで,保険会社に減価証明書を提示しても,保険会社が「評価損は支払わない」と主張するならば,査定内容に従った支払いを受けることはできません。

現実の示談交渉の場面では,保険会社が任意で評価損の支払いに応じることは少ないので,評価損を払ってもらうためには裁判によって決着をつける必要性が高いです。









◆裁判における査定協会の証明書の取扱い




査定協会の減価証明書は,裁判でも有力な証拠となりますが,裁判所も証明書通りの評価損を認定するとは限りません。

現実には評価損を認める場合,修理費用の10〜30%などとするケースが多いです。

また裁判をしても,すべての事案で評価損が認められるわけではありません。

評価損が認められやすいのは,登録年数が新しい車や高級車,外車などです。





物損事故で評価損が発生したとき,保険会社が評価損を支払わないので争いが起こるケースが多々あります。

自分の場合に評価損を請求できるかどうか知りたい場合,お気軽に弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・交通事故の場合,物損事故でも,お互いの損害賠償請求権を相殺できないという話を聞いたのですが,どういうことなのでしょうか?
・交通事故の物損事故です。傷の部分を塗装しましたが,ほかの部分と色むらがあるのが分かります。全塗装してもらいたいのですが,賠償してもらえますか?
・交通事故と物損Q&A

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(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

保険会社の一括対応とは何ですか?

2018年10月25日
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保険会社の一括対応とは何ですか?

保険会社の一括対応とは,任意保険会社が自賠責保険の保険金支払いの窓口となり,自賠責保険の分まで立て替えて支払いをすることです。
病院で治療費を支払ってもらうときに一括対応してもらえると,保険会社が治療費を病院に直接支払ってくれるので窓口での負担がありません。ただし治療が長びくと,治療費支払いを打ち切られるケースもあります。





 交通事故 : 保険会社の一括対応 




◆保険会社の一括対応とは




交通事故に遭ったら加害者は被害者に対し,損害賠償をしなければなりません。

加害者が自賠責保険と任意保険に加入している場合,まずは自賠責保険から支払いが行われ,足りない部分を任意保険が支払うのが原則です。

しかしそうすると,被害者はまず自賠責保険に賠償金を請求して,その後に不足分を任意保険会社に請求しなければならず,大変面倒です。

そこで,任意保険会社は自賠責保険の分まで被害者に立て替え払いをして,立て替えた分は後に自賠責保険から支払いを受ける運用になっています。

このように,任意保険会社が自賠責保険の分まで一括払いすることを「一括対応」と言います。









◆一括対応が行われる場面




一括対応が行われるのは,主に病院への治療費支払いの場面です。

このとき,原則的には被害者は自賠責保険へと請求して,自賠責保険から治療費を支払ってもらう必要があるはずです。

しかし,現実には任意保険会社が一括対応をするので,任意保険会社から病院へと直接治療費が支払われます。交通事故の被害者は,窓口で治療費を支払う必要がなく,便利です。









◆一括対応してもらう方法




任意保険会社に治療費の一括対応をしてもらうためには,任意保険会社に対し「同意書」を渡さなければなりません。

同意書は,任意保険会社が病院から被害者の診断書や診療報酬明細書などの資料を取り寄せることに,被害者が同意するものです。
任意保険会社は,同意書を病院に示すことにより,治療費の計算に必要な資料を取り寄せて,必要な治療費を支払うことができます。

ただし,同意書を任意保険会社に提出すると,病院における治療内容や通院頻度などの情報を保険会社に知られてしまうことになります。









◆一括対応の問題点




当初は一括対応が行われていても,通院期間が長くなってくると,任意保険会社が「そろそろ治療は終わりましょう」と言い,治療の終了を迫るようになります。

それでも被害者が通院しようとすると,一方的に一括対応を終了させることが多いです。



治療費の打ち切りに遭ったとき,まだ症状が落ち着いていなければ,健康保険などを使って自費で病院への通院を続ける必要があります。通院をやめるべきではありません。


一括対応は便利ではありますが,任意保険会社が被害者にプレッシャーをかける手段にもなります。任意保険会社の対応に疑問をお持ちの場合,お気軽に弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・交通事故の物損事故で和解契約書にサインした後に,その他の損害があることが判明しました。和解は取り消せますか?
・私に過失があると言われて保険会社が交通事故の治療費の対応をしてくれません,どういうことですか?
・交通事故問題解決の流れ

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(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)
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交通事故に遭い高次脳機能障害になった場合、入ってくる情報が多すぎると混乱することがあるのでしょうか?

2018年10月23日
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交通事故に遭い高次脳機能障害になった場合、入ってくる情報が多すぎると混乱することがあるのでしょうか?

オフィスで物がいつも同じ場所にないと頭が混乱していましたが、高次脳機能障害の症状だとわかったので書類や文具は定位置に置くように同僚に頼んで仕事しています。





 交通事故:高次脳機能障害 




◆医師に勧められたリハビリテーションを受けずに退院




(25歳女性 会社員)

休日にショッピングモールにでかけた時、駐車場の出入り口で車にはねられて頭を打ち、救急搬送されました。

交通事故から1日は意識が戻らず、一人暮らしの私の身元を特定して親族に連絡を入れるのが大変だったと、後で病院の看護師さんから伺いました。

もっとも、私が覚えているのは意識が戻ってからのことで、それほど深刻な状況だったとは思えないほど体調が上々、食欲もあり、一日も早く退院したいという気持ちでした。



しかし,医師の見解は違いました。

私は、頭部外傷による高次脳機能障害を発症しているので、まずはリハビリテーションで認知機能を改善させることが重要であるとのことでした。

そして、リハビリテーションの効果が上がってきたと認められたら、職場復帰に向けて環境を整えていきましょうとのことです。

とはいっても、自分自身ではないも問題点はないと感じているので、同意はしたくないという気持ち、わかっていただけるでしょうか?

それに、入院が長引けば医療費がかさみますし、独身で一人暮らしの私としては、一日も早く退院したいというのが本音でした。









◆仕事に復帰したがミス連発




医者の助言に従わずに退院した私ですが、その付けが早くも現れてきました。

オフィス内の書類のあり場所、キャビネット内の文房具の置き場所、自分のデスクの何段目の引き出しに何が入っているか?
まったく思い出せないし、今さら人にも聞けない・・


その結果、たぶんこうだろう・・と手探りで仕事を進めるありさま、当然ミスの連発です。

それに、書類のありかを探し当てるまでに時間がかかるので、仕事の効率が落ち、社内では、私に向かってあからさまに批判をする人も現れました。



思いあまった私は、主治医のもとを訪れ、自覚はしていないが周囲の人から指摘されている行動について説明しました。

「オフィスのように、多数の人間が行き来し、たくさんの書類や事務用品があるような環境は、高次脳機能障害の人にとって、入ってくる情報が多すぎるので混乱することがある」というのがドクターの見解です。

そして「決まった場所に決まった物があると状況を把握しやすいので仕事を進めるのに役立つ」という助言を受けました。

確かに、オフィスで良く使う文具の置き場所が違っていると軽くパニックになっていたにもかかわらず恥ずかしくて人には言えないでいました。




今は、社内のスタッフに高次脳機能障害であることを公言し、物の置き場所を決めてもらうようにお願いしています。

おかげで、パニックになることなく、オフィスワークをこなせるようになりました。







▼参考記事
・家族が交通事故に遭いました。高次脳機能障害の遂行機能障害の可能性があるとの診断でしたが,どのような障害なのでしょうか?
・交通事故に遭うと,視覚に異常が出ることがありますか?
・頭(脳)に怪我を負われた方の解決事例

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故で高次脳機能障害になるとどのような症状が出るのでしょうか?

2018年10月22日
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交通事故で高次脳機能障害になるとどのような症状が出るのでしょうか?

交通事故で高次脳機能障害になってから他人の言動が気になって仕方なかったが、リハビリテーションと薬物治療で症状が改善しました。





 交通事故:高次脳機能障害 




◆病名を告げられても自覚症状はゼロ




(31歳 男性会社員)
休日、趣味のロードバイクで山道を走行中、自動車と接触して転倒した結果、頭を強く打って意識がなくなり、病院に運ばれました。

病院に運ばれてまもなく意識が戻り、自分ではたいした怪我ではないと思っていたのですが、交通事故で頭を打ったということで、念のために頭部レントゲン撮影やCTなど、徹底的に検査を受けました。

その結果、脳の一部が傷付いていることがわかり、高次脳機能障害という診断名がつきました。

初めて聞く病名なので、さっぱり意味がわかりませんが、脳の障害という言葉の響きに不安を感じつつも、とりあえず日常生活に支障はないので、翌日退院して自宅に戻りました。

大げさな病名だけれど。自分としては、体調はいいし、何も困ったことはないと思っていました。

自覚症状がなくても、高次脳機能障害になるのでしょうか?
脳が損傷を受けたら、なんらかの自覚症状があるのが普通なのでは?










◆人の言動が気になってしかたがない




事故による欠勤は数日間で済み、会社に戻って順調に仕事をこなしていました。

ただ、以前よりも同僚の仕事ぶりが気になって、目に余るような行動や物言いに対しては、積極的に注意しました。

仕事に戻ってから2週間後に上司に呼び出されてお説教されました。
上司いわく「おせっかいもいいかげんにしろ」「でしゃばりすぎるぞ」「行動する前に良く考えろ」「相手を考えてものを言え」等々、叱責を受けました。
これには私も黙っていられません。

上司といえども、反論すべきところは反論すべし・・と、指摘された問題点はすべて勘違いで、自分の行動は正しいと思っていると、声たかだかに述べました。

むしろ、たんなる思い込みで部下を叱るという行動は誤りである・・反省して二度とそのようなことがないようにつつしんでほしいと上司に対して申し立てたのです。

上司はしばし絶句した後、自席に戻って良いと私に告げました。

その時点で、私の言動がただならない様子であるとわかったのでしょう。









◆病名を告げて理解を得る




翌日、再び上司に呼ばれ、事故で入院していた時の病名をたずねられました。

高次脳機能障害ですと答えたら、上司はうなずきました。

そして「きみは、自分の病気を受け入れていないね。病気による後遺症で言動が別人のように変わったことにも気付かずにいるだろう」と言われたのです。

上司の言うとおり、私は自分が高次脳機能障害であることは否定していましたが、言動が激変していたことは、指摘されるまで気が付きませんでした。


私は、上司の勧めでリハビリテーションと薬物治療を開始しました。

高次脳機能障害は、脳の損傷した箇所によっては言葉が乱暴で他者に対して批判的になることがあるのだと医師から言われました。

現在、薬とリハビリテーションによる効果が現れてきたようで、仕事をする上で問題のない程度に症状が収まっています。

仕事を続けるためにも、リハビリテーションを頑張ろうと思います。






▼参考記事
・妻が交通事故で高次脳機能障害になりました。どのような支援をすればよいでしょうか?
・交通事故により高次脳機能障害と診断されました。地域障害者職業センターについて教えてもらえますか?
・頭(脳)に怪我を負われた方の解決事例

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故による高次脳機能障害だと認めない夫に手を焼くようになりました。どうすればよいでしょうか?

2018年10月19日
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交通事故による高次脳機能障害だと認めない夫に手を焼くようになりました。どうすればよいでしょうか?

交通事故が原因の高次脳機能障害だと認めない夫に困っていましたが、無理に病名を認めさせる必要はないと医者から助言を受けました。





 交通事故:高次脳機能障害 




◆夫が後遺症を認めない




工場で管理職をしている53歳の夫は、会社の帰りに車ではねられて入院しました。

交通事故による頭部外傷は、はじめは自覚症状がなくても後遺症が残る可能性があるという説明を受け、病院でいろんな検査をしてもらいました。

しかし、本人は特に自覚症状もなく、いたって元気なので、2週間後に退院しました。
私も、怪我が軽くて済んだのは不幸中の幸いとほっとしました。


しかし、本当に困ったのは退院後です。
夫は、一か月間の休職後に復帰することになり、退院後は自宅療養で体調を整える予定だったのですが、夫が感情を抑えることができず、家族に八つ当たりをするので、家庭内の雰囲気が最悪でした。

もともと、夫はどちらかと言えば温厚な性格です。
それなのに、最近は、家族の言動にけちをつけ、一緒に外出すると、通りすがりの人にちょっとしたことで難癖を付けて激高するのです。
それも、歩道ですれ違う時に傘が当たりそうになったとか,スーパーマーケットのレジで、空いているレジに先に並ばれてしまったとか、些細なことばかりです。


こんなに性格が変わったのと、頭部外傷に何か関係があるのでは?と疑問を抱いた私は、しぶる夫を説き伏せて、何とか専門医に診察してもらうことに同意させました。


さまざまな検査を行った上での診断の結果は、高次脳機能障害が原因で、感情や行動に障害が出ているとのことでした。

ところが、夫は、病名も後遺症も認めません。
自分は昔からこういう性格だった、健康状態はいたって良いので医者の指図は不要と、医師の説明に耳を傾けようとしませんでした。








◆病名を受け入れることのむずかしさを痛感




夫が高次脳機能障害と診断されてつくづく感じたのは、病名を受け入れることのむずかしさとそれがいかに大事がということです。

病気と真剣に向き合わなければ病(やまい)を乗り越えて生きることはできません。

私は、主治医のドクターに、夫が高次脳機能障害という病名を認めないことを訴えました。
すると、病気であることを否認するのは、高次脳機能障害の症状の一つであり、珍しいことではないと言われました。

今後は、通院でリハビリテーションを続けながら、病名を受け入れ、認知機能の改善を目指すのが良いと提案されました。何より、今の時点で無理に病名を認めさせてはいけないとも言われました。



夫が、自分は高次脳機能障害ではないと信じ切っていることこそが、症状が現れている証明だったのですね。幸い、夫はリハビリテーションに通うことには同意してくれました。

もうすぐ、夫が復職する時期ですが、リハビリテーションを続けることで、感情や行動の障害が改善することに期待しています。






▼参考記事
・交通事故で高次脳機能障害になった時の支援について教えてください。
・交通事故で高次脳機能障害になった場合のリハビリテーションについて教えていただけますか?
・頭(脳)に怪我を負われた方の解決事例

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交通事故による高次脳機能障害で一時は夫婦仲が険悪になりました。

2018年10月18日
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交通事故による高次脳機能障害で一時は夫婦仲が険悪になりました。

交通事故で高次脳機能障害になったが,妻が性格の変化に気付くまで私は自覚症状がありませんでした。しかリハビリテーションで症状が改善しました。





 交通事故:高次脳機能障害  




◆病気のことで妻との言い争いが絶えない




(48歳男性会社員)
半年前に交通事故に遭い、救命救急で治療を受けた結果、1週間後には一般病棟に移り、2カ月後には退院できました。

医者の付けた病名は高次脳機能障害です。青信号が点滅している時に横断歩道を渡っていた時左折車にはねられて転び、頭を打ったのです。


とはいっても、体調はすこぶる順調、早く退院して会社でばりばり仕事をしたいという気持ちでしたし、特に自覚症状がないので、2カ月の間に完治したと思っていました。


ところが、退院して自宅で暮らし始めてからが大変です。
私としては、一日も早く復職したいと、近所をジョギングしたりして過ごしていましたが、ことあるごとに妻との言い争いが始まるのです。

食べ歩きが趣味でおいしいものを食べるのが何より好きな私は、ジョギングの帰りにスーパーマーケットに寄って食べたい食材を購入したり、気が向くと、以前から気になっていたカフェでくつろいだりするのが楽しみでした。
しかし、妻はそれが気に入りません。

スーパーマーケットで毎日パスタソースを5個買ってくるので家に30個もストックがあると言われます。

カフェでオムライスとコーヒー、パンケーキとフルーツパフェを注文したものの、あまりお腹がすいていないことに気づき、ほとんど食べずに店を出たこともあります。

カフェのレシートを見つけた妻は、そんな散財をするほどうちの家計に余裕はないと激怒しまし、財布を取り上げられてしまいました。

でも、大病をわずらった後、これくらいの楽しみは許されると思いませんか?









◆私の行動に疑問を抱いた妻が診察を予約




妻は、私の行動が尋常でないと感じ始めたようです。

金銭感覚が欠如しているようでは、職場復帰しても、スケジュール管理、書類管理など、仕事の基本でミスを犯すのではないか?
その原因は高次脳機能障害なのでは?と、妻は考えたのです。

妻は、しぶしぶ病院に行くことに同意した私と一緒に脳神経外科に診察に行き、もう一度脳について検査してもらいました。

その結果、行動障害という病名を告げられました。

高次脳機能障害による後遺症のひとつで、一般常識とはかけ離れた行動を取るが、本人にはその自覚がないのが特徴だそうです。

私は、このままの状態で仕事を再開するのではなく、リハビリテーションで行動障害の症状を改善してから職場の戻ってはどうかと提案され、同意しました。
妻は、私の人格が変わったのではなく、後遺症による行動変化だと知り、ほっとしたようです。

週3度の通院によるリハビリテーションを続けた結果、主治医から職場復帰OKのゴーサインをもらいました。

現在は、夫婦げんかをすることもないし、来月から仕事を再開することになり、明るい気持ちでいっぱいです。







▼参考記事
・交通事故に遭った後,歩くときにぶつかりやすくなったのはなぜですか?
・交通事故に遭うと,視覚に異常が出ることがありますか?
・頭(脳)に怪我を負われた方の解決事例

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交通事故により高次脳機能障害になった夫と帰宅時間が変わったことで大げんかするようになりました。何か対策はありますか?

2018年10月16日
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交通事故により高次脳機能障害になった夫と帰宅時間が変わったことで大げんかするようになりました。何か対策はありますか?

高次脳機能障害と診断された後で頑固な性格が激しくなった夫に手を焼き、医師の診断を受けると後遺症の症状だと説明を受け、リハビリテーションを開始することになりました。





 交通事故 : 高次脳機能障害 




◆頑固な夫がますます頑固に





夫は、以前から頑固な性格でしたが、自分の信念を曲げないという意味では男らしいと感じ、むしろ魅力の一つくらいに感じていました。しかし、事故で頭を打ってから、その頑固さに拍車がかかったのです。

医者の診断によると、夫は高次脳機能障害という病名で、脳に障害が残るが、日常生活に支障はないとのことでした。

見た目はごく普通ですし、医師から告げられた病名にはピンときませんでしたが、とりあえず日常生活を送るにあたっては問題がないというお墨付きを頂いて、安心して退院したのです。


ところが、家で生活する上で困ったことが頻発したのです。
退院後、これまでの生活習慣を守ることは良いことですし、それを否定する気はありません。
でも、度を過ぎてこだわりを持ったら、家族は困ってしまいます。


たとえば、5時に帰宅する予定だと夫に告げて趣味の歌唱サークルに参加しました。
練習会場へは路線バスで通います。
帰り道、にわか雨が降って来たのと交通事故の処理で道路が大渋滞、バスが遅れて帰宅は6時近くになりました。
すると、帰宅時間が1時間遅れたと激怒して、翌日までそのことを何度も蒸し返して怒っていました。



自宅前の道路が水道工事で掘り返されるという通知がチラシで届き、工事が始まりました。

騒音が室内まで響き渡りますが、それはお互いさま、いずれ工事は終わるしと思うのですが、夫は騒音を許せないのです。
庶民の暮らしを脅かすと、憲法の基本的人権まで持ち出し、市役所に談判に行くとまで言いだすのです。









◆これほど頑固なのにはわけがあると思い医師に相談



そこまで言い出すとは尋常ではないと危機感を抱いた私は、健康診断を理由に夫を病院に連れて行きました。

既往歴をたずねられ、高次脳機能障害と診断されたこと、最近の言動の激変について説明すると、高次脳機能障害の後遺症の一つとして、こだわりが強くなったり、感情のコントロールができなくなることがあると告げられました。

確かに、事故の前と後で夫のふるまいが変わったことは、それで説明が付きます。
健康診断で受診したのは町のホームドクターでしたが、脳神経外科のある病院に紹介状を書いてもらい、受診予約をしました。

高次脳機能障害による性格の変化と知り、不安で一杯だった気持ちが少し楽になりました。


夫が、専門医の指導を受けられると知り、それなら本格的に治療に取り組もうと前向きな気持ちを持ってくれているので気持ちが楽になりました。






▼参考記事
・家族が交通事故に遭いました。高次脳機能障害の遂行機能障害の可能性があるとの診断でしたが,どのような障害なのでしょうか?
・交通事故に遭った際,記憶障害を発症することがあるのはなぜでしょうか?
・頭(脳)に怪我を負われた方の解決事例

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弁護士費用特約は交通事故以外でも使えると聞いたのですが,他にどのような場合に使えますか?

2018年10月15日
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弁護士費用特約は交通事故以外でも使えると聞いたのですが,他にどのような場合に使えますか?

一般的な自動車保険の弁護士費用特約は、交通事故にしか適用されません。
ただ、個人賠償責任保険や医療保険、火災保険などにも弁護士費用特約がついていることがあり、そういったものの場合には広く日常生活のトラブルに特約が適用されることがあります。





 弁護士費用特約 




◆自動車保険の弁護士費用特約について



自動車保険の弁護士費用特約は、交通事故以外にも適用されるのでしょうか?

保険会社にもよりますが、従来の一般的な自動車保険の場合には、交通事故にしか特約が適用されないことが多いです。


ただし、自動車保険によっては「日常生活弁護士費用等特約」などの名称で、日常生活にも適用されるタイプの弁護士費用特約をつけられるケースがあります。

交通事故以外の日常生活のトラブルで弁護士が必要になった際には、加入している自動車保険の弁護士費用特約がどこまで適用されるのか、確認した方が良いでしょう。








◆自動車保険以外の弁護士費用特約について



あまり知られていないことがありますが、自動車保険以外の保険に弁護士費用特約がついていることがよくあります。

たとえば、火災保険や医療保険、個人賠償責任保険には、日常生活の事故や事件などで発生する弁護士費用が補償される弁護士費用特約をつけられるケースや自動付帯しているケースが多々あります。

もしもこれらの保険の弁護士費用特約をつけていたら、自動車保険に弁護士費用特約をつけていなくても、交通事故で弁護士に相談・依頼できます。

交通事故に遭ったとき、自動車保険を確認することはあっても医療保険や火災保険などは見直さないことが多いものですが、交通事故に遭ったときにも一度加入している保険内容を確認してみると良いでしょう。








◆どのような場合に弁護士費用特約が適用されるのか



日常生活に適用される弁護士費用特約は、交通事故以外の以下のようなケースで適用されます。


・離婚トラブル
・遺産相続トラブル
・隣家とのトラブル(ペット問題など)
・自転車同士の事故や自転車と歩行者の事故
(自動車が関与しない交通事故では自動車保険の弁護士費用特約が適用されない
ことが多いです)
・労災
・その他の損害賠償


ただし、本人の故意や重過失によって損害を発生させた場合などには、弁護士費用特約が適用されません。


日常生活で法的トラブルが起こったとき、弁護士費用特約を利用できたら無料または軽い負担で弁護士に相談できるので、大変心強いです。火災保険や医療保険、個人賠償責任保険などに弁護士費用特約を利用できるなら、忘れずに適用しましょう。





▼参考記事
・交通事故に遭った場合,弁護士を入れた方がいいですか。また,弁護士を入れるタイミングはいつですか?
・交通事故の損害賠償請求を弁護士に依頼すると裁判をすることになりますか?
・交通事故の注目の裁判例

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(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)
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