アディーレに依頼済のお客様が緊急に確認すべき事項

 
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アディーレに依頼済のお客様が緊急に確認すべき事項 

2017年10月11日,アディーレ法律事務所が業務停止2ヵ月の懲戒処分となりました。依頼済のお客様のうち,特に緊急ですべき行動をまとめました。

1 消滅時効期間に注意!
2 裁判の不服申立期間に注意!
3 分割払いの期限の利益喪失に注意!
4 被告事件の裁判の第1回に注意!





■アディーレ業務停止までの経緯と今後

 アディーレに依頼済のお客様:確認すべき事項 




◆時効期限の確認


法律上請求できる権利には消滅時効という制度があります。

一定期間が経過してしまうと権利を主張できなくなってしまいます。現在は時効ではないものの,業務停止2ヵ月の間に期間が経過してしまう可能性があります。

時効期限は微妙な問題が多いので専門家に相談した方がよいです。




以下の権利などは特に要注意です。

(1)過払い金返還請求権の消滅時効 
 一般には最終取引日から10年など

(2)交通事故の加害者への損害賠償請求権(任意保険会社への請求権)の消滅時効
 事故日から3年,症状固定日から3年など

(3)交通事故の自賠責保険への請求権の消滅時効
 事故日から3年,症状固定時から3年など

(4)残業代請求の消滅時効
 各支払日から2年など

(5)その他
 権利の種類に応じて1年,2年,3年,5年などの期間があります。また,期限内に請求書を送付済であったとしても,請求書が相手に届いた後6ヵ月を経過するとやはり権利の全部又は一部が時効となってしまうということもありますので,要注意です。





◆裁判の不服申し立て期間の確認


裁判で判決が出た事案の場合,判決文を受領してから2週間経過すると不服申立ができなくなってしまいます。

アディーレに判決文が届いている場合,お客様が判決文を受領していなくても2週間の計算がスタートしてしまいますので要注意です。

不服申し立て(控訴・上告)をするかどうかは専門家に相談して早急に決めた方がよいです。







◆分割払いの期限の利益喪失に注意


現在,アディーレで任意整理和解済の場合,分割払いの弁済代行をアディーレが行っているお客様がいるかと思います。

分割払いについて1〜2回支払いを怠ると期限の利益を喪失して一括払いとなってしまいます。

そのため,分割払いの支払い状況がどのようになっているか,詳細がわからない場合には各債権者に自ら問い合わせるなどの対応が必要かもしれません。







◆被告事件の裁判の第1回に注意


裁判を起こされた方の場合,被告事件の第1回期日に出頭せず,かつ,書面の提出もしない場合,自動的に原告の主張通りの判決がなされてしまうことがあります。

そのため,被告事件を依頼している方で第1回期日前の方は,裁判所に問い合わせをするなどして現在の状況を確認した方がよいです。




▼参考記事
・アディーレに依頼済のお客様が緊急に確認すべき事項
・アディーレ業務停止までの経緯と今後




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故で遷延性意識障害になりました。遷延性意識障害でも生活費控除が問題とされたことがあると伺いましたが,どういうことでしょうか?

 
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交通事故で遷延性意識障害になりました。遷延性意識障害でも生活費控除が問題とされたことがあると伺いましたが,どういうことでしょうか?




遷延性意識障害の後遺障害が残ったとき,生活費控除が行われないのが通常です。ただし,一部,生活費控除を行った裁判例が存在します。

遷延性意識障害で生活費控除を主張されても,被害者が存命中なのですから,そのような主張を受け入れるべきではありません。





 遷延性意識障害:生活費控除 



◆遷延性意識障害で認められる逸失利益とは


交通事故によって遷延性意識障害の後遺障害が残ったら,損害として後遺障害逸失利益を計上することができます。

逸失利益とは,後遺障害が残ったことにより,得られなくなってしまった将来の減収分のことです。




遷延性意識障害が残れば,当然働けなくなります。
労働能力喪失率は100%となり,症状固定時から就労可能年数分の後遺障害逸失利益を全額損害として算定できます。










◆遷延性意識障害の場合の問題点


ただ,被害者が遷延性意識障害になった場合,相手の保険会社からは「生活費控除を行うべきだ」と主張されることがあります。

生活費控除というのは,被害者に生活費が要らなくなるので,その分を逸失利益から差し引くべき,という考え方です。




通常,生活費控除が問題になるのは,死亡事故のケースです。
被害者が死亡すると,収入がなくなる一方,生活費がかからなくなります。そこで,死亡逸失利益を計算するときには,被害者にかかるはずだった生活費を控除します。


これが生活費控除の考え方です。

遷延性意識障害の場合には,被害者は死亡していませんが,単に寝ているだけだから普通の人ほど生活費がかからないだろう,などということから生活費控除を主張されるのです。







◆多くの裁判例の考え方


被害者が遷延性意識障害になっただけでも家族は相当ショックを受けますし,実際の負担も大変なものです。

それに加えて,生活費控除をすべきなどの主張をされると,まるで死亡事案と同じように扱われているようで,受け入れがたいと考えることが多いでしょう。




裁判所は,遷延性意識障害のケースで生活費控除を認めているのでしょうか?
この点,多くの裁判例では否定しています(仙台地裁平成21年11月17日,大阪地裁平成22年3月15日,神戸地裁平成16年12月20日,名古屋地裁平成14年1月28日など)。

よって,相手の保険会社が「遷延性意識障害だから,生活費控除をすべき」などと言ってきても,受け入れる必要はありません。








◆生活費控除を認めるものもある


裁判例の中には,遷延性意識障害のケースで生活費控除を行ったものもあります(東京地裁平成12年3月31日,広島地裁三次支部平成21年5月1日)。

このように,遷延性意識障害になると,法律的な議論が関わり,さらにそれが結論に大きな影響を及ぼすことが多いです弁護士によるサポートが肝要です。家族が交通事故で遷延性意識障害になってしまったら,一度,弁護士に相談してみてください。




▼参考記事
・遷延性意識障害を負われた方の解決事例
・遷延性意識障害について
・逸失利益・生活費控除について




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤 寿康)

交通事故の被害に遭い,後遺障害に認定されましたが,示談前に被害者が事故とは関係のない別の原因で死亡してしまいました。逸失利益に影響はありますか?

 
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交通事故の被害に遭い,後遺障害に認定されましたが,示談前に被害者が事故とは関係のない別の原因で死亡してしまいました。逸失利益に影響はありますか?

逸失利益には影響がなく,減額されることはありません。




 逸失利益 : 示談前に被害者が死亡した場合 



◆逸失利益は,就労可能年齢まで請求できるのが基本


交通事故で後遺障害が残り,労働能力が低下したとき,後遺障害逸失利益を請求することができます。

後遺障害逸失利益というのは,後遺障害が残ったことによって労働能力が低下したために,得られなくなってしまった将来の減収分のことです。




後遺障害逸失利益を計算するときには,いつまでの分を請求できるのかが問題となります。通常,人は一生働き続けるわけではないからです。

後遺障害逸失利益を計算するときには,「就労可能年齢」までの期間を考慮します。

一般的には67歳までが就労可能年齢とされているので,そこまでの分の後遺障害逸失利益を損害として計上することとなります(平均余命の半分までとされることもありますが,本件の議論から離れますので,以下は就労可能年数は67歳までという前提でお書きします。)。







◆事故後に別の原因で死亡しても,後遺障害逸失利益に影響しない


事故後に別の原因で死亡した場合,実際には67歳まで就労する可能性がなくなってしまったわけですから,67歳の就労可能年齢までの減収分である後遺障害逸失利益全額を損害として計上することができないのかとも考えられます。

この場合,症状固定から亡くなったときまでの分しか後遺障害逸失利益として計算できないのでしょうか?




裁判所は,そういった考え方はとっていません。

最高裁判所の平成8年4月25日の判決は,「交通事故で後遺障害が残った被害者の逸失利益を算定するとき,被害者が事故後に死亡したとしても,その事実は就労可能年数の算定に考慮すべきではない」と判断しています。


つまり,事故後示談成立前に被害者が死亡しても,その死亡した事実は無視して就労可能年数を算定し,後遺障害逸失利益を算定すべきだということです。




これは,法律上,交通事故が起こった時点において,すでに就労可能年齢までの後遺障害逸失利益が損害として発生しているので,その後に何が起こっても,すでに発生した逸失利益の金額には影響しない,という考え方があるためです。

そこで,本件でも,示談前に別原因で死亡したとしても,そのことと関わりなく,67歳までの分の逸失利益を損害として計上することができますもし,保険会社が「死亡時までの逸失利益しか支払いません。」と言ってきても,応じる必要はありません。




お読みいただいた感想はいかがでしょうか。「意外だな。」とお感じになった方もいらっしゃるかもしれません。

弁護士に相談する前に結論を決めつけてしまうのはあまりよくありません。どのようなことでも結構ですので,弁護士に相談してみてください。




▼参考記事
・死亡事故の解決事例
・死亡事故における慰謝料
・死亡事故の場合における生活費控除率




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤 寿康)

妻が交通事故に遭い,入院しました。私は,仕事を休んで病院で妻の付添いをしました。私の減収に関し,休業損害の賠償を受けることはできますか?

 
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妻が交通事故に遭い,入院しました。私は,仕事を休んで病院で妻の付添いをしました。私の減収に関し,休業損害の賠償を受けることはできますか?

この場合,付添看護費用と休業損害のどちらか高い方が支払われます。ただし,休業損害が支払われる場合には,職業付添人費用が限度となります。付添看護の必要性が認められることが前提です。




 近親者の付添看護:休業損害 



◆入院付添費用について


交通事故に遭い,被害者が負傷したとき,入院治療が必要になることも多いです。

この場合,誰かが付添看護を行う必要性があり,実際に付添看護がなされることがあります。

このときに付添看護をするのは,近親者やプロの付添看護人です。すると,付添看護費用が発生します。また,近親者が仕事を休んで付添看護を行った場合には,その休業損害が問題となります。




近親者が仕事を休んで付添看護をしたら,付添看護費用と休業損害の両方を請求することができるのでしょうか?

この点,両方を受けとることは難しいです。

法律的な考え方では,近親者が仕事を休んで付添看護を行った場合,「休業損害の金額と,近親者の付添看護費用のどちらか高い方によって賠償を行うべき」とされているためです。

そこで,ご相談のケースでは,休業損害の方が付添看護費用より高額であれば,休業損害が賠償の対象となります。







◆職業付添人の実費程度が上限


近親者が付添看護を行う場合の入院付添看護費用は,1日6500円程度です。

それでは,近親者の休業損害がどれだけ高額でも,1日6500円を超える限り,賠償の対象となるものなのでしょうか?

付添人の休業損害には上限が設けられています。




具体的には,職業付添人を雇った場合の一般的な実費相当額が上限とされています。
それを超える場合には,職業付添人を雇い,近親者は仕事を行った方が良いと考えられるためです。

そこで,本件でも,近親者の収入が高額で,1日あたりの基礎収入が高額になると,休業損害の全額の支払いを受けられなくなる可能性があります。







◆職業付添人による代替ができないケース


一般的な事案では,休業損害の金額が一般的な職業付添人の実費の金額を超えて認められることはありません。

しかし,近親者による付添が必須で,職業付添人による代替が不可能な場合には,「職業付添人を雇って近親者は仕事に行った方が良い」という前提が崩れます。

たとえば,子どもが被害者となって重度の傷害を負った場合で,親による入院付添看護が不可欠なケースが考えられます。そこで,そのような場合には,たとえ高額になっても近親者の休業損害が全額認められることがあります。




以上のように,近親者が付添看護をしたときの休業損害は,ケースによって計算方法を検討する必要があります。弁護士に相談してみてください。




▼参考記事
・交通事故の知識「通院』付添費」
・主婦の入通院付添費は,どのように計算されますか?
・当事務所の解決事例




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤 寿康)

交通事故で高次脳機能障害になりました。これからどうやって資料費を払っていけばいいのでしょうか?

 
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交通事故で高次脳機能障害になりました。これからどうやって治療費を払っていけばいいのでしょうか?

高次脳機能障害の治療費が高額になったら,高額療養費助成制度を申請する,後遺障害等級認定を受けて保険金を受け取るなどして生活の糧にしましょう。




 高次脳機能障害 : 治療費負担を軽減する方法 



◆高次脳機能障害にかかる医療費負担を軽減する方法は?


もし難病にかかった時は高額な医療費がかかるから,保険に入っておくと安心といった広告を目にすることがあります。

頭を打つなどして発症する高次脳機能障害は,完治しないといわれる病気ですから,難病と言って良いでしょう。

しかも,治る見込みがないということは,生涯に渡って治療費を払い続けなければならず,病気が原因で仕事を失ったら,どうやって医療費を払えばよいか途方に暮れるのではないかと不安に思われるでしょう。




確かに医療にはお金がかかります。

しかし,安心して下さい。
国の支援制度や保険制度により,患者さんの負担が軽減できる
のです。







◆後遺障害等級を申請する


高次脳機能障害の人の後遺障害等級は,軽度のものから重度のものまで多岐に渡します。




もっとも軽い等級は,通常の労務に服することはできるが,高次脳機能障害のため,多少の障害を残すものを認定する12級12号です。

もっとも重度の等級は,生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが,高次脳機能障害のため,労務に服することができないものとされる3級3号です。

他の部位にも重傷を負い,別の後遺障害等級を申請して認められた場合は,等級併合で3級より上位の等級になる場合もあります。




自賠責保険における後遺障害12級に対する保険金上限は224万円、3級に対する保険金上限は2219万円です。







◆交通事故の被害者の場合は損害賠償金を請求する


自賠責保険や労災保険の保険金は,後遺障害等級に基づいて金額が厳密に決まっていますが事故の加害者に請求する損害賠償金は,話し合いによって金額が変わります。

すなわち,交渉によって金額が多くもなれば少なくもなるということです。




これから高次脳機能障害に関する医療費を払っていくことを踏まえれば,十分な賠償金を得たいと思うのは当然であり,交渉を順当に進めるためにも,弁護士を代理人に指定して話し合いをすることをお勧めします。







◆高額療養費助成制度・限度額適用認定の適用を受ける


高次脳機能障害の治療のために,高額な医療費を払った場合は,高額療養費助成制度を申請できます。


限度額までは自己負担で,限度額を超えて医療費を支払った場合は,限度額適用認定を受けて助成金を受け取れます。
所得によって助成の内容が異なるので,お住まいの市町村にお問い合わせください。







◆傷病手当金を申請する


高次脳機能障害を発病したために会社を休んだが,事業主から十分な報酬が支払われなかった場合は,傷病手当金の支給を申請できます。

支給期間は1年半で,3日間連続して休んだ上で,4日目以降の休んだ日に対して支給されます。




▼参考記事
・入通院慰謝料
・入院2か月,通院1年の高次脳機能障害のご依頼者様が,保険会社提示金約660万円から弁護士介入で約2840万円を獲得した解決事例

・後遺障害等級について







(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故で高次脳機能障害を発症し,職場復帰が困難になりました。職探しはどのようにしたらよいでしょうか?

 
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交通事故で高次脳機能障害を発症し,職場復帰が困難になりました。職探しはどのようにしたらよいでしょうか?

高次脳機能障害が原因で職場復帰できなかったら,障害者就労支援センターなどで職探しができます。




 高次脳機能障害 : 職場復帰と職探し 



◆もとの仕事に戻りたいのに戻れなかったら?


高次脳機能障害は,交通事故などで頭部を強く打ったり脳内出血により,脳の組織の一部が壊れて起こる病気です。

人間の知能,感情,意識,行動などは,すべて脳がコントロールしていますから,脳の一部が少し壊れただけでも,その人の性格やものの考え方,五感などに変化が現れます。




日常生活を送るのに差支えない程度の軽度な脳の損傷なら,発病する前に就いていた仕事に戻ることが可能かもしれません。

むしろ,患者さん本人が,もうすっかりもと通り元気になった,この程度の後遺症なら十分働けるなど,自分の健康状態に自信を持って退院することも多いのです。




しかし,患者さん本人が気が付いていないことが良くありますが,高次脳機能障害の人は,短期記憶といって最近のものごとを覚えられなくなることがあり,仕事で重大なミスをする危険をはらんでいるのです。

対人関係を構築するのが苦手になる場合もあります。
いわゆる空気を読まない性格になり,相手が上司であろうと得意先であろうと,言いたいことをズバズバ言って嫌われてしまいます。

そうなると,仕事を続けることはもはや困難,違った働き場所を探さざるを得なくなります。仕事をする理由は,むろん対価として報酬を得るということがありますが,それ以外に,社会とつながることができるというメリットもあります。

仕事に復帰できないからといって家に閉じこもっていたら,気持ちも滅入りますし,自分自身の存在価値を見出せなくなってふさぎ込むかもしれません。

高次脳機能障害を発症したために,以前の職場で仕事を再開できなくても,新たな仕事を見つけてみませんか?
そのための支援制度が用意されています。










◆障害者の就労をサポートする機関を利用しよう


仕事探しというとハローワークを思い浮かべる人も多いでしょうが,高次脳機能障害の人が仕事を探す場合は,後遺障害に理解があり,積極的に支援をしてくれる他の機関があります。

支援機関は,地方自治体によって名称が異なりますが,障害者就労支援室,障害者就労支援センター,障害者就労促進協会,障害者就労・生活支援センターなどの名称で活動を行っています。




これらの機関で求職活動を行う利点は,高次脳機能障害に理解のある担当者が話を聞いてくれることです。

高次脳機能障害は,その人ごとに症状が異なるので,相談者を理解して,就労可能な職場を探すことを手伝ってくれます。




▼参考記事
・高次脳機能障害の就労支援機関にはどのようなものがありますか。
・社会復帰のために誰に相談すればよいでしょうか。
・仕事を再度始めたいと考えていますが,どのように始めればよいですか。




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

息子が交通事故に遭い,高次脳機能障害になりました。看護する家族側を支援する制度はありますか?

 
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息子が交通事故に遭い,高次脳機能障害になりました。看護する家族側を支援する制度はありますか?

高次脳機能障害の家族の看護に疲れたら,レスパイトケアと呼ばれる短期入院サービスを利用して家族がリフレッシュすることを考えみませんか?




 高次脳機能障害 : 看護する家族の休息 



◆高次脳機能障害は本人も家族も大変


交通事故などが原因で高次脳機能障害を発症した場合,一番つらいのは病気をわずらう本人ですが,それにおとらず家族も大変な思いをします。

というのは,患者さん本人が病気であることを自覚しないことがありがちなのです。

病気を自覚していないにもかかわらず,以前と同じ動作ができない,知見も低い,言動がおかしい,感情の起伏が激しくなる,家族に暴言を吐く・・たとえ病気が原因であるとはいえ,退院後,以前とは違う家族の姿に困惑し,世話をするのは,並大抵のことではありません。

しかも,高次脳機能障害は完治が望めない病気なので,いったん家族が発病したら,一生その世話をし続けなければならず,家族の感じる重圧感は相当なものでしょう。







◆レスパイトで元気を取り戻そう


このように,家族が大きな負担を強いられて疲労を蓄積させていくことは,重い病気だけでなく,介護,育児などの分野でもよくあることです。

そこで,最近になって,医療の分野では「レスパイトケア」という考え方が定着し始めました。レスパイト(respite)とは、英語で休息という意味です。

乳幼児や高齢者,障害者などを自宅でケアしている家族が休みを取ってリフレッシュするのがレスパイトケアです。




考えてみてください!
高次脳機能障害の家族は,365日後遺症のある家族の面倒を見なければならず,息抜きをする暇がないのです。

しかし,レスパイトケアをするには,高次脳機能障害の患者さんをいずれかの施設に預けなければなりません。単なるホテルへの宿泊では,万一のときに医療サービスを受けられず心配ですし,全額個人負担で費用もかさみます。

レスパイトケアを提供している医療機関は,使用できる日数に上限を設けていますが,健康保険や介護保険の利用が可能なため,低額でサービスを利用できます。

レスパイトケアは,1〜2泊と短期間であり,すぐ家に戻って来られることを患者さんに理解してもらうよう努めましょう。なぜ患者さんが短期入所することになるのか,本人が納得すれば,レスパイトケアは成功と言って良いでしょう。




患者さん自身にとっても,毎日家で単調な暮らしをしていたところ,短期入所によって生活に変化が訪れたことが良い刺激になる場合もあります。レスパイトケアは,障害者支援施設などが積極的に行っています。




高次脳機能障害の家族との暮らしにちょっと疲れたら,レスパイトケアの利用を考えてみるのも良いのではないでしょうか?




▼参考記事
・高次脳機能障害者の家族を支援する制度にはどのようなものがありますか。
・高次脳機能障害と家族の会
・高次脳機能障害を負われた方の解決事例




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故で高次脳機能障害になりました。自宅から施設に通ってサービスを受ける方法はありますか?

 
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交通事故で高次脳機能障害になりました。自宅から施設に通ってサービスを受ける方法はありますか?

交通事故で高次脳機能障害になったが、施設に入院するほどでない人は、通所サービスで機能回復訓練を行うのも選択肢の一つです。




 高次脳機能障害:通所サービスとは



◆高次脳機能障害と通所サービス


通所サービスという言葉,あまりなじみがないかもしれません。

ひとことで言うと,施設に入った病院に入院せずに,自宅から施設に通って機能回復訓練などができるサービスのことです。

介護保険では,通所サービスがさかんに行われていますが,高次脳機能障害になった人が利用できる通所サービスがあるということは,知らない方もいらしたのではないでしょうか?

介護保険では,いわゆるデイサービスと呼ばれる通所による各種の福祉サービスがさかんに行われていますが,介護保険は,64歳以下の人でも,国が指定する特定疾病にかかっていない限り65歳以上でないと利用できません。

64歳以下の人が交通事故で高次脳機能障害になり,通所サービスを利用したい場合は,他の手段を考えなければいけません。







◆施設に入って暮らすことを望まなければ通所サービスの利用を考えよう


怪我をして病院で治療を受け,ひとまず症状が落ち着くと,その後どこで暮らすかと言う問題が重くのしかかります。

日本の健康保険制度は,救急病院に入院して2カ月以上経つと,転院を促されるシステムになっているのです。

法律で2カ月以上同じ施設に入院してはいけないと決めているのではないのですが,2カ月以上経過すると,病院が受け取る診療報酬が極端に減るので,転院をうながされるのです。




ひとくちに高次脳機能障害と言っても,症状が軽く,療養施設で入院生活を送らなくても,自宅に戻って定期的にリハビリテーションを行うことが可能な人もいます。そのような人の選択肢が,通所サービスです。

たとえば,機能訓練の一環として行うリハビリテーション,言語聴覚士が行う失語症のリハビリテーション,軽作業をすることによる手先の訓練やコミュニケーションの向上など,施設によって提供するサービスはさまざまです。

ただ,高次脳機能障害の患者さんに特化して通所サービスを行う施設は非常に限られており,他の後遺障害を持つ人々と共に訓練を行うことを念頭に置いて,サービスの利用を検討した方が良いでしょう。







◆高次脳機能障害向け通所サービスを行っている施設の種類


高次脳機能障害の人が利用できる通所サービスは,高次脳機能障害支援センター,福祉センター,地域活動支援センター,心身障害者福祉センター,身体障害者福祉センターなど,さまざまな名称の機関で行っており,活動の中心は地方自治体です。

就労支援を積極的に行っている施設もあります。
後遺症が原因で以前の職場に戻ることが困難だが、ふたたび定職に就いて社会と関わりを持ちたいという方は、就労に移行することを前提の作業を重視する通所サービスを利用するのも選択肢の一つと言えるでしょう。




ご自分のお住まいになる地域で,高次脳機能障害の人向けの通所サービスが実施されているかどうか,市町村役場に問い合わせてみてはいかがでしょうか?




参考
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shinsho/kojino/tusho.html

▼参考記事
・市などによる障害福祉サービスにはどのようなものがありますか。
・高次脳機能障害の就労支援機関にはどのようなものがありますか。
・高次脳機能障害の解決事例




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故で高次脳機能障害になった患者が,選ぶべき病院は何処ですか?

 
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交通事故で高次脳機能障害になった患者が,選ぶべき病院は何処ですか?

交通事故などが原因で高次脳機能障害になった人のために、高次脳機能障害情報・支援センターは、治療に力を入れている医療機関の一覧を公開しています。




 高次脳機能障害: 病院選び 



◆病院を選ぶことの大切さ


高次脳機能障害は,交通事故などで頭部に強い衝撃を受けたことが,原因で脳の組織の一部が破壊されたために発病する病気です。

脳外科,脳神経科,精神科,リハビリテーション科など,複数の診療科目をまたいで治療を行います。

複数の診療科目が情報を交換しあって,互いに連携することにより,質の高い治療を行うことができるのです。

さらに,リハビリテーション科では,理学療法士,言語聴覚士,作業療法士など,国家資格を持ったセラピスト(療法士)が医師の指導のもとに機能回復訓練に携わります。




一般に,破壊された脳の組織は復元されないので,高次脳機能障害は完治しないと言われていますが,症状を軽くするためにできる治療があります。

そのためには,高次脳機能障害に詳しい病院を選ぶことが,症状回復への道をたどることができるかどうかの鍵を握っていると言えるでしょう。




高次脳機能障害の特徴は,発症した直後の症状が一番重いことです。

たとえば,怪我をして救急病院に運び込まれて応急処置を施されてから1週間は,妄想があり,言葉もはっきりしなかったのが,徐々に意識が鮮明になり,会話ができるようになるなど,時間の経過とともに,症状が落ち着いてきます。

ですが,だからといって,何も特別な治療を受けなくても,健康を取り戻すことができると思ってはいけません。急性期に現れた症状が,やがて消えても,他の症状が慢性化して患者さんとその家族を悩ますのです。

高次脳機能障害と診断されたら,できるだけ早い時期に,専門病院を探して本格的な治療を受けるべきだと言えるでしょう。







◆公的機関が発信する情報を受け取ろう


平成23年に発足した高次脳機能障害情報・支援センターは,高次脳機能障害に関す情報を発信する国の機関です。

全国の病院のなかでも,特に高次脳機能障害の治療と患者さんの支援に力を入れている施設を「高次脳機能障害支援拠点機関」として,公開しています。




急性期(怪我をした直後の治療)のみ対応している病院,回復期(急性期を脱した時期)や維持期(症状が落ち着いて病態が慢性化する時期)にも対応している病院など,それぞれに施設によって特色があります。初診にも対応しているかどうかも,公開データで確認することができます。

都道府県別に検索できるので,先進医療は大都市でないと受けられないのでは?と心配せずに,高次脳機能障害情報・支援センターの医療機関一覧を参考に,受診する病院を探してはいかがでしょうか?




▼参考記事
・病院選びはどのようにしたらよいですか。
・交通事故と治療Q&A
・解決事例:事故後すぐに当事務所が関与し,高次脳機能障害の専門医のいる医療機関を紹介し,症状改善と適正な賠償金を獲得した事例




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故で高次脳機能障害と診断されました。脳のために普段の生活で,気をつけた方が良いことはありますか?

 
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交通事故で高次脳機能障害と診断されました。脳のために普段の生活で,気をつけた方が良いことはありますか?

高次脳機能障害と診断されたら,これまで以上に脳を大事にしたいですね。脳のエネルギー源である糖質は,野菜や肉,魚を食べた後に摂ると脳に負担がかかりません。




 脳の健康と食べる順番 




◆脳の健康と血糖値


高次脳機能障害は,交通事故などによる外傷が原因で脳の組織の一部が傷ついて,脳が本来になっていた機能を失う病気です。

いったん破壊された脳細胞は再生しないので,破壊された脳が元通りになることはなく,高次脳機能障害になった人は,健康な時より少ない脳の組織で生きていくことになります。




そうなれば,これまで以上に脳の健康を気にかけて,脳の栄養になる食品を積極的に食事に取り入れていきたいですね。

ここで注意していただきたいのは,いろいろな食品を食べる順番です。体に良いからといっても,食べる順番を誤れば,脳に負担をかけることになります。

食品を摂る正しい順番と脳の健康について知っておきましょう。







◆脳の機能の安定には血糖値が深く関わっている


高次脳機能障害の人が脳に負担をかけない食事をしようと思ったら,血糖値を一定に維持するような食事の方法を工夫しましょう。


空腹時に糖質をたくさん含んでいる食品を食べると,血糖値が急上昇します。体は血糖値を下げようとして,すい臓からインスリンを分泌します。インスリンのおかげで血糖値は急激に低下しますが,その結果,糖質が不足して,本来糖を必要としている肝心の脳に,糖分が行かなくなり眠くなってしまうのです。 

脳は,エネルギー源である糖質が不足したと判断し,血糖値を上げるように指令を出します。その結果,血糖値を上げる働きのあるアドレナリンやノルアドレナリンなどが分泌されます。
しかし,過度なアドレナリンやノルアドレナリンの分泌は,イライラの原因となり精神を不安定にします。


このように,空腹時に糖質をたくさん食べると血糖値の乱高下を招き,脳に負担をかけます。空腹のとき,糖質をいそいで食べるのは控えましょう。




なお,精製された食品と比べると,未精製の食品は血糖値の上昇が遅いことがわかっています。
高次脳機能障害の人は,脳の機能の安定のためにも,未精製食品を積極的に食べましょう。未精製食品とは,玄米や全粒粉のことです。







◆食べる順番と健康


食べる順番も,脳の健康と深く関わっています。




糖質を含むご飯やパンから食べる習慣を改め,野菜から食べるように心がけましょう。
野菜には食物繊維が含まれていますが,食物繊維には,血糖値の上昇をゆるやかにする作用があります。

まず野菜から食べ,そのあとで主菜の肉や魚,その後でご飯を食べれば,同じ量の糖質が体に入っても血糖値の急激な乱高下を予防できます。




【脳と栄養 参考URL】
https://www.karadakarute.jp/tanita/diet/diet043.jsp
http://column.asken.jp/purpose/purpose-8748/




▼参考記事
・高次脳機能障害を負われた方の解決事例
・よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」:事故後の人生
・高次脳機能障害 Q&A




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)
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プロフィール
弁護士法人よつば総合法律事務所
地域最大級の弁護士14名が所属しております。事務所名の「よつば」は事務所に関わる人が皆幸せになるようにとの思いから名付けました。お気軽にご相談ください。
柏事務所:千葉県柏市(柏駅徒歩3分)
千葉事務所:千葉市(千葉駅徒歩3分)

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