営業で出かけているときに交通事故に遭って怪我をしました。会社は,「交通事故だから加害者に賠償させるべき。」と言って労災の手続に協力してくれません。会社の協力がなければ労災は使えないですか。何か方法はありますか?

2018年09月25日
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営業で出かけているときに交通事故に遭って怪我をしました。会社は,「交通事故だから加害者に賠償させるべき。」と言って労災の手続に協力してくれません。会社の協力がなければ労災は使えないですか。何か方法はありますか?

労災は,会社の協力がなくても申請・利用できます。労災の請求書に「会社が手続きに協力しない」ことを書いて提出すれば受け付けてもらえます。




 交通事故 : 労災 




◆労災とは




交通事故が「労災」に該当するケースがあります。労災とは,業務に起因して労働者が怪我をしたり病気になったりすることです。


労災が発生すると,労働者は「労災保険」により,さまざまな給付金を受け取ることができます。


たとえば,療養補償給付(治療費),休業補償給付,障害補償給付(後遺障害の逸失利益),介護補償給付などが支給されますし,労働者が死亡したときには葬祭料,遺族補償給付が支給されます。










◆労災の申請方法




労災保険を適用してもらうためには,労働基準監督署に対して労災給付の請求を行い,労災として認定されなければなりません。

労災給付の請求書には,会社が記名押印して,記載内容を証明する欄が設けられています。

ところが,会社が労災申請に非協力的な場合には,労災の請求書への記名押印を拒絶することがあります。
そうすると,労災の請求書が完成しないので,労働基準監督署へ提出できないと考えてしまう労働者の方が多数おられます。








◆会社が協力しない場合の対処方法




実は,労災の請求書は,会社の協力がなくても作成できます。
確かに会社による記名押印による証明部分がありますが,この欄については記入が必須ではないからです。

会社が協力しないことが多々あることは行政側も理解しているので,会社が記入を拒絶した場合には,その旨記載しておけば,そのまま申請書を受け付けてもらえます。

その場合にも,通常通り症状や労災の状況についての調査が進み,きちんと労災であることが証明されれば労災認定されますし,労災給付金も支給されます。

労災が認定されても雇用者が給付金を支払うわけではないので雇用者は労災申請を嫌う理由はないはずですが,労働時間の管理や健康管理などがきちんとできていない企業では,労基署の目に触れることをおそれて労災申請に消極的なケースがあります。

そのようなときでも,交通事故が労災に該当するなら,労働者には権利があるのできちんと労災給付金の支給を受けましょう。



弁護士が労災申請の代行を行うことも可能なので,業務中や通退勤の途中で交通事故に遭われた場合,是非とも一度,ご相談下さい。





▼参考記事
・交通事故の労災(業務災害・通勤災害)の後遺障害等級認定手続について教えてください。誰がどのように認定しているのですか?
・交通事故の労災保険の時効は何年ですか?
・交通事故に遭いました。労災の費目拘束と過失割合は,どんな関係がありますか?

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(よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤寿康)

交通事故で傷跡が後遺障害として残ったときの後遺障害逸失利益と後遺障害慰謝料について教えてください。

2018年09月21日
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交通事故で傷跡が後遺障害として残ったときの後遺障害逸失利益と後遺障害慰謝料について教えてください。

傷跡が後遺障害になるケースには,外貌醜状や上肢,下肢の醜状痕の障害などがあります。
これらの後遺障害が残っても労働能力が低下しないので逸失利益が否定される可能性がありますが,その分慰謝料が増額されるケースが多いです。





 交通事故 : 傷跡の後遺障害 




◆醜状痕の後遺障害とは



交通事故で,傷跡が後遺障害として認定されるケースがあります。

傷跡の後遺障害は,外貌醜状その他の醜状痕に分けられます。



外貌醜状とは,頭や顔,首の露出する部分に傷跡やアザ,組織陥没などが残る後遺障害です。
外貌醜状以外の醜状痕は,上肢や下肢,腹部や背中部,胸部やお尻に傷跡が残った場合の後遺障害です。


外貌醜状の場合,7級,9級,12級のうちいずれかに認定され,その他の醜状痕の場合には12級または14級が認定されます。









◆後遺障害逸失利益が否定・減額される




一般的に,交通事故で後遺障害が残った場合には,加害者に対して「逸失利益」を請求できます。

逸失利益とは,後遺障害が残って労働能力が低下したために,得られなくなってしまった将来の収入です。

後遺障害が残ると,一般的には身体が不自由になって,それまでのようには働けなくなるので,将来の減収分が発生して,相手に損害賠償を求めることができるのです。

ところが外貌醜状や醜状痕の場合,身体は不自由にはなりません。単に見た目で傷跡が残っているだけです。

そこで,労働能力は低下しないと考えられて,逸失利益を否定されるケースが多いです。

また,認めてもらえたとしても,基準の労働能力喪失率よりも低い割合で計算をされて,標準的な逸失利益の金額より減額される可能性が高いです。









◆後遺障害慰謝料が増額される



それでは,外貌醜状や醜状痕障害の場合,逸失利益が否定されたらそのまま受け入れるしかないのでしょうか?

実は,このようなとき「慰謝料の補完作用」が働きます。

慰謝料の補完作用とは,逸失利益などの他の損害が認められなかったり減額されたりした場合に,補完的に慰謝料が増額されることにより,全体としての賠償金額を調整する機能です。

外貌醜状や醜状痕の場合,たとえ身体が不自由にはならなくとも,本人は大きな精神的苦痛を受け,外に出たり人前に出るのが嫌になったりする方もたくさんおられます。そこで,慰謝料の補完作用として,一般的なケースよりも慰謝料が増額されるのです。



醜状障害で保険会社と示談交渉をするときには,逸失利益を否定されることが多数です。そのような場合,反論して逸失利益を一部認めさせることができるケースもありますし,それができなくても慰謝料を増額させられる可能性が高いです。


交通事故で外貌醜状や醜状痕の障害に悩まれている場合,一度弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・交通事故の醜状障害と後遺障害逸失利益について教えてください。
・後遺障害等級について
・交通事故と慰謝料のすべて

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(よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤寿康)

交通事故時の胎児の損害賠償請求権があると聞きました。詳しく教えてください。

2018年09月19日
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交通事故時の胎児の損害賠償請求権があると聞きました。詳しく教えてください。

交通事故時に胎児でも,その後無事に生まれてきたら損害賠償請求ができますが,流産や中絶によって生まれてこられなかった場合,損害賠償請求はできません。




 交通事故 : 胎児の損害賠償請求 




◆胎児の損害賠償請求について




交通事故で損害賠償請求ができるのは,交通事故が「不法行為」になるからです。

そして法律上,不法行為にもとづいて損害賠償請求ができるのは「人」であると理解されています。ところが胎児は,生まれる前の段階であり,まだ「人」にはなっていないと考えられています。

そこで,胎児自身が不法行為にもとづく損害賠償請求をすることはできません。

ただし,民法は「胎児は,損害賠償請求については,既に生まれたものとみなす」(民法721条)と規定しています。

つまり,不法行為時に胎児の状態であっても,生まれたものと同じ扱いにしてもらえて,「人」として,損害賠償請求ができる可能性があるということです。










◆胎児が生まれてきた場合



交通事故後,胎児が無事に成長して生まれてきた場合には,何の問題もありません。
胎児自身に損害賠償請求権が認められ,加害者に賠償を求めることができます。

たとえば交通事故により,胎児自身に後遺障害が残った場合には,後遺障害慰謝料や逸失利益などを請求できる可能性があります。









◆胎児が流産,中絶,死産になった場合



これに対し,流産したり中絶したり,死産となって胎児が無事に生まれてこなかったケースも考えられます。

これらの場合には,胎児は,民法721条によっても,生まれたものとみなしてもらえません。
生まれたとみなしてもらえるのは,後に実際に生まれたことを前提とするものであり,生まれなかったものまでも,「生まれた扱いにする」わけではないからです。


妊婦さんは交通事故のショックで流産したり死産したりすることもありますし,治療のためにやむなく中絶することも頻繁にありますが,そのような場合,胎児の損害賠償請求は認められません。









◆母親の慰謝料増額事由となる




それでは,胎児が流産したり中絶,死産によって生まれてこられなかったりした場合,加害者には何らの責任もないのでしょうか?

確かに,胎児は生まれていない以上,胎児自身の損害を観念することはできません。


しかしこのような場合,母親は大変な精神的苦痛を受けるものです。そこで,母親の慰謝料を増額することにより,胎児が失われた損害が一定程度填補されます。

ただし胎児は人ではないので,増額される慰謝料の金額は,人の死亡慰謝料ほどの金額には到底及びません。



交通事故当時妊娠していた場合,その後の治療方法や胎児の取扱いなどについて,さまざまな問題が発生しやすいです。迷われた際には,お気軽に弁護士にご相談下さい。





▼参考記事
・交通事故の損害賠償の基準がいくつかあると聞きました。具体的に教えてください。
・交通事故による後遺障害の解説
・千葉 弁護士による交通事故の無料相談

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交通事故に遭いました。加害者の刑事裁判の被害者参加について教えてください。また,加害者が未成年者だったときについてはどうなりますか?

2018年09月18日
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交通事故に遭いました。加害者の刑事裁判の被害者参加について教えてください。また,加害者が未成年者だったときについてはどうなりますか?

交通事故の被害者は,加害者の刑事裁判に「被害者参加」をして,さまざまな形で加害者の裁判に関わることができます。加害者が未成年者の場合にはそもそも裁判が開かれないので被害者参加できませんが,被害者保護のための制度が用意されています。




 交通事故 : 加害者の刑事裁判の被害者参加 




◆被害者参加制度とは




人身事故を起こした場合,加害者には過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪が成立するので,起訴されて,刑事裁判で裁かれる可能性があります。

その場合,被害者は加害者の刑事裁判に「被害者参加」できます。





被害者参加する場合,被害者は以下のような形で加害者の刑事裁判に関与することが認められます。

【検察官の権限行使に対する意見の申述】
被害者参加人は検察官に対し,その事件で検察官が権限を行使する方法について意見を述べ,説明を求めることができます。

【証人尋問】
被害者参加人は,被告人が申請した情状証人に対し,証人尋問をすることができます。尋問内容は情状に関する事実に限られます。

【被告人質問】
被害者参加人は,被告人に対して尋問できます。このときには,犯罪事実についても尋ねることができます。

【心情意見陳述】
被害者参加人が裁判官やその他の関係者に対し,自分の心情を申述することです。
意見陳述の内容は証拠にはなりませんが,量刑判断の資料になります。

【被害者論告】
被害者参加人は,裁判官に対して事実や法律の適用についての意見を述べることもできます。この場合には,単なる心情だけではなく,具体的な求刑などについての希望を述べることができます。









◆被害者が少年審判に関わる方法




以上に対し,加害者が未成年の場合には,刑事裁判にはなりません。秘匿性の高い少年審判の手続きが開かれるので,被害者参加は認められていません。


ただし,被害者保護のため,以下のような手続きがもうけられています。

まず,被害者はその事件の記録を閲覧したりコピーして入手したりすることができます。

また,被害者として,家庭裁判所に対して意見を述べることも可能です。意見陳述の方法には,以下の3種類があります。

・審判の場で審判官に対して述べる
・審判以外の場で審判官に対して述べる
・審判以外の場で調査官に対して述べる



さらに,審判結果の通知を受けることが可能です。
通知される内容は,以下のとおりです。

・加害少年と法定代理人(親など)の氏名と住居
・審判の年月日
・審判による処分内容
・審判理由の要旨


これらの被害者保護の制度を利用するためには,家庭裁判所への申出が必要です。





交通事故に遭ったとき,加害者の処分に対しても関心が高まるものです。弁護士が被害者参加のお手伝いをすることも可能なので,よろしければ一度ご相談下さい。









▼参考記事
・交通事故の加害者が不起訴になりましたが,納得できません。加害者が罰金の略式命令を受けたことが納得できないときは何か方法はありますか?
・交通事故の加害者が逃げてしまいました。加害者が誰であるか分かりません。何か方法はありますか?
・よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」

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交通事故によりけがをしました。そのために勤務先を退職したり解雇されたりしたとき,休業損害や逸失利益はどうなりますか?

2018年09月14日
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交通事故によりけがをしました。そのために勤務先を退職したり解雇されたりしたとき,休業損害や逸失利益はどうなりますか?

交通事故が原因で退職したり解雇されたりした場合,その後の休業損害や逸失利益が認められるケースがあります。そのためには,交通事故がなければ退職・解雇されることがなかったという因果関係が必要です。




 退職・解雇後の休業損害,逸失利益 




◆退職・解雇された場合にも休業損害が認められる




交通事故で怪我をすると,働けなくなって自主的に退職したり,解雇されてしまったりすることがあります。そのようなとき,退職や解雇後の休業損害を加害者に請求できるのでしょうか。

休業損害は,怪我の治療のために仕事を休まなければならないときに得られなくなってしまった収入です。そうであれば,休業損害が認められるのは,仕事を辞めるまでの間になるはずです。辞めてしまったら「本来収入を得られた」という前提がなくなるからです。

しかし,退職や解雇が交通事故のせいでなされたケースでは,話が違ってきます。その場合,交通事故がなかったら仕事を辞めることはなく,そのまま収入を得られたはずだといえるからです。

そこで,交通事故のせいでやむなく退職に追い込まれた場合や解雇されてしまった場合には,退職や解雇後の休業損害が認められます。



ただし,交通事故後の退職や解雇であっても,それが本人自身の判断や責任による場合には,休業損害は認められません。その場合,交通事故が原因とはいえないからです。

たとえば,上司とトラブルになって辞めたとか,条件が悪いので辞めたなどの理由では,退職後の休業損害請求ができません。









◆退職・解雇された場合に休業損害が支払われる期間




退職や解雇された後休業損害を計上できる期間は,再就職するまでにかかる相当な期間とする余地があります。

通常,休業損害が計上できるのは,症状固定までに発生した分ですが,退職・解雇に至ったときは,症状固定後直ちに就職出来るとは限りません。症状固定後数か月間の休業損害が認められた裁判例があります。









◆退職・解雇後の逸失利益について




それでは,交通事故が原因で退職・解雇されたときの逸失利益はどうなるのでしょうか?

逸失利益は,後遺障害によって労働能力が低下したことによる将来の減収です。

その場合の逸失利益の金額は,事故前の収入を基礎として,就労可能年数分(通常は67歳になるまでの分)を計算します。労働能力喪失率は,通常,後遺障害等級に応じて決められます。



以上のように,交通事故のせいで退職・解雇された場合には,休業損害も逸失利益も計上できます。「交通事故のせいで」といえるかどうかは,事案によって変わってきます。

「交通事故のせいで」といえるかどうかは,簡単に判断がつく問題ではなく,大いに問題となりえます。その前に,対応に迷われたときには,お気軽に弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・交通事故に遭い,療養や通院のため有給休暇を取得したとき,休業損害になることがあると聞きました。療養や通院のために病気休暇を取得したときも休業損害として賠償の対象となりますか?
・交通事故に遭った際の基礎収入について質問です。休業損害を算出する際と後遺障害逸失利益を算出する際の基礎収入は同じですか?
・交通事故と慰謝料のすべて

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交通事故で重度後遺障害が残った被害者の近親者の慰謝料について教えてください。

2018年09月12日
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交通事故で重度後遺障害が残った被害者の近親者の慰謝料について教えてください。

重度の後遺障害が残った場合,一定の範囲の近親者には固有の慰謝料が認められます。固有の慰謝料は,本人の慰謝料とは別に認められるので,合計すると慰謝料の金額が全体的に高額になる可能性があります。




 交通事故 : 近親者の慰謝料 




◆近親者固有の慰謝料が認められる基本的なケース




交通事故が発生したとき,被害者本人ではなく,近親者にも固有の慰謝料が認められるケースがあります。

交通事故で死亡などの重大な結果が発生すると,本人だけではなく近親者も大きな精神的苦痛を受けるからです。

交通事故は1種の不法行為ですが,民法は,被害者が死亡したときに親や子ども,配偶者に固有の慰謝料請求権を認めています(民法711条)。


条文上,近親者に固有の慰謝料が認められるのは,被害者が死亡したケースであり,固有の慰謝料が認められる近親者は,父母や配偶者,子どもとされています。









◆重度後遺障害の場合にも近親者に慰謝料が認められる



民法が条文上,親族固有の慰謝料を認めているのは,被害者が死亡した場合のみであり,重大な後遺障害が残ったケースはこれに含まれていません。

しかし,たとえば被害者が植物状態になってしまったり全身が麻痺してしまったり,自分では何もできない状態になってしまったりしたら,親族は死亡したのと同じように強い精神的苦痛を感じるでしょう。

そこで,実際には被害者に重大な後遺障害が残った場合にも,近親者固有の慰謝料が認められると考えられています。

具体的には,後遺障害の等級が1級や2級に相当するケースではほとんどのケースで親族固有の慰謝料が認められます。

3級の場合でも,親族に介護の負担がかかるケースなどでは近親者の慰謝料が認められやすいです。









◆重度後遺障害で固有の慰謝料が認められる「近親者」の範囲



それでは,固有の慰謝料が認められる「近親者」とは,具体的にどのような人なのでしょうか?

条文上は,「親と子ども,配偶者」とされています。

ただ,実際にはこれら以外の人であっても被害者の受傷によって精神的苦痛を受けることがあるので,内縁の配偶者や兄弟姉妹,祖父母などにも固有の慰謝料が認められる可能性があります。









◆後遺障害慰謝料の金額について




近親者固有の慰謝料が認められる場合,その金額はいくらくらいになるのでしょうか?

近親者と被害者の関係や介護の状況,被害者に残った後遺障害の内容や程度によっても異なりますが,50万〜数百万円程度になることが多いです。


これらの慰謝料は,本人の慰謝料とは別途認められるので,遺族固有の慰謝料が認められる場合,本人のみに慰謝料が認められる場合よりも慰謝料が全体的に高額になる可能性が高まります。




交通事故で被害者に重大な後遺障害が残ったら,近親者は非常に辛い思いをするものです。お困りの場合,弁護士がサポートいたしますので,お気軽にご相談下さい。





▼参考記事
・交通事故の慰謝料が増額される場合は,どのような場合ですか?
・交通事故で,入通院したことに対する慰謝料はいくらもらえますか?
・弁護士が入ると賠償額が上がる!

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個人事業主ですが,交通事故前までずっと赤字でした。交通事故の休業損害や後遺障害逸失利益の基礎収入についてはどうなりますか?

2018年09月11日
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個人事業主ですが,交通事故前までずっと赤字でした。交通事故の休業損害や後遺障害逸失利益の基礎収入についてはどうなりますか?

この場合,固定費を考慮して基礎収入を算定したり,平均賃金やそれを割合的に減額した金額を基礎収入としたりします。




 交通事故 : 赤字の個人事業者の基礎収入 




◆個人事業者の基礎収入の基本的な考え方




個人事業者が交通事故に遭った場合,怪我の治療のために働けない期間が発生することが多いですし,後遺障害が残ったら労働能力が低下して減収が発生する可能性もあります。

休業損害や逸失利益を計算する際の「基礎収入」が問題となります。

基礎収入とは,事故前に現実に得ていた収入のことです。個人事業主の場合,一般的には事故の前年度の確定申告書に記載された所得を基準とします。

申告内容が赤字であれば,所得はマイナスになるので,原則論でいうと基礎収入が0以下となり,休業損害や逸失利益が認められなくなってしまいます。









◆赤字の場合の基礎収入について




それでは,赤字の個人事業者の場合には,休業損害や逸失利益を請求できないのでしょうか?

実際には,赤字であっても本人は生活をしているわけですから,何らかの収入はあるはずであり、逸失利益が全く認められないのは不合理とも考えられます。


このようなときには,以下のような方法で基礎収入を算定することが考えられます。



【固定費を基礎収入とする方法(休業損害)】

まずは,休業損害の算定において,固定費を基礎収入として算定する方法があります。

事業としては赤字であっても,最低限毎月固定費は支払っているはずなので,その分の収入(売上げ)はあるはずだという考え方です。

たとえば以下のような費用を固定費として,合計した金額を「基礎収入」とすることが考えられます。

・テナントの賃料
・保険料
・駐車場代,地代
・専従者給与,
・個人事業税,自動車税などの税金

ただし,個人事業を営んでいる場合,「毎月固定費を支払う分の売上げしかない」というわけではないでしょう。

変動費の支払もしてきていたことや自分や家族が生活するために必要な費用も得てきていたはずであることを前提とすれば,この考え方は補償として不十分といえます。




【平均賃金を使う方法】

もう1つの方法は,賃金センサスの平均賃金を利用するものです。

賃金センサスとは,政府が毎年集計している国民の賃金に関する統計データです。

個人事業主の基礎収入を算定するときには,学歴別,年齢別,男女別などの平均賃金を使って算定します。

ただし,平均賃金がそのまま採用されるとは限りません。現にそれだけの収入を得られる蓋然性が小さい場合には,平均賃金を割合的に減額した数値が採用されます。



以上のように,交通事故に遭った個人事業主が赤字の場合でも,休業損害や逸失利益を請求できる余地はあります。一度弁護士に相談してみて下さい。





▼参考記事
・療養や通院のために病気休暇を取得したときも休業損害として賠償の対象となりますか?
・交通事故に遭った際の基礎収入について質問です。休業損害を算出する際と後遺障害逸失利益を算出する際の基礎収入は同じですか?
・逸失利益・基礎収入について(裁判基準)

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交通事故で歯牙障害が後遺障害として残ったときの後遺障害逸失利益と後遺障害慰謝料について教えてください。

2018年09月10日
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交通事故で歯牙障害が後遺障害として残ったときの後遺障害逸失利益と後遺障害慰謝料について教えてください。

歯牙障害が残った場合,後遺障害逸失利益が否定されることがありますが,職業によっては逸失利益が認められるケースもあります。また,逸失利益が否定されたり減額されたりする分,後遺障害慰謝料が認められることも多いです。




 交通事故 : 歯牙障害 




◆歯牙障害とは




交通事故の後遺障害の一つとして「歯牙障害」があります。歯牙障害とは,歯が失われる後遺障害です。

ただ,歯がなくなっても,通常は入れ歯やインプラント,クラウンなどによって補修します(このことを「歯科補綴」といいます)。

そして,交通事故の後遺障害は,このように「適切に治療して歯科補綴した歯の本数」に応じて認められます。歯がなくなって修復しようがないから後遺障害とするわけではありません。

つまり,歯牙障害が残った場合,歯は治療によって一応形が整えられており,食べたり飲んだり話したりすることに支障が無い状態となっているのです。









◆歯牙障害と後遺障害逸失利益



このように,歯牙障害が残った場合,歯は一見して元通りになっていますし,日常生活にも仕事にも大きな影響を及ぼすことはありません。

そうだとすると,労働能力に影響を及ぼさないので,後遺障害逸失利益を認めるべきではない,という考えが出てきます。後遺障害逸失利益は,労働能力が低下したことによる将来の減収分だからです。

歯牙障害が残っても,現実に労働能力が低下したり減収が発生したりすることは少ないでしょう。


実際に,交通事故で歯牙障害が残ったケースでは,後遺障害逸失利益が否定されるケースが多いです。

ただし,スポーツ選手や肉体労働をする方などで,歯を食いしばる必要がある方の場合や,料理人などで歯ざわりが味覚に直結するため歯牙障害によって仕事が困難になってしまった場合などには,正確な発音をしにくくなった場合などに準じ,実際の労働能力低下が認められて後遺障害逸失利益が認定される可能性もあります。






◆歯牙障害と後遺障害慰謝料




歯牙障害で後遺障害逸失利益が否定された場合には,その分後遺障害慰謝料が増額されるケースが多いです。

慰謝料には「補完作用」があるとされています。
補完作用とは,逸失利益が否定されたときに,慰謝料を増額することによってある程度まで補完することです。

ただし,後遺障害慰謝料が増額されるとはいっても,数十万円程度であることも多く,後遺障害逸失利益が認められるのと同程度の増額が見込めるわけではありません。


以上のように,歯牙障害が残った場合には,後遺障害慰謝料や逸失利益の算定の際に特別な考慮が必要になります。対応に迷われたときには,まずは弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・手・肩・肘ではどのような後遺障害の可能性が交通事故ではありますか。
・足・股・膝ではどのような後遺障害の可能性が交通事故ではありますか。
・交通事故による後遺障害の解説

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チャイルドシートの装着義務と不装着のときの交通事故の過失割合について教えて下さい。

2018年09月07日
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チャイルドシートの装着義務と不装着のときの交通事故の過失割合について教えて下さい。

子どもが6歳未満の幼児であれば,チャイルドシートの装着が義務となっています。チャイルドシートを装着させずに交通事故に遭って被害が拡大した場合には,被害者側の事情として,被害者の過失割合が5〜10%程度,加算される可能性があります。




 交通事故 : チャイルドシート装着義務 




◆チャイルドシート装着義務とは




子どもを車に乗せるとき,基本的にはチャイルドシートを装着することが義務となっています。

道路交通法71条の3第3項には,「自動車の運転者は,幼児用補助装置(チャイルドシート)を使用しないで幼児を自動車に乗せて運転してはならない」と定めています。


道路交通法上「幼児」は6歳未満の子どもを指すので,子どもが5歳以下の場合,チャイルドシートを利用しないと道路交通法違反となります。


ただし,病気のためにチャイルドシートを利用できない場合や,その他のやむを得ない事情がある場合には,チャイルドシートを利用しないで子どもを車に乗せることも許されます。

チャイルドシート装着義務が免除されるのは,以下のような場合です。

・車の座席の構造から,チャイルドシートを固定できない場合
・定員内の乗車人員だが,幼児全員分のチャイルドシートを置くと,
 全員が乗車できなくなる場合
・幼児が病気や怪我をしており,チャイルドシートが療養上や健康上不適当な場合
・著しい肥満のケースなど,幼児の身体の関係で,チャイルドシートを適切に利用できない場合
・チャイルドシートを使ったままでは,授乳などの必要な世話を実施できない場合
・バスやタクシーに乗車する場合
・道路運送法によって特別に許可された自家用運送車に乗せる場合
・負傷した子どもを病院へ運ぶ場合,迷子になった子どもを警察に連れていく場合


上記のような例外的なケース以外では,チャイルドシート装着が義務であり,違反すると,運転者の免許の点数も1点加算されます。









◆過失割合について




チャイルドシート装着は道路交通法に基づく義務ですから,チャイルドシート不装着に伴って損害が拡大した場合,被害者側に過失があるといえます。

そこで,チャイルドシート不装着で事故に遭い,幼児が怪我をしたり死亡したりすると,被害者の過失割合が上がります。

幼児自身には過失はありませんが,父母がチャイルドシートを装着させていなかったなどのことが多いと思われます。そうであれば,被害者側の過失として,過失相殺の対象となります。

裁判例では,5〜10%程度,過失割合が加算されるケースが多いです。





以上のように,チャイルドシートをきちんと装着していないと,運転免許の点数が加算されますし,損害賠償金も減額される可能性もあります。何より危険です。
子どもを車に乗せるときには必ずチャイルドシートを使用しましょう。






▼参考記事
・子どもが交通事故に遭って遷延性意識障害になりました。私に万一のことがあったとき,この子の将来についてできることはありますか?
・交通事故に遭った被害者本人だけではなく,家族の慰謝料が認められる場合はありますか?
・交通事故ご相談実例

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交通事故の被害者が会社員や公務員であるとき,交通事故の後遺障害が残っても,減収がない場合も多いです。このようなとき,後遺障害逸失利益は損害として計上できませんか?

2018年09月05日
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交通事故の被害者が会社員や公務員であるとき,交通事故の後遺障害が残っても,減収がない場合も多いです。このようなとき,後遺障害逸失利益は損害として計上できませんか?

実際の減収がなくても,被害者の特別の努力によって事故後の収入が維持されている場合などには,後遺障害逸失利益が認められる可能性があります.





 交通事故 : 後遺障害逸失利益 




◆減収がない場合の後遺障害逸失利益




後遺障害逸失利益とは,被害者に後遺障害が残ったことにより,得られなくなってしまった将来の収入のことです。

交通事故の被害者に後遺障害が残ると,被害者は事故前に比べて身体が利かなくなるので,事故前に比較して労働能力が一定程度落ちると考えるのが一般的です。

そうなると,本来得られるはずだった収入を得られなくなると考えられるので,減収分を逸失利益として,加害者に請求することが認められるのです。


ただ,後遺障害逸失利益は,事故後に減収が発生することを前提としています。

事故後も事故前と同様の年収を維持していたり,事故前よりも年収が上がっていたりすると,後遺障害によっても減収が発生していないことになるため,後遺障害逸失利益を請求できない可能性が出てきます。



実際,任意保険会社と示談交渉を進めるとき,実際の減収が発生していないことが判明したとき,保険会社が後遺障害逸失利益を否定してくることがあります。









◆減収がなくても後遺障害逸失利益が認められるケース




それでは,交通事故後減収が発生していない会社員や公務員などの場合,後遺障害が残っても逸失利益を請求できないのでしょうか?

たしかに後遺障害逸失利益は減収を前提としたものですが,減収が発生していないのは,本人が特別に努力や工夫を重ねているからという場合もありますし,今すぐには減収が発生していなくても,将来転職が難しくなったり昇進・昇給の際に不利益を受けたりするおそれもあります。

そこで,判例では,以下のような場合には,たとえ実際の減収がなくても後遺障害逸失利益を認めるとしています(最高裁昭和56年12月22日)。


・減収を発生させないように,本人が特別の努力をしていて,もしそういった努力などがなかったら減収となっているはずのケース
・職業の性質により,将来の昇給や昇進,転職などの場面で不利益な取扱いをさける可能性があるケース




そこで,特に会社員の場合には,公務員のように定期昇給していくものでもなく将来の転職も充分考えられるので,減収が発生していなくても後遺障害逸失利益を請求できる可能性が高いです。


加害者の保険会社との示談交渉において逸失利益を否定されても,裁判をすれば逸失利益が認められるケースがあります。後遺障害が残って逸失利益を支払ってもらえない場合も,一度弁護士までご相談下さい。







▼参考記事
・交通事故の後遺障害認定手続きの事前認定と被害者請求の違いは何ですか?
・交通事故の逸失利益はどのような計算式で算出されるのでしょうか?
・むちうちで14級9号が認定されるポイントを教えてください

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(よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤寿康)

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