過失割合の「修正要素」とは何ですか?

2017年02月15日
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過失割合の「修正要素」とは何ですか?

その事故の特殊性を考慮して,基本の過失割合を修正する要素のことを言います。




 修正要素 



◆基本の過失割合


交通事故が起こった場合,過失割合が争点になることが多いです。
自分の過失割合の分は,相手に請求できる金額から減らされてしまうため,お互いに自分の過失割合を減らそうとして争いが起こることも多いです。

過失割合にはケースごとの基準があり,ここでは「基本の過失割合」と「修正要素」が定められています。

基本の過失割合とは,ケースごとの基本となる過失割合です。これに対し修正要素とは,その事故の特殊性を考慮して,基本の過失割合を修正する要素のことです。

たとえば,信号機のある交差点で直進車同士が衝突した事故が発生したとき,交差点進入時の信号表示が双方とも赤色だった場合は,基本の過失割合が50:50となります。
しかし,どちらかの自動車に「相当のスピード違反」や「飲酒運転」などの問題行為がある場合などには,修正要素が適用されて,それらの問題行為がある方の自動車の過失割合を上げることを検討します。







◆修正要素の具体例


それでは,過失割合の修正要素にはどのようなものがあるのでしょうか?
以下で具体的に見てみましょう。


@自動車の修正要素

まず,自動車の修正要素を見てみましょう。
自動車の修正要素としては,徐行義務違反や右折禁止違反,進路変更する際の合図をしなかった場合,15q以上の速度違反,その他の著しい過失や重過失などが加算要素となります。

著しい過失とは,通常想定されている程度の過失を超える大きな過失のことです。
たとえば,著しい前方不注視があったり酒気帯び運転があったりすると,著しい過失があったと評価される可能性があります。
重過失とは,故意に近いほどの重大な過失のことです。たとえば,無免許運転や酒酔い運転のケースなどでは重過失が認められる可能性が出てきます。

これらの修正要素が適用される場合には,その程度に応じて自動車の過失割合が5%〜20%程度上がります。




A自転車の修正要素

自転車にも過失割合の修正要素があります。
自転車と自動車との事故を例にとると,たとえば,自転車の運転者が高齢者や児童などであれば過失割合が下がります。
夜間の事故の場合,自転車側の過失割合が上がる方向で修正されます。
これら以外の著しい過失や重過失などによる加重については,自動車の場合と同じです。




B歩行者の修正要素

歩行者の場合にも過失割合の修正要素があります。

歩行者と自動車との事故を例にしますと,歩行者が高齢者や児童、障害者や幼児であれば過失割合が下がりますし、事故現場が住宅地や商業地なら過失割合が下がります。
歩行者が集団で移動していた場合には、歩行者側の過失割合が下がります。

事故現場が幹線道路であったり夜間の事故であったりするケースでは、歩行者側の過失割合が上がります。

このように、過失割合にはたくさんの修正要素があるので、それぞれのケースについて正確に判断する必要があります。わからないときには、弁護士に聞いてみると良いでしょう。




▼参考事例紹介
当事務所の交通事故解決事例No,025 
「控訴審において当方に有利な過失割合が認められた事例(14級9号)」

(弁護士法人よつば総合法律事務所)

過失割合における「認定基準表」とは何ですか?

2017年02月10日
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過失割合における「認定基準表」とは何ですか?

過失割合は,細かくケースごとに基準が決められていますが,これについては「認定基準表」という表が作られて一覧になっています。




 認定基準表



◆過失割合とは


交通事故では,過失割合が重要です。過失割合とは,交通事故の結果について,事故の当事者のどちらにどれだけの責任があるかという割合のことです。

自分の過失割合が高いと,その分相手に請求できる損害賠償金額が減額されてしまうので,過失割合はが少ない方が有利です。


交通事故の示談交渉において,相手の任意保険会社との間で争いになることも非常に多いです。







◆過失割合の決まり方


相手に請求できる賠償金額に大きな影響を持つ過失割合ですが,これはどのようにして決まるのでしょうか?過失割合は,現在までに積み重ねられた判例によって,ケースごとに基準が定められています。

たとえば,自動車同士が信号機のある交差点で衝突した事故の場合,どちらの信号が何色だったかなどによって細かく過失割合が定められています。
自動車同士の事故だけでは無く,自動車とバイクの事故,自動車と自転車の事故,自動車と歩行者の事故などのケースでも,同じように過失割合の基準があります。




弁護士が相手の保険会社と示談交渉をする場合や,裁判によって過失割合を決める場合には,この過失割合の算定基準によって決定されるので,同じような事故の場合には同じような過失割合になり,公平性が保たれています。









◆認定基準表とは


過失割合は,細かくケースごとに基準が決められていますが,これについては「認定基準表」という表が作られて一覧になっています。




交通事故が起こったら,この認定基準表を確認することによって,自分のケースでどのくらいの過失割合になるのかを知ることができます。
弁護士や裁判所が過失割合を確認するときにも,認定基準表を見て妥当な過失割合を考慮しています。
被害者が自分で過失割合を調べたい場合にも,認定基準表が役立ちます。










◆認定基準表の確認方法


被害者が自分で認定基準表を確認したい場合には,どのようにすれば良いのでしょうか?

これについては,いくつかの方法があります。

まずは,別冊判例タイムズ38号という法律雑誌を見ると,その中に認定基準表が掲載されているので確認できます。
また,日弁連交通事故相談センターが発行している「交通事故損害賠償額算定基準(青本)や,「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(赤い本)」という本にも認定基準表が掲載されているので,確認することができます。




これらの本は,一般人であっても書店で注文したり,インターネット上で注文したりすることができ,かかる費用は数千円です。
なお,弁護士であれば通常はこれらの本を持っているので,弁護士に相談をしたら認定基準表を見せてもらえますし,自分のケースでどの程度の過失割合になるのかも教えてもらうことができます。
自分で認定基準表を見てもどの表を用いるべきかわからないこともあるので,困ったときには弁護士に相談すると良いでしょう。







(弁護士法人よつば総合法律事務所)

交通事故での過失割合における「判例タイムズ」とは何ですか?

2017年02月07日
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交通事故での過失割合における「判例タイムズ」とは何ですか?

交通事故の過失割合の算定基準が掲載されている法律雑誌の1つです。交通事故では過失割合がいくらかというのは,非常に重要なポイントになります。




 過失割合と判例タイムズ 



◆判例タイムズとは


判例タイムズは,法律雑誌の1つでして,判例タイムズ社という会社が発行しています。
主に弁護士や裁判官,検察官などに向けたもので,全国の裁判所での主要な判例などを掲載しています。



月に一回刊行されていて,定期購読している実務家も多いです。一般の人でも入手することができて,全国の本屋で注文することが可能ですし,インターネットを通じても購入できます。

また,判例タイムズには,いわゆる増刊号のようなものもあります。「別冊判例タイムズ」というものです。その別冊判例タイムズの中には,交通事故の過失割合の算定基準が掲載されているものがあります。交通事故問題を取り扱う際によく使われます。










◆過失割合とは


交通事故の過失割合とは,その交通事故において,当事者のそれぞれにどのくらいの責任があるかという割合のことです。交通事故では,過失割合が高いほど相手に請求できる賠償金の金額が減ってしまいます。

たとえば,過失割合が30:70で,自分の過失割合が30の場合には,相手から受けるべき賠償金の金額が3割減になってしまいます。そこで交通事故では,過失割合がいくらになるかということが非常に重要な争点になることが多いです。










◆過失割合の認定基準


交通事故で問題になりがちな過失割合ですが,これをどのようにして決めるのかが問題になります。

被害者が自分で相手の任意保険会社と交渉する場合には,手の任意保険会社が妥当だと考える過失割合を決めて被害者側に提示してきます。

裁判をする場合には,過失割合の算定基準によって過失割合が判断されています。




過失割合の算定基準とは,これまでの裁判例の積み重ねによって,ケースに応じた過失割合を定めた基準のことす。

たとえば,自動車同士の事故,自動車とバイクの事故,自動車と自転車の事故,自動車と歩行者の事故等の類型に分けて,それぞれ交差点上の事故であれば信号機のありなし,優先道路のあるなし,信号表示の状況,一時停止義務のあるなしなどの細かい場合分けをして,それぞれのケースにおける基本の過失割合が定められています。

裁判実務や弁護士が相手の保険会社と示談交渉する場面では,この過失割合の算定基準によって過失割合を決定しています。










◆判例タイムズと過失割合認定基準の関係


過失割合の認定基準は,「別冊判例タイムズ」の38号に掲載されており,これが一番よく用いられます。

そこで,ケースごとの過失割合を知りたい場合には,上記の別冊判例タイムズを入手すればよい,ということになります。
交通事故に遭って,相手の保険会社から提示された過失割合に納得できない場合には,別冊判例タイムズ38号を入手して,自分のケースで適用される過失割合を確かめてみると良いでしょう。




なお,弁護士は過失割合の算定基準表を持っているので,弁護士に相談したら自分で判例タイムズを入手しなくても,同書に掲載されている過失割合の基準を知ることができます。







(弁護士法人よつば総合法律事務所)

信号無視の過失割合はどのようになりますか?

2017年02月02日
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交通事故での,信号無視の過失割合はどのようになりますか?

交通事故状況によって過失割合は異なります。信号無視をすると,自分の過失割合が上がり不利になります。




 過失割合 



◆信号無視をすると,過失割合が上がる


交通事故に遭ったら相手に対して損害賠償請求をしますが,そのとき,自分の過失割合の分は,請求できる金額から減額することになります。

そのため,交通事故が起こったとき,「過失割合」は重要な要素となります。

そして,信号無視をしていると,当然自分の過失割合が上がります。

そこで,以下では信号無視のケースの過失割合について,自動車同士の事故,自動車とバイクの事故,自動車と自転車の事故,自動車と歩行者の事故の4つに分けて見てみましょう。







(1)自動車同士の事故のケース


まずは,自動車同士の事故のケースを見てみましょう。
信号機のある交差点上において,直進する自動車が衝突した事故の場合です。


【一方の信号が,もう一方の信号がの場合】
青信号の自動車「0」100」赤信号の自動車


【一方の信号が,もう一方の信号が黄色の場合】
赤信号の自動車「80」「20」黄信号の自動車


【双方とも信号だった場合】
双方ともに「50:50」になります。








(2)自動車とバイクの事故のケース


次に,自動車とバイクの交差点における事故で信号無視があった場合の過失割合を見てみましょう。

【バイクが,自動車がの場合】
バイク「0」「100」自動車

【バイクが,自動車がの場合】
バイク「100」「0」自動車

【バイクが黄色で自動車がの場合】
バイク「10」「90」自動車

【バイクがで自動車が黄色の場合】
バイク「70」「30」自動車

【バイクも自動車もの場合】
バイク「40」:「60」自動車








(3)自動車と自転車の事故のケース


次に,自動車と自転車の交差点における事故で,信号無視があった場合の過失割合を見てみましょう。


【自転車が,自動車がの場合】
自転車「0」「100」自動車

【自転車が,自動車がの場合】
自転車「80」「20」自動車


【自転車が黄色,自動車がの場合】

自転車「10」「90」自動車

【自転車が,自動車が黄色の場合】
自転車「60」「40」自動車

【自転車,自動車もの場合】
自転車「30」:「70」自動車







(4)自動車と歩行者の事故のケース


最後に,自動車と歩行者の横断歩道上の事故のケースを見てみましょう。


【自動車が,歩行者がの場合】
自動車「100」「0」歩行者

【自動車が,歩行者が黄色の場合】
自動車「90」「10」歩行者
【自動車も歩行者もの場合】
自動車「80」:「20」歩行者

【自動車が黄色,歩行者がの場合】
自動車「50」:「50」歩行者

【自動車が青,歩行者がの場合】
自動車「30」「70」歩行者

以上のように,信号無視をすると,自分の過失割合が大きく上がって不利になります。黄色でも過失割合が高くなるので,くれぐれも信号無視をしないよう注意する必要があります。







(弁護士法人よつば総合法律事務所)

リハビリテーションをグループで行う事は,どんな影響があるのですか?

2017年01月24日
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リハビリテーションをグループで行う事は,どんな影響があるのですか?

高次脳機能障害のリハビリテーションで行われるグループ訓練は,模範的行動を学習できるので,患者さんに良い効果をもたらします。




 グループ訓練



■グループ訓練とは?



グループ訓練とは,グループで行うリハビリテーションです。


交通事故に遭って高次脳機能障害になった人は,急性期が過ぎて回復期に入ると症状が安定してくるので,同程度の障害を持つ患者さんと一緒にリハビリテーションを受ける機会があります。



グループ訓練には,以下のような利点があります。

・他の人の模範的な行動を見ることで学習できる
・他の人とやりとりすることで,学習したことを実際に使えるようになる
・ピアカウンセリングの一面を持っている


ピアカウンセリングとは,同じような悩みを持つ人同士でおこなう相談のことです。

リハビリテーションの現場では,医療スタッフがいるので,高次脳機能障害の患者さんは心のなかで思っていることを言い出せないことがありますが,同じような悩みを持つ患者さん同士の場合は,心の垣根が取り外されて,思っていることを素直に言いやすいのです。

たとえ,話をしたことだけでは悩みを根本的に解決できなくても,同等の立場の他者と話をすることで気持ちが明るくなるなどの効果が期待できます。







■グループ訓練に参加する目的は全員同じでなくても良い


ある人は発話が少ないので,他者と会話することを訓練するためにグループ訓練に参加します。
また,ある人は注意障害があるので,45分と定められたリハビリテーション時間の間,注意をそらさず訓練に集中することが求められます。



上記の2人は,リハビリテーションの目的は異なっても,一緒にグループ訓練に参加できます。
なぜなら,患者さんの目的は異なっていても,各自の課題をリハビリテーションの場で試すことが目標だからです。







■グループ訓練に参加する人への配慮



・失語症の人への配慮

聴覚理解が同程度の人同士のグループ訓練が望ましいと言えます。
聴覚理解がいちじるしく低下している人が参加する場合は,言語を使わなくてもできる訓練を行います。


・注意障害の人への配慮

グループでの会話が難しすぎないか注意しながら訓練を行い,休憩を交えながら集中力を維持するよう努めます。



・感情コントロールがある人への配慮

トラブルがあった場合は,トラブルを起こした人を別の部屋に連れて行き,落ち着きを取り戻すようにします。
トラブルの前兆として,感情が高ぶったり,暴言が出た場合は休憩します。



・記憶障害がある人への配慮

ゆっくりと会話を進め,会話のテンポが速くならないように気を付けます。
グループ訓練の内容をホワイトボードに書くと,患者さんの理解が深まります。







(弁護士法人よつば総合法律事務所)

高次脳機能障害の家族が困ることはなんでしょうか?

2017年01月23日
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高次脳機能障害の家族が困ることはなんでしょうか?

高次脳機能障害の家族は,病気を受け入れるのが難しかったり,問題行動に対処できないため悩みますが,医療スタッフや行政の支援を受けて問題を解決していきましょう。




 高次脳機能障害の家族 


◆高次脳機能障害の家族が抱える悩みとは?


交通事故による高次脳機能障害は完治がむずかしい病気なので,患者さんの家族は様々な問題を抱えて悩みます。

以下に,高次脳機能障害の患者さんの家族が抱えることの多い問題を挙げます。









◆家族が高次脳機能障害という病気を受け入れない場合


 ・高次脳機能障害であることを認めない   ・高次脳機能障害について理解できない

患者さんの家族がこのような態度で医療スタッフに接する場合は,家族に高次脳機能障害という病気を理解してもらうことが大事です。


医療スタッフによるカウンセリングを受け,機能回復訓練を行っているところを見学させてもらうなどすることにより,将来に対する希望が芽生えます。

同じ病院に複数の高次脳機能障害患者が入院している場合は,家族向けの学習会に参加して,病気に対する理解度を深めましょう。全国に構築されている家族会に参加することも,ネットワークを通じて病気を理解する助けになります。








◆家族が高次脳機能障害を支援している場合


家族が高次脳機能障害を理解しようと努めて患者さんを支援しても,家族だけでできることには限界があるので,医療スタッフや専門家に助言を求めましょう。




・リハビリテーションについて理解しよう
急性期からリハビリテーションを始めると,患者さんが嫌がっていると異議を唱えたくなることもありますが,急性期にリハビリテーションを受けるかどうかは,予後に大きく影響します。
急性期から回復期,慢性期に及ぶリハビリテーションプログラムの概要を家族が理解することが,患者さん自身がリハビリテーションに意欲を持つことにつながります。

・症状に対する対応に苦慮している
高次脳機能障害が原因の暴言・暴力などに悩んでいる家族は,自分たちだけで悩まず,医療スタッフや関係機関に相談しましょう。

・経済的な問題で悩んでいる
一家の大黒柱が高次脳機能障害になると収入が途絶え,高次脳機能障害の治療費が家計の負担となります。
経済的に困窮している場合は,患者さんの年齢や病状に応じて利用できる福祉サービスがあります。
病院のソーシャルワーカーに相談しましょう。

・家事負担が大きく家族が疲弊している
高次脳機能障害の患者さんに対する介助負担が大きく,家族が疲れ切っている場合に利用できる福祉サービスについて,行政の窓口で相談しましょう。
区市町村役場の相談窓口以外に,各都道府県には,高次脳機能障害支援普及事業拠点機関があり,より専門的な助言を受けられます。







(弁護士法人よつば総合法律事務所)

子どもが高次脳機能障害になったら,どんな事に気をつければ良いでしょうか?

2017年01月20日
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子どもが高次脳機能障害になったら,どんな事に気をつければ良いでしょうか?

子どもが高次脳機能障害になると,復学が一つの大きな目標になります。家族だけで復学の環境を整えるのではなく,リハビリスタッフや学校の協力を求めましょう。




 高次脳機能障害の子どもの復学



◆子どもが高次脳機能障害になったら?


高次脳機能障害は,脳を損傷すれば大人だけでなく子どもでも発症する病気です。

大人は,高次脳機能障害の治療でリハビリテーションを受けるとき,社会復帰や復職,就労などを目標とします。

一方,交通事故などが原因で子どもが高次脳機能障害になった場合は,学業の継続が大きな課題となります。




しかし,高次脳機能障害による後遺症は,人間関係を変化させます。
注意障害や記憶障害,遂行機能障害などの症状がある場合,復学した後,学校の友人が病気による症状であると理解せず,孤立する可能性もあるでしょう。

さらに,長期間に渡って休学していたことによる学業の遅れを取り戻さなければならないという重圧もあります。高次脳機能障害の子どもにとって,復学は大きなプレッシャーになる可能性があるのです。



退院したからといってすぐに復学するのではなく,専門家による心理的なサポートを受けながら復学に向けて準備するのが望ましいでしょう。







◆復学支援を受けよう


高次脳機能障害の子どもが復学する際には,リハビリテーションを担当している言語聴覚士(ST)を中心に,学校や地域の教育相談担当者とチームを作って,復学の環境を整えましょう。

たとえば,復学後も,午前と午後の授業をすべて受けることはむずかしいと言語聴覚士が判断した場合,午後は保健室で休憩するなど,学校側に臨機応変の対応を求めていきます。







◆復学後もリハビリテーションを受ける機会を維持しよう


高次脳機能障害による後遺症が残っているかぎり,リハビリテーションを受けて,機能回復の期待を持つことができます。

復学すると家庭と学校の往復で,通院してリハビリテーションを受ける時間を設けることがむずかしくなりますが,できる限りリハビリテーションを継続しましょう。
リハビリテーションの達成度を定期的に評価し,次の目標を設定する作業も不可欠です。







◆学校に理解を求める


授業を受けずに保健室で休んでいる時間が長かったり,リハビリテーションを受けるために学校を早退する様子を見て,学校の友達が特別扱いされていると感じるかもしれません。

高次脳機能障害であっても,外見からはわからないことが多いので,復学する際には学校と生徒に理解を求めましょう。







◆高次脳機能障害の家族会などのネットワークを活用する




高次脳機能障害に関する悩みを一人で抱え込まず,家族会などのネットワークに参加すると,悩みを聞いてもらえたり,問題解決のヒントを得られます。




(弁護士法人よつば総合法律事務所)

高次脳機能障害のリハビリテーションでは,どんな工夫が必要ですか?

2017年01月19日
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高次脳機能障害のリハビリテーションでは,どんな工夫が必要ですか?

高次脳機能障害のリハビリテーションは時間がかかる長い道のりなので,本人の意欲を喪失させないように,できることを見つけて喜ぶといった共感を持つことが大事です。

 高次脳機能障害のリハビリテーション



◆高次脳機能障害のリハビリテーションは長い道のり


交通事故で高次脳機能障害を発症すると,完治がむずかしく後遺障害が残る病気なので,リハビリテーションは時間をかけて取り組む必要があります。

数週間リハビリテーションに精を出したからといって,すぐに効果が現れるとは限りません。



高次脳機能障害のリハビリテーションは,長い道のりであることを患者さんに理解させ,家族が協力してリハビリテーションに取り組まなくては効果は期待できません。




「高次脳機能障害の治療をこれ以上続けても病状は変わらない,または治ったようでも元の状態に戻る。」と主治医が認めて後遺障害診断書を作成すると,症状固定をしたことになり,後遺障害が残ったことが明らかになります。
つまり,その症状は固定されたままで,今後もその症状が軽くなることはありませんというのが,症状固定が意味するところです。

しかし,高次脳機能障害の患者さんは,しばしば症状固定を認めたがりません。
症状固定をした後,遺障害を回復させてもとの健康状態に戻りたい,職場復帰をしたいなど,患者さんにはそれぞれ願望があります。

高次脳機能障害の患者さんは,早い時期からリハビリテーションプログラムに沿って機能回復訓練を受けます。患者さんがそれぞれ目的を持つからこそ,モチベーションを維持してリハビリテーションを頑張ることができるのです。







◆リハビリテーションに対する意欲を引き出す


患者さんが抱く願望のなかには非現実的なものもあり,リハビリテーションを行っても,患者さんが望むような健康状態に戻ることができない可能性もあります。


医療スタッフと患者さんの家族は,患者さんのリハビリテーションに対する意欲を引き出す工夫が求められます。

たとえば,できることを見つけ,できたことを喜ぶことは,患者さんが感じる達成感を共有し,さらに一段階上の目標に挑戦する意欲を引き出します。
たとえ,目標を達成できなくても,チャレンジした過程を検証し,患者さんの努力を認めることで,患者さんがもう一度挑戦してみようという気持ちを持つことができます。










◆リハビリテーションのゴールとは?



高次脳機能障害におけるリハビリテーションは,患者さんの希望をどのように実現させるかをゴールに設定すると良いでしょう。完全な機能回復をゴールにするのは非現実的で,リハビリテーションに対する患者さんの意欲を喪失させます。

たとえば,職場復帰が患者さんの目標の場合,健康な時のように通勤して同じ仕事をこなすことはできないかもしれません。
就労で求められるコミュニケーション能力,交通機関を利用した通勤,仕事に対する集中力とスキルは十分かといったことを確認しつつ,後遺症があっても職場復帰できるように,リハビリテーションプログラムを組みます。







(弁護士法人よつば総合法律事務所)

交通事故で高次脳機能障害を発症してしまったら,家族はどんなサポートをすれば良いのでしょうか?

2017年01月18日
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交通事故で高次脳機能障害を発症してしまったら,家族はどんなサポートをすれば良いのでしょうか?

高次脳機能障害が原因の暴言,暴力などの社会的行動障害で苦しんでいる家族は,保健所や精神福祉センターなどの窓口に相談に行きましょう。




 社会的行動障害と家族の対応



◆高次脳機能障害の人が周囲を困らせる症状とは?


交通事故に遭って高次脳機能障害を発症すると,発病する前には見られなかった社会的行動障害がしばしば現れます。


社会的行動障害とは,暴言,暴力,徘徊,性的逸脱,浪費,自傷,ギャンブル,飲酒,万引きなどを指します。
これらの行動は周囲の人,特に家族を困らせ,高次脳機能障害の患者さんが孤立する原因となります。


高次脳機能障害で社会的行動障害が現れるのは,脳の損傷だけが原因とは限りません。
怪我により能力が低下したことや,高次脳機能障害になったために激変した生活を受け入れることができずにいるため,その感情のはけ口が社会的行動障害となって現れる場合もあります。

しかし多くの場合は,高次脳機能障害のために,人間関係を築く能力や問題解決能力が低下したことが原因で,社会的行動障害が現れます。さらに,日常生活における様々な技能が低下したことも,社会的行動障害を引き起きします。







◆家族は保護者か?それとも被害者か?


退院後の高次脳機能障害の患者さんは,発病前より生活圏が狭まり,自宅にこもりがちになります。
そのため,社会的行動障害の症状がある患者さんの感情のはけ口は,家族に向けられることが多くなります。



暴力や浪費癖による金銭の要求などがあっても,高次脳機能障害の患者さんを守ることができるのは家族だけだと思って,患者さんの理不尽な行動を黙認しがちです。
高次脳機能障害の患者さんの家族は,社会的行動障害の被害者であると同時に社会から守る保護者でもあるため,我慢をしてしまうのです。

しかし,家族の忍耐には限界があります。
高次脳機能障害の患者さんが,深刻なトラブルを起こさないうちに,社会的支援を求めてください。

たとえば,たえまない暴言,暴力に家族が耐えかねているような場合は,家族の心のなかには不安や不満がうっ積していることでしょう。



では,高次脳機能障害の患者を抱える家族が平温な日常を取り戻すためには,どうすれば良いのでしょうか?







◆行政の窓口に相談に行く


保健所や精神保険福祉センター,都道府県の障害福祉担当課などに,患者さんをどのようにケアしたら良いか相談し,患者さんと家族を交えた関係者会議を開催するよう行動してください。



社会的問題行動がある高次脳機能障害の患者さんは,無意識にそのような行動をするのではありません。行動をやめたくてもやめられなくて,問題を起こしてしまったときは,患者さんを非難したり叱ったりすることは避けるべきですが,患者さんが周囲の人間を困らせている症状については,周囲を困らせていることを本人が明確に知るようにするべきです。







(弁護士法人よつば総合法律事務所)

交通事故で高次脳機能障害になりました。もう仕事には就く事は難しいのでしょうか?

2017年01月17日
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交通事故で高次脳機能障害になりました。もう仕事には就く事は難しいのでしょうか?

交通事故で高次脳機能障害になっても,主治医から仕事に就いて良いと言われたら,就労準備支援プログラムなどを利用して訓練を受け,自信をもって就労しましょう。




 高次脳機能障害と就労支援制度 



◆高次脳機能障害になっても就労できる


交通事故による高次脳機能障害は,身体的,精神的な後遺症が残る病気ですが,適切な機能回復訓練を行えば,社会復帰が可能です。


医療機関では,高次脳機能障害と診断した早い段階から,機能回復訓練のためのプログラムを組んで,患者さんが退院した後,社会に出て仕事をしたり人と接したときのことを考えてリハビリテーションを行います。




病気が完全に治ってから仕事に就きたいと思っていても,高次脳機能障害は完治が困難な後遺障害であることも事実です。
もっと良くなってから仕事を再開しようと考えていると,働いていない期間が長くなり,その後の復職がさらに困難になりがちです。

高次脳機能障害の人は,病状が落ち着いたら仕事に復帰することを検討することで,より自立した生活を送る自信を持てます。







◆社会復帰できるかどうか判断するには


以下の質問項目のうち,自分にいくつ当てはまるかチェックしてみましょう。

・主治医から仕事をしても大丈夫だと言われた
・病状が安定している
・仕事をするのに十分な体力と気力がある
・職場で高次脳機能障害について理解がある
・通勤が体力的な負担にならない


高次脳機能障害による後遺症を軽減させる工夫も,仕事をスムーズにこなす上で効果があります。
たとえば,物忘れがひどくなり,その日のスケジュールを覚えられない場合は,手帳に予定表を書き込み,次の行動を逐次確認しながら仕事をするといった工夫が重要です。

むろん,やりがいを感じる仕事をすることも大事です。
仕事が大きなストレスとなるようであれば,就労したことが精神面の負担となり,後遺症を悪化させる一因となります。







◆就労支援制度を知ろう


地方自治体は,独自の就労準備支援プログラムを用意しています。

東京都を例に挙げると,5カ月の通所プログラムを利用できます。



高次脳機能障害で仕事から離れて入院生活を送っていた人が,すぐ職場復帰をするのは困難な場合もあるでしょう。そのような時は就労準備支援プログラムを申し込んで職業評価や訓練を受けることで,自信を持って仕事に就けます。

高次脳機能障害による後遺症が重い場合,復職や新規雇用で働くのは困難かもしれません。
そのような場合は,福祉施設で訓練を受けながら就労に自信をつけることも検討します。




企業の事業種は,障害者雇用率を定められており,一定の人数の障害者を採用する義務があります。
ハローワーク,障害者職業センター,障害者雇用支援センターなどは,高次脳機能障害で後遺症がある人の就労相談に応じてくれます。







(弁護士法人よつば総合法律事務所)

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プロフィール
弁護士法人よつば総合法律事務所
地域最大級の弁護士14名が所属しております。事務所名の「よつば」は事務所に関わる人が皆幸せになるようにとの思いから名付けました。お気軽にご相談ください。
柏事務所:千葉県柏市(柏駅徒歩3分)
千葉事務所:千葉市(千葉駅徒歩3分)

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