カテゴリー: 過失相殺

自転車の交通事故の過失割合は,どのような割合になりますか?

2017年03月21日
このエントリーをはてなブックマークに追加

自転車の交通事故の過失割合は,どのような割合になりますか?

基本的に自動車同士の交通事故に比べて,自転車側の過失割合が低くなります。




  自転車の交通事故 


◆基本的に自転車の過失割合が少なくなる


交通事故は,自動車同士の事故ばかりではありません。自動車と自転車が当事者となる交通事故が起こることもあります。


交通事故の示談交渉を行う場合には,こうした自動車と自転車の交通事故のケースでも,やはり双方の過失割合を算定しなければなりません。



自動車と自転車の交通事故の過失割合は,自動車同士の事故とは異なる基準で過失割合が認定されます。自動車と自転車の場合、基本的に自動車同士の事故に比べて,自転車側の過失割合が低くなります。

たとえば、信号機のある交差点における直進車同士の出会い頭衝突の事故の場合、自動車同士の事故なら赤信号で交差点に進入した自動車の過失割合が100になりますが、赤信号で交差点に進入したのが自転車だったときは,自動車:自転車=20:80となります。










◆自転車事故の修正要素


自転車事故でも,過失割合の修正要素があります。
これについて,どちらかに著しい過失や重過失があった場合などにその当事者の過失割合が上がることは、自動車同士の交通事故と同じです。



これ以外に,自転車事故には特有の修正要素があります。

まず,自転車は免許制度がないことや,誰でも気軽に乗ることができるので,自動車には乗らない子どもや高齢者などでも運転することがあります。そこで,これらの運転者が事故に遭った場合,自転車側の過失割合が下がります。また,自転車が自転車横断帯や横断歩道を走行していた場合にも,自転車の過失割合が下がります。

逆に,夜間の事故の場合,自動車からは自転車を見つけにくくなるので,自転車の過失割合が上がります。







◆自転車事故の過失割合の例


以上を前提に,自転車事故の過失割合の例を見てみましょう。



信号機が設置されている交差点上の事故で,自転車も自動車も直進して交差点内に入ってきた場合を考えてみます。この場合には,交差点進入時の信号の色によって過失割合が変わります。

自転車が,自動車がの場合=0100
自転車が,自動車がの場合=1090
自転車が,自動車がの場合=6040
自転車が,自動車がの場合=8020

どちらもの場合,自転車:自動車=30:70



以上のように,基本的には自転車の過失割合が低くなっていますが,自転車が信号無視をしている場合(赤や黄色で進入してきた場合)には,自転車の過失割合のほうが上がっていることがわかります。

自転車を運転する場合であっても,くれぐれも信号無視をしないように注意が必要です。




▼参考記事
・解決事例078兼業主婦が14級9号の認定を受け420万円を獲得した事例」

(弁護士法人よつば総合法律事務所  弁護士 佐藤 寿康 )
◆弁護士 佐藤のプロフィール




交通事故でのシートベルト,チャイルドシートと過失相殺

2016年04月12日
このエントリーをはてなブックマークに追加

 交通事故の被害者が後部座席のシートベルトやチャイルドシートを装着していなかった場合,加害者に請求することができる損害賠償金にどういう影響を与えますか。
 過失相殺され,賠償額が減額される場合があります。




◆過失相殺
交通事故における損害の発生やその損害の拡大について被害者側にも過失(原因)がある場合,すべての責任を加害者に負わせることは不公平になってしまいますので,被害者側の寄与度すなわち過失の割合に応じて,被害者が加害者に請求できる損害賠償額が減額されることになります。

◆後部座席のシートベルト装着義務
平成19年に道路交通法が改正され,助手席以外の同乗者についても,運転手がシートベルトを装着させる義務が規定されることになりました。この義務は運転手を名宛人としていて,後部座席に座った人が義務を負うものではありません。

◆後部座席のシートベルト不装着の場合の判例の傾向
平成19年の道路交通法改正後からシートベルト不着用が被害者側の過失として認められるようになり,典型的なシートベルト付着用の事案においては,被害者の過失割合が5〜10%の範囲で認められることが多いです。もっとも,後部座席で横になって寝ていた事案や,両下肢麻痺の運動障害があって下肢で自分の体を支えられないのに装着しなかったような事案では,20%の過失が認められています。

◆後部座席のシートベルト不装着でも過失相殺が否定される場合
道路交通法上,疾病,負傷,障害,妊婦中などの理由からシートベルトを装着することが適当でない若しくは著しく肥満しているためにシートベルトを装着することができない者についてはシートベルトの装着義務を免除しています。このような理由で被害者がシートベルトを装着していなかった場合であれば,過失相殺を理由に賠償額を減額されない可能性があります。また,加害者居眠り運転をしていたなど,加害者に著しく大きい過失がある場合にも過失相殺が否定されることがあります。

◆チャイルドシートの装着義務
平成11年に道路交通法が改正され,運転手にチャイルドシートを装着することが義務付けられました。この義務も後部座席のシートベルトと同様運転手の義務となっています。

◆チャイルドシート不装着の場合の判例の傾向
チャイルドシート不装着の事案においては,装着するのが幼児であり,幼児自身には過失を観念することはできませんので,チャイルドシートを使用しなかった父母の過失として評価されることになります。判例の傾向としては,5〜10%の過失を認めることが多いです。

◆助手席との比較
一般的な事案では,助手席でのシートベルトの不装着の事案における被害者の過失割合は5〜20%とされていることが多く,後部座席の事案に比べて高くなっています。これは,後部座席のシートベルトの装着が助手席に比べていまだ普及していないという現状によるもので,これから後部座席のシートベルト不装着の事案における過失割合は上昇する可能性がありますので,車に乗る際は,後部座席であってもシートベルトを着用するように心がけましょう。

(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 加藤貴紀)

プロフィール
弁護士法人よつば総合法律事務所
地域最大級の弁護士14名が所属しております。事務所名の「よつば」は事務所に関わる人が皆幸せになるようにとの思いから名付けました。お気軽にご相談ください。
柏事務所:千葉県柏市(柏駅徒歩3分)
千葉事務所:千葉市(千葉駅徒歩3分)

2017年 04月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
最新記事