カテゴリー: 休業損害

サラリーマンが交通事故に遭って休業した場合,どのような補償をしてもらえますか?

2016年10月14日
このエントリーをはてなブックマークに追加

私はサラリーマンですが,交通事故によって負った怪我のため,会社を休まざるを得なくなりました。会社を休んだ場合,休まなければ得られたはずの給料を支払ってもらえるのでしょうか?

交通事故によって負った怪我を原因として会社を休んだ場合,休業損害という補償が受けられる可能性が高いです。



【休業損害について】



◆休業損害



交通事故によって負った怪我を原因として休業した場合で,怪我の治癒/症状固定の時期までに本来仕事を休まなければ得られるはずであった給料を得られなかった損害のことを休業損害といいます。


◆休業損害が認められる場合


事故によって負った怪我を原因として仕事を欠勤,遅刻,早退した場合や,労働能力の低下により減給になった場合に,その減収分が休業損害として補償の対象となります。


通院のために欠勤した場合も休業損害の対象になります(ただし事故からだいぶ日数が経っている場合などは損害に含まれるのか争いになる場合があるので注意が必要です)。



◆有給休暇を使用しても休業損害の対象になる




欠勤,遅刻,早退をする場合に,有給休暇を取得した結果,実際の減収がない場合もあります。
その場合でも,本来であれば自由に取得できるはずの有給休暇を,事故による怪我のために消化していることになるので,休業損害の対象となるのです。


この点,保険会社の担当者は「有給休暇を使った場合には給料が出ているから休業損害は支払えません」と言ってくることが多いのですが,本来なら支払われますので,このような言葉に惑わされないように注意しましょう。





◆休業損害の計算方法



一般的には,
事故前3か月間の給与総額÷事故前3カ月の就業日数=1日当たりの平均賃金
1日当たりの平均賃金×休業日数


で計算することが多いです。休業損害の計算に当たっては,住民税・社会保険料などを控除しない給与総額で計算します。
なお,保険会社によっては,上記の計算において,

事故前3カ月間の給与総額÷90日=1日当たりの平均賃金
1日当たりの平均賃金×休業日数=休業損害


として計算してくる場合もありますが,この計算方法によると,1日当たりの平均賃金の算出にあたり,給与総額を就業日数ではなく90日(3カ月)で割っています。
つまり,就業していない休みの日も含めた1日当たりの平均賃金の算出方法になっています。




この1日当たりの平均賃金に,単に休業日数を掛けると,1日当たりの平均賃金が低く計算されてしまい,休業損害全体が低く計算されることとなります。そのため,1日当たりの平均賃金の算出方法において,きちんと就業日数で割られているかしっかりと確認する必要があります。




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 前原 彩)






交通事故の被害者が主婦の場合,休業損害はいくらもらえますか?

2016年06月16日
このエントリーをはてなブックマークに追加

交通事故の被害者が主婦の場合,休業損害はいくらもらえますか
 女性の平均賃金額をもとに計算した金額を,交通事故が原因で家事労働ができなかった期間について請求することができます

【主婦の休業損害】



■主婦の休業損害の計算方法
交通事故による怪我が原因で休業し,収入が減少した場合,
その現実の収入減を加害者に請求することができます。
会社員であれば,実際に収入が減少した金額を請求することになります。
家事従事者については,家事労働を休業した場合に,休業損害の賠償請求をすることができます。家事従事者とは,性別に関係なく(主夫も含みます),実際に家事労働をしている人のことをいいます。
現在の裁判例では,家事従事者の休業損害は,賃金センサスの女性平均賃金を基礎に損害額を計算することになります。
たとえば,交通事故の怪我が原因で3カ月間家事労働が全くできなかった場合,平成26年の賃金センサスを用いると,1日あたり9976円の3か月分にあたる89万7830円を請求することになります。

■保険会社の提示金額
加害者側の保険会社が最初に提示してくる休業損害の金額は,低額であることが多いです。
被害者側に弁護士がついていない事案ですと,保険会社の提示は,@1日あたりの休業損害額が低い,あるいはA休業損害が支払われる期間が短いことが多いです。たとえば,主婦の方の休業損害について,休業1日につき5700円で計算した金額を提示してきたりします(自賠責保険基準は休業1日につき5700円ですが,裁判基準よりも低い基準です。)。
そのため,休業損害については,しっかりと相手保険会社と交渉をして,適正な金額まで引き上げる必要があります。

■兼業主婦の休業損害
家事労働者でパートやアルバイトをしている方の場合(いわゆる兼業主婦の場合)でも,休業損害を請求することができます。
現在の裁判例では,仕事の現実収入が女性の平均賃金を超えるときは仕事の現実収入を,女性の平均賃金を下回るときは女性の平均賃金を,それぞれ基礎として休業損害を計算するのが一般的です。

■休業期間
休業損害の補償が受けられる休業期間はケースバイケースで,一概に何カ月と決まっているわけではありません。
実際に家事労働をできなかった期間を判断することは難しく,家事労働の状況,傷害の内容,回復具合,通院状況等の諸事情を考慮して休業期間を決めていくことになります。裁判例によっては,たとえば,入院期間中は100%,退院した後の通院期間中は70%の休業損害を認めるなど,段階的に休業損害の金額を算定することがあります。

(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 今村 公治)

休業損害打ち切りへの対抗方法

2016年05月12日
このエントリーをはてなブックマークに追加

 休業損害打ち切りに対抗する方法を教えてください。
 様々な方法があります。任意保険会社に休業損害延長を要請する方法や,他の保険に請求する方法があります。後遺障害申請を行う方法もあります。



◆休業損害について
事故当初休業損害の支払が加害者側任意保険会社からされている場合,事故から数か月すると休業損害の打切りを保険会社がいってくることがあります。休業損害の妥当な期間というのは最終的には裁判所で裁判官が決めることにはなりますが,まだ治療中の段階の場合には現実的な対応としていくつかの対応があります。

◆加害者側任意保険会社への要請
加害者側任意保険会社に要請をして期間延長をする方法があります。(1)医師の診断書,(2)職場が就業しないよう命令していることがわかる書類などがあると延長が認められやすくなるでしょう。あと1ヶ月,あと2ヶ月と期間を限定しての交渉だと加害者側任意保険会社も交渉に応じやすくなります。
なお,医師の診断書は,「休業の必要性あり」という趣旨の記載まであれば理想ですが,そこまでいかなくても,仕事ができない理由,仕事をできない症状があることなどを何らかの形で記載していただければよいかと思います。

◆労災保険への申請
通勤中の事故,勤務中の事故の場合には労災保険への申請をすることが可能です。一般には,加害者側任意保険会社よりも労災の方がより緩やかに休業損害(休業補償給付)を認定してくれることが多いです。職場の協力も必要となりますので難しいこともあるかもしれませんが,労災保険への申請も1つの方法です。

◆人身傷害保険への申請
自らが加入している保険に人身傷害保険特約がある場合には,人身傷害保険へ休業損害の請求をする方法もあります。加害者側任意保険会社と同様の判断のこともありますが,加害者側任意保険会社よりも緩やかに休業損害を認めてくれることもあります。

◆休業を続けて後日裁判等で請求
支払われないリスクはありますが,休業を続けた上で後日裁判などで未払い分の休業損害を請求する方法があります。この方法の場合,当面の生活費の確保が難しくなることも十分にありえますので慎重な配慮が必要です。

◆後遺障害申請
事故後6ヶ月を経過しているような場合には,仕事の開始が可能であれば,仕事は開始した上で後遺障害申請をする方法もあります。後遺障害が認められれば,認められた後遺障害に応じた逸失利益が認められます。この逸失利益は数十万円のこともありますが,後遺障害が重い場合には何千万という金額になることもあります。

(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)
プロフィール
弁護士法人よつば総合法律事務所
地域最大級の弁護士14名が所属しております。事務所名の「よつば」は事務所に関わる人が皆幸せになるようにとの思いから名付けました。お気軽にご相談ください。
柏事務所:千葉県柏市(柏駅徒歩3分)
千葉事務所:千葉市(千葉駅徒歩3分)

2017年 04月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
最新記事