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交通事故で高次脳機能障害になった人の症状が千差万別なのは,どうしてですか?

 
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交通事故で高次脳機能障害になった人の症状が千差万別なのは,どうしてですか?

交通事故などで高次脳機能障害になった人の症状が千差万別なのは,脳を損傷した場所がわずかに違うだけで違う領域の運動や感覚に影響するからで,これを脳のマップと言います。




 高次脳機能障害 : 脳のマップ 



◆脳のマップとは?




交通事故などによる衝撃が原因で,脳の組織が破壊されて発症する高次脳機能障害は,さまざまな症状が現れる病気です。

しかも,その症状は人によって異なることから,万人に当てはまる画一的な治療方法といったものはなく,患者さんごとにていねいに診断し,高次脳機能障害の治療経験が豊富な専門医による治療が不可欠です。




なぜ脳を損傷すると,これほど多種多様の症状が現れるのでしょうか?

それは,脳にはマップ(地図)があり,その人の行動や感情は,そのマップに示された場所ごとに分担が決められているからです。

脳のマップは,1909年にドイツのブロードマン博士が大脳皮質組織の神経細胞を染色し,組織の構造が同じ場所ごとに番号を振ったものが始まりで,大脳皮質の局所ごとの役割を52の部位に分けて示しました。

一方,カナダ人のペンフィールドは,大脳皮質に電気刺激を与えて,運動野と感覚野がエリアごとにどんな役割を果たしているかを明らかにしたペンフィールドマップを考案しました。







◆怪我をした場所のわずかな違いで症状に大きな差が




脳のマップで違う区分を傷付ければ,症状が異なります。

頭を打って高次脳機能障害と診断されたAさんの主な症状は失語症だが,同じような怪我をしたように思われたBさんは記憶障害の症状が目立つといったことが起こるのは,脳のマップで示すところの違う場所が傷ついたからなのです。

大脳皮質は,ごくわずかな場所の違いにより,役割がまったく異なることがお分かりと思います。

ペンフィールドマップによると,ヒトの大脳皮質のなかでも広いエリアを占めているのが,手や指の領域です。

これは,手や指を器用に操って生き延びてきた人類の祖先にとって,手や指の感覚を研ぎ澄ますことが必要不可欠だったためと考えられています。




ペンフィールドマップは,大脳の中心溝を中心に左右対象に並んでいます。

たとえば,マップ上で足の動きに関する領域が傷つくと,足に障害が現れます。一方,ペンフィールドマップで,膝の領域の隣りは臀部(でんぶ)そして体幹と並んでいるので,ほんのわずか傷つく場所が違ったら,足ではなく,おしりや体幹の感覚に障害が現れます。




このように,脳を傷つけた場所と症状の現れ方には,科学的に裏付けされた関連性があるのです。

アメリカ合衆国では,コンピューターによる画像解析により,脳のマップを180の区画に分けることに成功しました。今後,ヒトの脳に関する研究が進むにつれて,脳のマップがさらに精密に作成される日が来るかもしれません。




参考記事
http://tocana.jp/2016/08/post_10511_entry.html




▼参考記事
・高次機能障害を負われた方の解決事例
・高次脳機能障害の症状に気付くには,どのようにすればよいですか。
・高次脳機能障害と家族の会




(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)
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