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2018年10月

交通事故で高次脳機能障害になった時の支援について教えてください。

2018年10月01日
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交通事故で高次脳機能障害になった時の支援について教えてください。

交通事故などが原因で発症する高次脳機能障害は完治が難しい病気ですが、環境を整え、適切な支援をすることで症状が緩和します。







 交通事故で高次脳機能障害になった人の支援(1) 




◆完治しない病気だからこそ支援が必要




交通事故などによる頭部外傷が原因で発症する高次脳機能障害は、完治しない病気と言われています。

そう聞いただけで、患者さんは絶望的な気持ちになってしまうかもしれません。
さらに、高次脳機能障害の特徴として挙げられるのは、発症直後の症状が一番重く、それより病状が進むことはないということです。

つまり、症状が消えることはないが、病気になってしばらくすると症状が安定するのです。


そう聞くと、それならば、特別な看護はしなくても、じっとして症状が落ち着くのを待てば良いと思うかもしれませんが、そうではありません。

専門的な知識を持った医療従事者が、適切な支援をすることこそが、高次脳機能障害の症状を緩和することにつながるということを、ぜひ知っておいてほしいのです。

医師や看護師、理学療法士や作業療法士などの専門家が行う看護や治療は、完治を目的とするというよりも、症状を和らげ、もとの生活の戻るための支援と考えても良いでしょう。









◆患者を支援する方法



医療従事者が高次脳機能障害の患者さんを支援するには次のような方法があります。


【生活環境を整える】

高次脳機能障害の人は、与えられたミッションを達成する能力があるにもかかわらず、ちょっとしたことで興奮したり、精神的に不安定になって、本来はできることができなくなったり、他者との人間関係が悪化します。

そのため、生活環境を整え、能力を引き出し、確実にできることを増やしていきます。

たとえば、日にちや時間がわからなくなる症状がある人は、カレンダーを目立つ場所に貼り、予定を書くようにします。

リハビリテーションの予定などを書くことは、予測や準備といった時間に対する概念の鍛錬になります。





【視覚的刺激の活用】

人間の記憶には限界があります。
健康な人でも、人の名前や約束の時間を忘れることがあります。
皆さんも、大事な約束を手帳にメモすることがあるでしょう。

高次脳機能障害の後遺症の一つに、物忘れがはなはだしく、新しい経験ほど覚えていない記憶障害があります。

そこで活用したいのが視覚的な刺激です。

メモを取っても、メモしたことすら忘れている可能性があるので、大事な約束を付箋に書いて壁に貼るなどして、記憶を呼び起こすようにします。
トイレなどの毎日必ず通る場所に予定表を貼るのも良いでしょう。


物の名前と用途が一致しない記憶障害もあります。

ハサミ、歯ブラシなど良く使うツールのイラストとその名称を書いた絵カードを身近に置いて名称と使用方法を確認する訓練を行うこともあります。








▼参考記事
・交通事故で高次脳機能障害になった際,早期にリハビリテーションしたほうが良い理由はなぜですか?
・交通事故ブログ:高次脳機能障害
・頭(脳)に怪我を負われた方の解決事例

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

妻が交通事故で高次脳機能障害になりました。どのような支援をすればよいでしょうか?

2018年10月03日
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妻が交通事故で高次脳機能障害になりました。どのような支援をすればよいでしょうか?

交通事故で高次脳機能障害になり遂行機能障害を発症した人の支援では、依頼事を一度に出さず、一つの課題をクリアしたら次の課題を与えるようにしましょう。





 交通事故で高次脳機能障害になった人の支援(2) 




◆複数の指示を理解して遂行するのは困難なことも



高次脳機能障害は、頭部外傷で脳を損傷した人がかかる病気で、交通事故やスポーツ外傷が主な原因となっています。

高次脳機能障害はさまざまな後遺症を伴う病気ですが、その一つに遂行機能障害があります。

遂行機能とは、ある目的を持って順序立てて活動するために必要な能力のことです。


今日は天気が良いので洗濯物が良く乾きそうだ、布団も干そうと思えば、朝から洗濯機を回し、布団を干すでしょう。

天気が良い・濡れた衣類が良く乾く・洗濯するのに適した気候だ・洗濯しよう・布団も干そう・夕方には洗濯や布団を取り込む作業が待っている・その後は洗濯物を畳まなければ・・・私たちはこれらの活動を、ごく当たり前のように結び付けてこなしていますが、遂行機能障害になると、こういった作業が困難になります。

つまり、計画が立てられず、課題を正しい方法で続けることができないのです。
もし、なにか課題を与えてやらせてうまくできなくても、結果に無頓着な場合もあります。


高次脳機能障害という病気を理解していなければ、こんな簡単なこともできないのか?とか、前はできたことがなぜできないのか?とか、誤った結果になって反省しないのか?と、患者さんを責めたくなるかもしれません。

しかし、これら一連の動作や反応は、遂行機能障害が原因なのですから、患者さんが混乱せずに課題をこなせるように周囲が気を配るべきです。





そのためには、複数の指示を同時に出さないようにすることが大事です。

外出するならスーパーマーケットでティッシュペーパーを買ってきてほしいけど、天気予報では夕方から雨なので、雨が降ってきたら荷物になるから買ってこなくてもいいです、それと、もし衣類用洗剤がバーゲンでお買い得になっていたら買ってきて、などという頼み事は、遂行機能障害の人がもっとも苦手とする指示です。

遂行機能障害の人は、知能が低下したわけではありませんが、指示を一つひとつバラバラに与えなければ混乱してしまうのです。









◆一つの課題をクリアしたら次の課題へ




高次脳機能障害で遂行機能障害を発症した人に頼み事をする場合は、1つ1つ明確に分けて行いましょう。

上記の依頼事でしたら、スーパーマーケットでティッシュペーパーを買ってきてください、という指示だけで終わりにします。

指示を簡潔にして、それを達成したら、また別の課題を与えるようにするようにして、支援していきましょう。







▼参考記事
・家族が交通事故に遭いました。高次脳機能障害の遂行機能障害の可能性があるとの診断でしたが,どのような障害なのでしょうか?
・交通事故で高次脳機能障害になった際,早期にリハビリテーションしたほうが良い理由はなぜですか?
・交通事故専門チームによるご相談

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故で高次脳機能障害になった人への支援について教えてもらえますか?

2018年10月04日
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交通事故で高次脳機能障害になった人への支援について教えてもらえますか?

高次脳機能障害の人は抽象的な話が苦手なので、会話をする時は具体的に話しましょう。





 交通事故で高次脳機能障害になった人の支援(3) 




◆高次脳機能障害の人は抽象的な話は苦手




交通事故が原因で高次脳機能障害を発症した人に起こる後遺症の一つに失認(しつにん)があります。

失認とは、見る、聞く、触るといった感覚による認知がうまくできなくなることです。

顔や風景を認識できない、体の部位を認識できないといった症状が現れることもあります。



顔を認識できない相貌失認(そうぼうしつにん)になると、良く知っている人と会っても、相手が誰だかわかりません。

こんにちは、今度うちに来てご飯を食べませんか?などと声をかけても、相手が誰だかわからないので困ってしまうのが相貌失認の患者さんです。
このような症状を発症していることをあらかじめ聞いていたら、○○中学校同級生の□□です。と、まず自分と相手の関係を理解してもらってから会話を進めましょう。



なお、今度うちに来ない?の今度という表現は、いつなのか?という意味でとてもあいまいで、高次脳機能障害の人がもっとも苦手とする表現のひとつです。

上記の会話を、高次脳機能障害が理解しやすいように表現するならばこのように話すと良いでしょう。

こんにちは、○○中学校同級生の□□です。来週10月1日の水曜日にうちに来て夕ご飯を食べませんか?









◆名称と実物を結び付けるように支援する




失認のなかでも物体失認になると、良く知っているものを見てもそれが何か、どのように使うのかわからなくなります。

しかし、知能が衰えているわけではなく、その物体に触ると何かわかるのです。

絵カードを見せて物の名前を覚えさせる訓練が行われますが、実物を見ると、平面の絵と立体では印象が違うこともあり、理解できないこともあります。

しかし、繰り返し行うことで認知度が上がっていくので、支援する人は、根気よく訓練を続けていくことが求められます。




視覚失認になった高次脳機能障害の人は、調理器具の使い方はおろか、その名称すら見ただけではわからなくなります。

そんな時、家族の人は、こんなこともわからないのかと嘆いたりせず、ひとつひとつ、物に触れさせて名称を教えてあげてください。









◆状況把握ができないことを認めさせる




失認の症状の一つに病態失認(びょうたいしつにん)があります。


病態失認の人は、自分の病状を認識できません。
まだ十分に歩行機能が回復していないのに、来週から復職します、なんでも自分でできるし、日常生活で問題ありません、などと言うのが、病態失認の人の特徴です。


病状が十分回復していないのに職場復帰したら、周囲に迷惑をかけ、本人も嫌な思いをするでしょう。

高次脳機能障害で病態失認になった人には、頭ごなしに否定せずに、できることとできないことを理解してもらうように努めましょう。






▼参考記事
・交通事故に遭って高次脳機能障害になった場合,右脳と左脳が関係すると聞きました。どのような後遺症になりますか?
・交通事故で高次脳機能障害になったら何故リハビリテーションが必要なのでしょうか?
・交通事故の注目の裁判例

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故で高次脳機能障害になった際の仕事のやり方について一例を教えてください。

2018年10月05日
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交通事故で高次脳機能障害になった際の仕事のやり方について一例を教えてください。

高次脳機能障害で記憶障害を発症して仕事上の約束を守れませんでしたが、自分なりに工夫したメモを作り約束を守れるようになりました。





 高次脳機能障害だが自分なりのメモで約束が守れるようになった事例 




◆退院後すぐに仕事を再開



(28歳女性イラストレーター)
交通事故に遭い、頭を打ったのが原因で高次脳機能障害になりました。

入院しましたが、意識ははっきりしているし、手足を骨折したわけでもないので、じき退院してもとの生活に戻れると思っていました。

高次脳機能障害という病気については、お医者さんから説明がありましたが、自覚症状は特にないので、軽く済んで良かったと胸をなでおろしたくらいです。

2週間の入院で退院し、自宅に戻って仕事を再開しました。

私はイラストレーターで、普段は家で仕事をしています。
クライアントとの打ち合わせで外出したり、資料をあさりにイベントや展覧会を回ることもあります。
フリーで仕事をしている者にとっては、一日休めばそれだけ収入が減るので、ともかくすぐに仕事を始めたかったのです。

退院する時にリハビリテーションに通うように指導を受けましたが、その時間がもったいなくて、退院後、数回通っただけでリハビリテーションは中断してしまいました。








◆物忘れがひどく仕事でクレームの嵐




仕事を再開してから、大きな失敗を繰り返すようになりました。
イラストは以前と同じように描けるのですが、約束事を守れなくなったのです。

守れないというか、忘れてしまってすっぽかすという方が正しいでしょうか。
受注した仕事の納期を忘れて、納期を守れないことが繰り返されました。

雑誌出版社と打合せをする約束があったのですが、その約束を忘れて決められた時間と場所に行きませんでした。
出版社はあきれかえるし、納品が遅れてしまった相手先は激怒するし、消え入りたいほど恥ずかしかったです。



これまでは、納期に遅れたことはないのが自慢でしたし、約束の時間の30分前には現地に到着するように心がけていた性格です。

どうしてこんな風になってしまったのか・・原因は高次脳機能障害でした。
中断していたリハビリテーションを再開し、仕事で曹禺している困難な状況を訴えたところ、記憶障害を指摘されました。




病院で勧められたのが、自分なりに工夫したメモを部屋に貼ることです。

私の部屋は、イラストレーターという仕事柄、紙が多いので、小さなメモでは周囲の風景に紛れて目立ちません。

そこで、要らなくなった大判の紙で特大のメモを作ることにしました。

まず、ベッドサイドに、油絵を描くときなどに使うイーゼルを起きました。
そして、イーゼルに必要事項を6月22日(火)11時○○出版社訪問などと書いた紙を立てかけるのです。メモは、ベッドに横になった時に良く見える場所に置きました。

寝る前も、起きた時も、メモの内容が目に飛び込んできます。
おかげで、約束を忘れることはなくなりました。




高次脳機能障害の人は、生きづらさを抱えていることも多いと思いますが、自分なりの工夫でその生きづらさを和らげることができると思います。






▼参考記事
・高次脳機能障害ブログ
・交通事故による後遺障害の解説
・当事務所の交通事故解決事例

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

高次脳機能障害の後遺症である失行の事例について教えてください。

2018年10月09日
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高次脳機能障害の後遺症である失行の事例について教えてください。

交通事故により高次脳機能障害の後遺症である失行を発症しましたが、物の置き場所やものごとの手順をきちんと決めることで生活しやすくなりました。





 高次脳機能障害にとって手順は大事 




◆家でも会社でも非難を受けて落ち込む




(38歳男性会社員)

高次脳機能障害を発症した原因は交通事故です。

休みの日に趣味のバイクを運転していたら、センターラインオーバーの車にはねられて転倒し、頭を打ったのです。

1カ月の入院後、自宅療養で病院に通ってリハビリテーションに専念しました。
家族は妻と2人の子どもで、2人とも小学生ですから、早く仕事に復帰して家族を養わなければならないという思いが強かったです。

私の後遺症は、失行(しっこう)というものだと主治医の説明を受けました。
何かしようと思っても、手順を間違えたり、道具をうまく使えないのが失行だそうです。

でも、自宅に帰ればリラックスして後遺症も良くなるだろうと思っていました。

私の仕事は、工場監督です。
職場環境を整え、人材のスキルアップをサポートするのも私の仕事です。
その私が、家に帰ると間違いを連発したのですからおかしな話です。








◆物の置き場所と手順を決めることにした




居間には、家族で映画鑑賞をするDVDや音楽のCDがラックに収納されていて、その横には子どものおもちゃやゲームソフト、妻の手芸用品も置いてありますが、それらが私にとっては混乱の極みで、頭がもやもやして耐えられないし、DVDを選ぶことができませんでした。

物の置き場所があいまいなので混乱を招いてしまうのです。

夕ご飯とお風呂、どちらを先にするかという質問も私にとっては負担でした。
その日によってスケジュールが変わるということは苦痛なのです。
そこで、妻と話しあい、毎日、夕ご飯を済ませてからお風呂、そしてテレビを見て就寝と、手順をきめるようにしました。

物の置き場も決めたところから変えないようにし、シャツやズボン、靴も同じ順番でハンガーにかけてもらうようにしました。
手順が決まっていると気持ちが落ち着いて、健康な体を取り戻しつつあると実感できるのです。


私自身も、自室のデスクの上の文房具を常に同じ位置に置くように心がけました。
いつも同じ場所にあるものを同じ手順で使うという安心感を得て、失行の症状が軽くなっていったように感じます。

来月には会社に復職しますが、会社には高次脳機能障害のことや後遺症の特徴について伝えています。


病院には社会復帰を支援するチームがあり、私が勤務する会社とも連絡を取って、職場環境作りについて助言してくれました。
以前とまったく同じようには時間がかかるかもしれませんが、できる範囲でやっていこうと思います。







▼参考記事
・交通事故に遭うと,視覚に異常が出ることがありますか?
・家族が交通事故に遭いました。高次脳機能障害とコミュニケーション障害について教えてもらえますか?
・頭(脳)に怪我を負われた方の解決事例

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故に遭いました。弁護士費用特約は裁判費用もカバーしてくれるのですか?

2018年10月10日
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交通事故に遭いました。弁護士費用特約は裁判費用もカバーしてくれるのですか?

はい,カバーできます。弁護士の相談料,着手金,報酬金,日当,実費などすべて弁護士費用特約による補償の対象です。




 交通事故 : 弁護士費用特約 




◆弁護士費用特約がカバーする範囲




弁護士費用特約とは,自動車保険が交通事故に関してかかった費用を負担してくれる特約です。

交通事故で弁護士に相談したり手続を依頼したりしたとき,保険会社が弁護士費用を支払ってくれます。

以下で,弁護士費用特約がカバーしてくれる範囲を具体的にご説明します。


【相談料】
まずは,弁護士に相談したときにかかる法律相談料がカバーされます。10万円分までであれば,何度でも弁護士に無料で相談できます。

【示談交渉の費用】
弁護士に示談交渉を依頼したときの費用もすべて自動車保険が負担します。
着手金,報酬金,郵便の費用などの実費などが対象となり,合計300万円の限度額になるまでは,被害者に負担部分が発生しません。

【調停の費用】
示談が決裂して調停を行うときにも,弁護士費用特約が適用されます。弁護士の着手金,報酬金だけではなく,裁判所に支払う印紙代や郵便切手,交通費などの実費もすべて保険会社から出してもらえます。

【ADRの費用】
示談交渉が決裂したとき,交通事故相談センターなどのADRを利用して解決を目指すケースがあります。ADRでも,弁護士に代理人を依頼することができますが,そのときの費用も弁護士費用特約から支払われます。弁護士の着手金や報酬金だけではなく,実費や日当などもカバーされます。
やはり,300万円までであれば被害者に負担部分が発生しません。

【訴訟の費用】
示談交渉が決裂したとき,弁護士に損害賠償請求訴訟(裁判)を依頼することもあります。その場合の弁護士の費用も弁護士費用特約によって補填されます。弁護士の着手金,報酬金だけではなく,裁判所に支払う印紙代や郵便切手の費用,弁護士の交通費などの実費,日当なども補償の対象です。やはり限度額が300万円となります。

【後遺障害認定の費用】
弁護士に後遺障害認定を依頼すると,手数料や実費が発生することがありますが,そのような費用も後遺障害が認定された場合は弁護士費用特約から支払いを受けられます。









◆弁護士費用特約がカバーする弁護士費用の種類




弁護士費用特約でカバーされる弁護士費用の種類をまとめると,以下のようなものとなります。


・法律相談料
・着手金
・報酬金
・日当
・手数料
・実費


つまり,すべての弁護士費用が補償の対象になるということです。

限度額は,法律相談料で10万円,それ以外の手続きにかかる費用で300万円となっています。


弁護士費用特約を利用すると,費用負担なしに(あるいは軽く)弁護士に相談・依頼できるので非常にメリットが大きいです。

当事務所でも弁護士費用特約事案の取扱いがありますので,適用される場合には,是非とも一度ご相談下さい。






▼参考記事
・2020年には弁護士費用特約はどのようになっていると思いますか?
・弁護士費用特約のよくある誤解
・交通事故と弁護士費用特約のすべて

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(よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤寿康)

交通事故の物損事故で和解契約書にサインした後に,その他の損害があることが判明しました。和解は取り消せますか?

2018年10月12日
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交通事故の物損事故で和解契約書にサインした後に,その他の損害があることが判明しました。和解は取り消せますか?

いいえ,取り消すことはできません。ただし,相手の詐欺や強迫などによって和解してしまった場合には取り消せる可能性があります。




 交通事故 : 和解契約 




◆和解契約の効果




本件のように,交通事故でいったん和解契約書にサインしてしまった後,取り消すことはできるのでしょうか?

まずは和解契約の効果を確認しましょう。

和解契約は,加害者と被害者が交通事故で発生した損害について話合い,賠償金の金額や支払方法について合意する契約です。


契約が成立すると当事者双方を拘束するので,どちらか一方の一存で破棄することはできません。

また,和解契約をするときには,通常「本件で定める以外にお互いに債権債務がないことを確認する」という条項を入れます。このことにより,後に無駄なトラブルが発生する事を避けられます。

そこで,後から「この損害についても追加で支払ってほしい」と言っても通用しないのが原則です。









◆和解契約を取り消せる場合とは



それでは,いったん和解契約を交わしてしまったら,一切取消ができないのでしょうか?
実は,そういうわけでもありません。


まず,相手の詐欺や強迫によって無理矢理和解させられてしまった場合には,法律上取消権が認められます。そこで,相手に対して取消を主張して,示談をやり直すことができます。

また,契約の重要な要素に錯誤があった場合には,契約の無効を主張できます。

たとえば,相手が「この過失割合で和解しても,あなたの保険会社が支払うのであなた自身には負担が発生しない」と言ってきたので和解したところ,実は自腹で支払をしなければならないことが判明した場合などには錯誤無効を主張することができるでしょう。









◆その他の損害があると判明した場合




今回のように「(物損事故で)別の損害があると判明した」というだけでは,契約の取消や錯誤無効の主張が難しくなる可能性が高いです。

物損事故の場合,交通事故と同時にすべての損害が発生するので,和解契約時にもその損害は明らかになっていたと考えられるからです。「損害発生に気づかなかった」と主張しても「重過失」があると言われて錯誤無効の主張は認められにくいでしょう。

相手が脅迫して無理矢理和解契約書にサインさせたり,あえてだまして示談させたりしたのであれば強迫や詐欺にもとづく取消ができますが,そうでなければ取消も難しくなります。



いったん和解契約をすると,簡単に取消や撤回はできません。対応に迷われたときには,お早めに弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・交通事故で高次脳機能障害を発症しました。治療と示談の板挟みで,これからどうすれば良いのでしょうか?
・交通事故に遭って怪我をしたばかりです。相手の保険会社から「同意書」の提出を求められました。なんのために同意書の提出を求めてくるのですか?
・交通事故問題解決の流れ

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(よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤寿康)

弁護士費用特約は交通事故以外でも使えると聞いたのですが,他にどのような場合に使えますか?

2018年10月15日
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弁護士費用特約は交通事故以外でも使えると聞いたのですが,他にどのような場合に使えますか?

一般的な自動車保険の弁護士費用特約は、交通事故にしか適用されません。
ただ、個人賠償責任保険や医療保険、火災保険などにも弁護士費用特約がついていることがあり、そういったものの場合には広く日常生活のトラブルに特約が適用されることがあります。





 弁護士費用特約 




◆自動車保険の弁護士費用特約について



自動車保険の弁護士費用特約は、交通事故以外にも適用されるのでしょうか?

保険会社にもよりますが、従来の一般的な自動車保険の場合には、交通事故にしか特約が適用されないことが多いです。


ただし、自動車保険によっては「日常生活弁護士費用等特約」などの名称で、日常生活にも適用されるタイプの弁護士費用特約をつけられるケースがあります。

交通事故以外の日常生活のトラブルで弁護士が必要になった際には、加入している自動車保険の弁護士費用特約がどこまで適用されるのか、確認した方が良いでしょう。








◆自動車保険以外の弁護士費用特約について



あまり知られていないことがありますが、自動車保険以外の保険に弁護士費用特約がついていることがよくあります。

たとえば、火災保険や医療保険、個人賠償責任保険には、日常生活の事故や事件などで発生する弁護士費用が補償される弁護士費用特約をつけられるケースや自動付帯しているケースが多々あります。

もしもこれらの保険の弁護士費用特約をつけていたら、自動車保険に弁護士費用特約をつけていなくても、交通事故で弁護士に相談・依頼できます。

交通事故に遭ったとき、自動車保険を確認することはあっても医療保険や火災保険などは見直さないことが多いものですが、交通事故に遭ったときにも一度加入している保険内容を確認してみると良いでしょう。








◆どのような場合に弁護士費用特約が適用されるのか



日常生活に適用される弁護士費用特約は、交通事故以外の以下のようなケースで適用されます。


・離婚トラブル
・遺産相続トラブル
・隣家とのトラブル(ペット問題など)
・自転車同士の事故や自転車と歩行者の事故
(自動車が関与しない交通事故では自動車保険の弁護士費用特約が適用されない
ことが多いです)
・労災
・その他の損害賠償


ただし、本人の故意や重過失によって損害を発生させた場合などには、弁護士費用特約が適用されません。


日常生活で法的トラブルが起こったとき、弁護士費用特約を利用できたら無料または軽い負担で弁護士に相談できるので、大変心強いです。火災保険や医療保険、個人賠償責任保険などに弁護士費用特約を利用できるなら、忘れずに適用しましょう。





▼参考記事
・交通事故に遭った場合,弁護士を入れた方がいいですか。また,弁護士を入れるタイミングはいつですか?
・交通事故の損害賠償請求を弁護士に依頼すると裁判をすることになりますか?
・交通事故の注目の裁判例

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(よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤寿康)

交通事故により高次脳機能障害になった夫と帰宅時間が変わったことで大げんかするようになりました。何か対策はありますか?

2018年10月16日
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交通事故により高次脳機能障害になった夫と帰宅時間が変わったことで大げんかするようになりました。何か対策はありますか?

高次脳機能障害と診断された後で頑固な性格が激しくなった夫に手を焼き、医師の診断を受けると後遺症の症状だと説明を受け、リハビリテーションを開始することになりました。





 交通事故 : 高次脳機能障害 




◆頑固な夫がますます頑固に





夫は、以前から頑固な性格でしたが、自分の信念を曲げないという意味では男らしいと感じ、むしろ魅力の一つくらいに感じていました。しかし、事故で頭を打ってから、その頑固さに拍車がかかったのです。

医者の診断によると、夫は高次脳機能障害という病名で、脳に障害が残るが、日常生活に支障はないとのことでした。

見た目はごく普通ですし、医師から告げられた病名にはピンときませんでしたが、とりあえず日常生活を送るにあたっては問題がないというお墨付きを頂いて、安心して退院したのです。


ところが、家で生活する上で困ったことが頻発したのです。
退院後、これまでの生活習慣を守ることは良いことですし、それを否定する気はありません。
でも、度を過ぎてこだわりを持ったら、家族は困ってしまいます。


たとえば、5時に帰宅する予定だと夫に告げて趣味の歌唱サークルに参加しました。
練習会場へは路線バスで通います。
帰り道、にわか雨が降って来たのと交通事故の処理で道路が大渋滞、バスが遅れて帰宅は6時近くになりました。
すると、帰宅時間が1時間遅れたと激怒して、翌日までそのことを何度も蒸し返して怒っていました。



自宅前の道路が水道工事で掘り返されるという通知がチラシで届き、工事が始まりました。

騒音が室内まで響き渡りますが、それはお互いさま、いずれ工事は終わるしと思うのですが、夫は騒音を許せないのです。
庶民の暮らしを脅かすと、憲法の基本的人権まで持ち出し、市役所に談判に行くとまで言いだすのです。









◆これほど頑固なのにはわけがあると思い医師に相談



そこまで言い出すとは尋常ではないと危機感を抱いた私は、健康診断を理由に夫を病院に連れて行きました。

既往歴をたずねられ、高次脳機能障害と診断されたこと、最近の言動の激変について説明すると、高次脳機能障害の後遺症の一つとして、こだわりが強くなったり、感情のコントロールができなくなることがあると告げられました。

確かに、事故の前と後で夫のふるまいが変わったことは、それで説明が付きます。
健康診断で受診したのは町のホームドクターでしたが、脳神経外科のある病院に紹介状を書いてもらい、受診予約をしました。

高次脳機能障害による性格の変化と知り、不安で一杯だった気持ちが少し楽になりました。


夫が、専門医の指導を受けられると知り、それなら本格的に治療に取り組もうと前向きな気持ちを持ってくれているので気持ちが楽になりました。






▼参考記事
・家族が交通事故に遭いました。高次脳機能障害の遂行機能障害の可能性があるとの診断でしたが,どのような障害なのでしょうか?
・交通事故に遭った際,記憶障害を発症することがあるのはなぜでしょうか?
・頭(脳)に怪我を負われた方の解決事例

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故による高次脳機能障害で一時は夫婦仲が険悪になりました。

2018年10月18日
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交通事故による高次脳機能障害で一時は夫婦仲が険悪になりました。

交通事故で高次脳機能障害になったが,妻が性格の変化に気付くまで私は自覚症状がありませんでした。しかリハビリテーションで症状が改善しました。





 交通事故:高次脳機能障害  




◆病気のことで妻との言い争いが絶えない




(48歳男性会社員)
半年前に交通事故に遭い、救命救急で治療を受けた結果、1週間後には一般病棟に移り、2カ月後には退院できました。

医者の付けた病名は高次脳機能障害です。青信号が点滅している時に横断歩道を渡っていた時左折車にはねられて転び、頭を打ったのです。


とはいっても、体調はすこぶる順調、早く退院して会社でばりばり仕事をしたいという気持ちでしたし、特に自覚症状がないので、2カ月の間に完治したと思っていました。


ところが、退院して自宅で暮らし始めてからが大変です。
私としては、一日も早く復職したいと、近所をジョギングしたりして過ごしていましたが、ことあるごとに妻との言い争いが始まるのです。

食べ歩きが趣味でおいしいものを食べるのが何より好きな私は、ジョギングの帰りにスーパーマーケットに寄って食べたい食材を購入したり、気が向くと、以前から気になっていたカフェでくつろいだりするのが楽しみでした。
しかし、妻はそれが気に入りません。

スーパーマーケットで毎日パスタソースを5個買ってくるので家に30個もストックがあると言われます。

カフェでオムライスとコーヒー、パンケーキとフルーツパフェを注文したものの、あまりお腹がすいていないことに気づき、ほとんど食べずに店を出たこともあります。

カフェのレシートを見つけた妻は、そんな散財をするほどうちの家計に余裕はないと激怒しまし、財布を取り上げられてしまいました。

でも、大病をわずらった後、これくらいの楽しみは許されると思いませんか?









◆私の行動に疑問を抱いた妻が診察を予約




妻は、私の行動が尋常でないと感じ始めたようです。

金銭感覚が欠如しているようでは、職場復帰しても、スケジュール管理、書類管理など、仕事の基本でミスを犯すのではないか?
その原因は高次脳機能障害なのでは?と、妻は考えたのです。

妻は、しぶしぶ病院に行くことに同意した私と一緒に脳神経外科に診察に行き、もう一度脳について検査してもらいました。

その結果、行動障害という病名を告げられました。

高次脳機能障害による後遺症のひとつで、一般常識とはかけ離れた行動を取るが、本人にはその自覚がないのが特徴だそうです。

私は、このままの状態で仕事を再開するのではなく、リハビリテーションで行動障害の症状を改善してから職場の戻ってはどうかと提案され、同意しました。
妻は、私の人格が変わったのではなく、後遺症による行動変化だと知り、ほっとしたようです。

週3度の通院によるリハビリテーションを続けた結果、主治医から職場復帰OKのゴーサインをもらいました。

現在は、夫婦げんかをすることもないし、来月から仕事を再開することになり、明るい気持ちでいっぱいです。







▼参考記事
・交通事故に遭った後,歩くときにぶつかりやすくなったのはなぜですか?
・交通事故に遭うと,視覚に異常が出ることがありますか?
・頭(脳)に怪我を負われた方の解決事例

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)
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