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2018年08月

交通事故で遂行機能障害になった方の事例を教えてください。

2018年08月06日
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交通事故で遂行機能障害になった方の事例を教えてください。

高次脳機能障害で遂行機能障害になったGさんですが、適切なリハビリテーションと家族の支援で自分ができることとできないことを自覚し、遂行機能障害を克服しました。





 高次脳機能障害 : 遂行機能障害をどう克服したか? 




◆気が付くまで時間がかかった遂行機能障害(Gさん 女性 35歳)




交通事故で頭部を打撲し、入院したGさんは、怪我をした後、今まであたり前にできていたことができなくなったことに気が付きました。

Gさんの夫は、仕事帰りに一日おきに見舞いに来ます。
そのとき、2日分たまったタオルやパジャマなどの洗濯物を渡し、その他必要なものがあれば伝えれば、次に見舞いに来るとき、洗濯した着替えやタオルと、必要な品を買い揃えて持ってきてくれる段取りになっています。

ところが、清潔なパジャマや下着で入院生活を送りたいと思うものの、洗濯が必要な服やタオルをまとめて紙袋に入れるといった作業ができません。
夫が、必要なものがあれば買ってくると言ってくれるのですが、何が欲しいか自分でもはっきりわかりません。

その反面、夫がオレンジジュースを差し入れで持ってくると、飲みたかったのはリンゴジュースなのに人の話をまったく聞いていないと怒り出します。


Gさん夫婦の会話は、だんだんぎくしゃくしたものになっていきました。


Gさんの夫にしてみれば、仕事帰りで疲れているにもかかわらず見舞いに来て、夫婦げんかをするなんて割が合わないとガッカリです。
夫が見舞いに来ても夫婦の会話は少なくなり、笑顔も減りました。


Gさんの症状は、高次脳機能障害の後遺症の一つである遂行機能障害によるものでした。

Gさんの性格や態度が、怪我をする前から一変したことに気付いたGさんの夫は、次回の診察に同行し、自分に対する態度や、非常識とも思える言動について話しました。

その後、前頭葉の機能検査などを受けた結果、Gさんに遂行機能障害の診断が下りました。

Gさん自身は、遂行機能障害を自覚していません。
症状を緩和するために不可欠のリハビリテーションを受けるにあたって、まずやるべきことは、Gさんに、自分は遂行機能障害を発症しているというのを自覚してもらうことでした。








◆何ができて何ができないかを自覚することで前に進めた




病名を受け入れがたいGさんでしたが、リハビリテーションをすることで、できなくなったことができるようになるし、ぎくしゃくしがちな人間関係も改善するという話を聞いて、ようやくリハビリテーションに前向きになりました。

リハビリテーションは、一つひとつの課題を着実に行うことから始まりました。

たとえば、トランプを色別に分ける、ハートやスペードの形ごとにわけるなどの訓練をしました。
高次脳機能障害で遂行機能障害を発症しても知能に問題はないので、新聞紙から特定の情報を選びだす訓練も行いました。
文章を音読したあと、簡単な質問に答える訓練も交えました。

このようなリハビリテーションを続けた結果、Gさんは、自分に何ができて何ができないかを理解するようになり、夫とのコミュニケーションも良好になりました。




リハビリテーションの効果と、周囲の人の支援によって、Gさんは遂行機能障害の症状を緩和することができたのです。






▼参考記事
・交通事故で高次脳機能障害になった人の症状が千差万別なのは,どうしてですか?
・会社役員が,左膝靭帯損傷後の左膝動揺関節の症状について,12級7号の認定を受け,人身傷害保険金のほか,約970万円を獲得した事例
・当事務所の交通事故解決事例

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

損害賠償命令制度というものがあると聞きました。具体的にはどのような制度なのでしょうか。交通事故事案でも利用できることがありますか?

2018年08月09日
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損害賠償命令制度というものがあると聞きました。具体的にはどのような制度なのでしょうか。交通事故事案でも利用できることがありますか?

損害賠償命令制度は,一定の故意犯の犯罪の刑事裁判において,刑事裁判に引き続いて,裁判官が民事の審理も行って被告人に対して損害賠償命令を出す制度のことです。交通事故の場合には「過失犯」なので原則的に適用されませんが,ケースによっては適用される可能性があります。




 交通事故 : 損害賠償命令制度について 




◆損害賠償命令制度とは



損害賠償命令制度とは,犯罪の加害者の刑事裁判に引き続いて,裁判官が加害者に対し,被害者に対する損害賠償をすべきことを内容とする命令も行うという制度です。

原則的に,刑事手続と民事手続は別なので,加害者の刑事裁判を経ても被害者に対する賠償問題は解決されません。別途示談をしたり民事裁判を起こしたりして解決する必要があります。


ただ,そのようなことは被害者にとって負担が大きいので,一定の故意犯の犯罪については刑事裁判終了後それに引き続いて同じ手続で民事賠償問題も解決しようというのが損害賠償命令制度です。

損害賠償命令制度を利用すると,刑事裁判の証拠をそのまま利用できるので被害者にとっては立証の負担がある程度軽くなりますし,あらためて加害者との話合いや裁判を起こす手続などが不要となるので,時間や労力を省くことにつながります。








◆損害賠償命令制度が適用される犯罪




損害賠償命令制度は,どのような犯罪にも適用されるわけではありません。

対象となるのは,故意に人を死傷させた罪(傷害罪,殺人罪)や強制わいせつ,強制性交等罪,逮捕監禁の罪,略取,誘拐,人身売買の罪などです。

重要なのは「故意犯」に適用されるという点です。

交通事故の場合には,多くのケースで「過失犯」となるので,損害賠償命令制度が適用される事件は少ないです。








◆交通事故で損害賠償命令制度が適用されるケースと利用方法




交通事故でも,加害者がわざと事故を起こしたケースで公判請求されたときは,損害賠償命令制度が適用されます。

また,危険運転致死傷で公判請求され,被告人が同罪で有罪判決を受けたときは,損害賠償命令制度の利用対象です。

この制度を利用するためには,被害者は刑事裁判の第一審が終結するまでに「損害賠償命令の申立て」をする必要があります。申立ての際には手数料2000円と,予納郵便切手が必要です。

申立てをすると,刑事裁判の判決後に審理が始まります。担当する裁判所は,刑事裁判の裁判所と同じです。審理で開かれる期日の回数は,特別の事情がある場合を除いて4回以内とされています。

損害賠償命令の結果に不服がある場合,当事者双方とも異議申立てを行うことが可能です。どちらかから異議申立てがあったとき,手続は民事訴訟手続に移行します。

また,損害賠償命令手続の審理中において,4回以内に終結する見込みがない場合や,当事者の一方が民事訴訟手続への移行を求め,もう一方もそれに同意した場合,手続は通常の民事訴訟に移行します。




損害賠償命令制度を利用すると,民事賠償問題を刑事事件と同時に解決できるのでメリットが大きくなります。





▼参考記事
・死亡事故被害者の救済
・死亡された方の解決事例
・後遺障害等級1〜5級の交通事故の解決事例

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(よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤寿康)

交通事故の場合,物損事故でも,お互いの損害賠償請求権を相殺できないという話を聞いたのですが,どういうことなのでしょうか?

2018年08月20日
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交通事故の場合,物損事故でも,お互いの損害賠償請求権を相殺できないという話を聞いたのですが,どういうことなのでしょうか?

現行の民法では,相手から自分への不法行為にもとづく損害賠償請求権を消滅させるために,一方的に相殺することは認められていません。物損事故でも互いの損害賠償請求権を相殺できないことになっています。
ただし,合意による相殺は可能です。また,改正民法が施行されると,悪意で加えた不法行為にもとづく損害賠償請求権と,生命や身体への侵害にもとづく損害賠償請求権以外は相殺の対象として良いことになるので,物損事故の場合には相殺によって解決できるようになります。





 交通事故 : 損害賠償請求権 




◆不法行為の損害賠償請求権は,相殺の対象にできない



自分と相手のお互いが相互に債権を持っており,債権債務が両立している場合には,その債権と債務を「相殺」することによって消滅させることができます。ここでいう相殺は,当事者の一方による一方的意思表示で両債務を消滅させるという制度です。


相殺する場合,現実にお金を支払う必要はありません。相殺の意思表示をした時点で債権と債務が対当額で消滅します。
お互いに実際の支払をしなくても支払をしたのと同じ結果になるので,便宜です。


ただし,不法行為にもとづく損害賠償請求権は,相殺の例外です。現行民法では,相手の自分に対する損害賠償請求権を相殺して一方的に消滅させることはできないとされています。

つまり,自分が不法行為を行って相手に損害の賠償をしなければならない場合には,必ず現実に支払をしなければなりません。たとえ相手に対して債権を持っていても,相殺によって消滅させることができないのです。

このような決まりがあるのは,不法行為を受けた被害者を救済するためです。不法行為の被害者に対し,現実の支払を受けさせることが,被害者の救済につながるという考え方です。



交通事故は,物損事故でも人身事故でも,被害者は加害者に対する「損害賠償請求権」を取得します。そして,物損事故で相手と自分がそれぞれ相手に対する損害賠償請求権を取得しても,対当な金額で一方的に相殺をすることができません。


双方が相手方に対して,賠償金を現実に支払い合わなければならないのが原則です。









◆合意によって相殺している現状




実際には,互いに損害賠償金の支払をし合うのは煩雑ですので,当事者双方の合意によって相殺をしていることが多いです。

現行民法は不法行為にもとづく損害賠償請求権の相殺を禁じていますが,合意によって相殺することまでは禁じていないからです。









◆改正民法により,物損事故の場合は相殺が可能に




また,近日中に改正民法が施行されますが,改正民法では「悪意にもとづく不法行為による損害賠償請求権」と「生命身体に対する不法行為にもとづく損害賠償金」以外の債権については,相殺を認めています。


2020年4月1日の改正民法施行後は,物損事故の場合には合意がなくとも相殺によって解決できるようになります。








▼参考記事
・交通事故に遭い,任意保険会社の説明を受け,免責証書にサインしました。しかし,あとからよく考えると納得できないところが出てきました。改めて損害賠償請求の追加をしたいです。可能ですか?
・交通事故で自宅介護を前提とした損害賠償が認められないのは,どのような場合ですか?
・損害賠償額の計算方法

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交通事故について,民法改正で運用が変わりそうなところはどこかありますか?

2018年08月22日
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交通事故について,民法改正で運用が変わりそうなところはどこかありますか?

損害賠償請求権の時効が長くなったり,法定利率が変わることによって逸失利益が高くなったりする影響があります。遅延損害金利率は減少します。




 交通事故 : 改正民法 




◆損害賠償請求権の消滅時効について



交通事故にもとづいて,被害者が加害者に賠償金を求めることができる権利は,不法行為にもとづく損害賠償請求権です。

この権利には消滅時効があり,現在の民法においては,物損事故でも人身事故でも「損害と加害者を知ってから3年間」です。

そのため,交通事故発生時や後遺障害が残った症状固定時から3年間が経過すると,損害賠償請求権が時効にかかり,加害者に対して賠償金の支払を求められなくなってしまいます。

これに対し,改正民法では,人の身体や生命を侵害する不法行為にもとづく損害賠償請求権の場合,時効期間が5年に延ばされています。

そのため,交通事故でも「人身事故」の場合には,損害賠償請求できる期間が5年に延びます。物損事故の場合は今のままですので,新法の施行後は,人身事故と物損事故とで時効の期間が異なるようになります。









◆法定利率の変化




次に,法定利率も変わります。

法定利率とは,民法が定める利率のことです。
交通事故では,将来の減収分である「逸失利益」や将来介護費用などを計算するときに法定利率を考慮しています。

これらの損害を計算するときには,将来受け取るべきお金を先に一括で受け取ることにより,運用利益が発生すると考えられるので,その運用利益を控除します。

そのことを「中間利息控除」と言います。

現在は,法定利率が5%なので,中間利息控除の際には5%を基準として計算されています。


ところが新法施行後は法定利率が3%になるので,中間利息控除で引かれる金額が小さくなります。結果的に,逸失利益や将来介護費用を,今より多く受け取れるようになる可能性があります。


また,法定利率は遅延損害金にも影響します。

交通事故が発生すると,交通事故時から相手は遅滞に陥り,毎日遅延損害金が発生していきます。現在は年5%の割合で遅延損害金が発生していきますが,新法施行後は年3%の割合となりますので,今よりも遅延損害金が低くなると見込まれます。








◆物損事故の相殺について




現行民法では,たとえ物損事故であってもお互いに債権を相殺することができず,現実に支払をしなければならないのが原則です。

相手の自分に対する不法行為にもとづく損害賠償請求権を相殺の対象にすることができないからです。

改正民法では,生命身体に対する不法行為にもとづく損害賠償請求権や悪意の不法行為にもとづく損害賠償請求権以外は相殺しても良いことになるので,物損事故の場合には,相殺によって解決できるようになります。


以上が民法改正と交通事故の関係です。参考にしてみてください。





▼参考記事
・交通事故の逸失利益部分の損害賠償請求権は,いつから消滅時効の期間が計算されるのでしょうか?
・四輪車同士の出会い頭の事故で,相手の運転手は一時停止の規制があったにもかかわらずこっちを全く見ていませんでした。これは交通事故の重大な過失ではないのですか?
・交通事故の過失相殺とは

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不法行為における過失の意味と,交通事故などの過失相殺における過失の意味は同じなのでしょうか?

2018年08月24日
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不法行為における過失の意味と,交通事故などの過失相殺における過失の意味は同じなのでしょうか?

いいえ,同じではありません。不法行為における過失は,「加害者の不法行為」を構成する要素ですが,過失相殺における過失は,被害者が加害者に賠償金を請求するときの減額の根拠となる「被害者側の落ち度」という意味合いです。




 交通事故 : 不法行為における過失の意味 




◆不法行為における過失とは



交通事故では「不法行為における加害者の過失」「被害者の過失割合」などで,「過失」という言葉がよく出てきます。

同じ過失という言葉ですが,「不法行為における過失」と「過失相殺における過失」は,意味内容が異なります。




【不法行為の過失とは】

不法行為の「過失」は,不法行為責任発生の根拠となる要素です。

「過失」とは注意義務違反のことですが,この過失によって相手に損害を発生させてしまったときに,不法行為が成立します。
つまり,不法行為における過失は,加害者側の過失です。

そして,加害者本人に不法行為にもとづく損害賠償義務という法的な義務を発生させるものですから,そのような義務を成立させる程度の強いものである必要があります。

たとえば交通事故では,前方不注視をしていたことや脇見運転,スマホを見ながらの運転をしていたこと,ハンドル・アクセル・ブレーキの操作が不適切であったことなどが,「不法行為の過失(加害者の過失)」となります。




【過失相殺の過失とは】

これに対し,「過失相殺の過失」は,意味合いが異なります。

過失相殺の過失は,加害者ではなく被害者の過失です。

交通事故が起こるときには100%加害者が悪いケースばかりではなく,被害者にもある程度の責任があることがあります。

このようなときは,加害者と被害者の双方の注意義務違反の程度に応じて,双方の責任の割合を算定します。それが「過失割合」です。


そして,被害者に過失がある場合には,過失割合にもとづいて過失相殺を行い,賠償金を減額します。被害者にも落ち度がある以上,発生した損害について被害者も責任をとるのが公平だという考え方があるためです。

つまり,過失相殺の場面における過失は,不法行為の「被害者側の過失」を意味します。
不法行為の過失が「加害者の過失」であったのとは異なります。被害者に過失割合があったとしても,被害者が加害者に対して損害賠償義務を負うとは限りません。



以上のように,「不法行為の過失」は「加害者の過失」であって不法行為責任発生の根拠となるもの,「過失相殺の過失」は「被害者の過失」であって,賠償金の割合的減額の根拠となるものという点で,意味が異なります。





▼参考記事
・夫の運転する自動車に乗車していて,出会頭の交通事故に遭いました。私が運転していたわけではないのに,過失相殺されるのですか?
・交通事故に遭った際,シートベルト未装着だったときの過失割合について教えてください。
また,運転席・助手席と後部座席とで違いはありますか?

・交通事故の過失相殺とは

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交通事故における過失割合は,なかなか100対0にはならないといわれていますが,100対0になるのは,どのような交通事故なのでしょうか?

2018年08月27日
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交通事故における過失割合は,なかなか100対0にはならないといわれていますが,100対0になるのは,どのような交通事故なのでしょうか?

100対0になるのは,一方的な追突事故,信号無視の事故,横断歩道上を歩行している歩行者への接触事故などです。




 交通事故 : 過失割合 




◆100対0の事故は珍しい




交通事故が起こったとき「加害者」と「被害者」といういい方をしますが,実際には「被害者」にも何らかの過失(落ち度)があることも多いです。

加害者とはいっても100%の責任があるわけではなく,被害者にも損害発生の責任があることもあるということです。


そこで交通事故が起こったときには,被害者と加害者の過失割合を定めます。

被害者に過失がある場合には,被害者は加害者に対する損害額全ての賠償請求ができず,過失割合に応じた「過失相殺」によって,損害賠償金額を割合的に減額されます。









◆追突事故のケース



ただし,中には被害者にまったく過失がなく,100対0の過失割合になるケースもあります。

1つ目は,追突事故のケースです。

加害者が後方から前方を同一方向に走行していた被害者に一方的に追突した場合には,被害者には過失がないと考えられます。

ただし,前車が急ブレーキを踏んだために事故につながった場合などには,追突事故でも前車に過失が認められます。








◆信号無視のケース



2つ目は,信号無視のケースです。

たとえば交差点において,一方の車両が青信号で交差点に進入したところ,加害車両が赤信号を無視して交差点に進入してきて事故が発生した事案などでは,赤信号を無視した加害車両の過失割合が100%になることが一般的です。

ただし,加害車両が赤信号でも被害車両が黄信号であったり,被害車両が交差点内でもたもたしていたために途中で赤信号に変わってしまったりした場合などには,被害車両にも過失が認められます。








◆横断歩道を渡っている歩行者のケース



歩行者が横断歩道を渡っている場合には,道路交通法によって絶対的といえる保護を受けます。そこで,横断歩道上を歩いている歩行者と接触した場合,接触した車両の過失割合が100%となり,歩行者の過失割合は0%となるのが基本です。


ただし,歩行者が信号無視をして横断歩道を渡っていた場合には,歩行者にも過失が認められます。









◆センターラインオーバーのケース



対向方向に進行している車両同士の事故で,一方がセンターラインオーバーをして対向車線に飛び出してきたために交通事故につながった場合にも,センターラインオーバーをした車両の過失割合が100%となります。


ただし,直進車が前方不注視していた場合など過失があれば,直進車にも過失が認められます。





以上のように,交通事故の過失割合はケースによってさまざまです。過失割合に疑問がある場合には,弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・四輪車同士の出会い頭の事故で,相手の運転手は一時停止の規制があったにもかかわらずこっちを全く見ていませんでした。これは重大な過失ではないのですか?
・交通事故に遭った際,シートベルト未装着だったときの過失割合について教えてください。
また,運転席・助手席と後部座席とで違いはありますか?

・交通事故のよくある質問

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(よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤寿康)

交通事故で高次脳機能障害と診断されました。就労支援は受けられますでしょうか?

2018年08月28日
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交通事故で高次脳機能障害と診断されました。就労支援は受けられますでしょうか?

交通事故で高次脳機能障害になった人が働きたい場合、全国で330カ所ある障害者就業・生活支援センターが、就労や生活の支援を行っています。





 高次脳機能障害 : 就労支援 




◆受傷前と同じように仕事ができなくなったら




交通事故などが原因で高次脳機能障害になった人が、急性期を過ぎて回復期に入ると、理学療法士や作業療法士などが医師とチームを組んで、その人の症状に合ったリハビリテーションのプログラムを計画します。

高次脳機能障害は、脳の組織の一部が破壊されたために、さまざまな後遺症を発症するため、基本的に完治は難しい病気です。
そのため、患者さんが、怪我をする前と同じ体になれるように熱心にリハビリテーションに取り組んでも、発症する前と同じ健康状態に戻ると断言できないのです。

高次脳機能障害で、怪我をする前に仕事をしていた人は、病気になる前のように仕事をこなせなくなることがあります。

記憶力の低下や集中力の欠如による問題だけでなく、社内における他のスタッフとのコミュニケーションの問題や、得意先との意思疎通が困難になるなど、多種多様のトラブルに見舞われ、職場復帰したものの退職せざるを得ない、就労することすらままならないなど、人生設計に大きな影響を及ぼします。

扶養する家族がいる人は、生活そのものがゆらぎかねない事態です。







◆障害者就業・生活支援センター



障害者就業・生活支援センターは、「障害者の雇用促進等に関する法律」に規定されている事業で、高次脳機能障害などで就労に困難を伴う状態になった人のために作られた就業や生活に関する相談や支援を行っています。

実際に事業を行っているのは、厚生労働省や都道府県から委託された社会福祉法人やNPO法人で、東京都には6カ所あります。

障害者就業・生活支援センターの特徴は、他の事業者と連携を取りながら障害者の就業や生活を支援することです。

一般に、仕事を新たに探そうとしてまず出向くことを考えるのはハローワークですが、障害者就業・生活支援センターは、それだけでなく、市区町村の行政や、障害者就労支援センター、様々な医療機関、地域障害者職業センターなどと連携しています。

障害が重く、すぐに就労することが困難な人には、就労移行支援事業についての相談も行っています。

未成年の方が高次脳機能障害になった場合、特別支援学校と連携することができるので、豊富な情報を収集して将来の就労について計画を立てることができます。




障害者就業・生活支援センターは、就労後も、職場定着支援を行っています。

高次脳機能障害の人がせっかく仕事に就いても、仕事が合わない、周囲とのあつれきがつらいなどの問題ですぐ仕事を辞めるようなことのないようなサポート体制があるので、心強いですね。






▼参考サイト,参考記事
・障害者就業・生活支援センターについて【東京労働局】
・高次脳機能障害と気付かず,復職して苦労しました。復職する前に何かできる事はあったのでしょうか?
・交通事故で高次脳機能障害になりました。自宅から施設に通ってサービスを受ける方法はありますか?

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(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故により高次脳機能障害と診断されました。地域障害者職業センターについて教えてもらえますか?

2018年08月29日
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交通事故により高次脳機能障害と診断されました。地域障害者職業センターについて教えてもらえますか?

地域障害者職業センターは、交通事故で高次脳機能障害になった人などが働きたい場合に、職業評価や職業相談を行っています。





 交通事故による高次脳機能障害と地域障害者職業センター 




◆地域障害者職業センターは都道府県ごとに設置されている




交通事故やスポーツ外傷などが原因で脳に怪我をしたことが原因で発症する高次脳機能障害は、さまざまな後遺症を伴い、以前と同じ仕事を続けることが困難な場合があります。

そのような方には、ぜひ独立行政法人が運営している地域障害者職業センターの存在を知ってほしいと思います。

地域障害者職業センターは、基本的に都道府県ごとに設置されており、東京都に関しては、上野に本所、多摩に支所があります。

地域障害者職業センターは、他の機関と連携を取って障害者の就業を支援しているので、ハローワークで求職するよりも、その人ごとに、適性や障害の程度に応じた職業を紹介することができます。

以下に、地域障害者職業センターが行っている職業支援の具体的な内容を紹介します。








◆職業評価と職業相談



職業評価では、就労を希望する高次脳機能障害などの障害者の方に、さまざまな検査を実施したり、作業を行ってもらって、どのような健康状態でどのようなスキルが現存しているかを確認します。

職業に関する希望を聞き、その人に応じた支援内容について検討するのが、職業相談です。

能力にふさわしい仕事でなければ、せっかく仕事を始めても、職場でミスを多発する、同僚や上司と意思疎通がうまくいかず、職場で孤立するなどの問題が起こる可能性があります。
就職しても、すぐ仕事を辞めては意味ありません。
高次脳機能障害の人は、一人ひとり症状が違います。

職業相談をする目的は、その人ごとにふさわしい職業をともに検討するためです。








◆ジョブコーチ



地域障害者職業センターは、ジョブコーチの派遣を行っています。

ジョブコーチは、日本語で職場適応援助者と言い、高次脳機能障害などの障害がある人が就労した職場に派遣されます。

ジョブコーチは、障害のある就労者と事業者の両方に援助を行います。
ジョブコーチの派遣は、就労後だけでなく、就労前の職業実習時、就労時、就労後と、3つの段階でそれぞれサービスを利用できます。

障害の特性に応じて、どのように仕事をすれば良いかを専門家の視点から援助するので、事業者にとっても、障害のある人を雇用する上で活用する価値のあるサービスです。







◆職業訓練と専門的なリハビリテーション



地域障害者職業センターは、国立職業リハビリテーションセンターおよび国立吉備高原職業リハビリテーションセンターと連携しています。

高次脳機能障害の方が、職業訓練をする上で特別な支援が必要で、より専門的なリハビリテーションを行えば就労が可能という場合、専門性の高い医療リハビリテーションを上記の施設で受けることができます。






▼参考サイト,参考記事
・東京障害者職業センター
・家族が交通事故に遭いました。高次脳機能障害とコミュニケーション障害について教えてもらえますか?
・専業主婦が脳挫傷後の高次脳機能障害により2級1号の認定を受け約4810万円を獲得した事例

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交通事故で高次脳機能障害になり、仕事に就けずに悩んでいるのですがどうしたらよいでしょうか?

2018年08月30日
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交通事故で高次脳機能障害になり、仕事に就けずに悩んでいるのですがどうしたらよいでしょうか?

交通事故で高次脳機能障害になり、仕事に就けずに悩んでいる方は、障害者トライアル雇用を利用しましょう。





 交通事故による高次脳機能障害と障害者トライアル雇用 




◆障害者トライアル雇用とは




雇用者と労働者が雇用契約を結ぶ雇用関係は、いったん適正を誤って就労すると、働き初めてすぐに、仕事が自分に合っていないのでやめたいと思うようになり、すぐ仕事を辞めて仕事探しにばかり時間をとられ、お金をなかなか稼げないという悪循環に陥りがちです。

まして、交通事故などで高次脳機能障害になった人が、新たに仕事を探す場合、職場が高次脳機能障害に理解を持って雇ってくれなければ、就職したあとで困難な状況に陥ることが考えられます。

障害者をすぐに本採用するのではなく、試行期間を設けて雇用するのが、障害者トライアル雇用です。

高次脳機能障害などの障害を持った人が、なにが得意か、どんなことができるかといった適性を良く調べて継続雇用に移行することができるのが障害者トライアル雇用の特徴です。
職場で仕事をきちんとこなせるだろうか?

高次脳機能障害による後遺症を理解して接してくれるだろうかといった不安も、障害者トライアル事業を活用すれば、解消することが可能でしょう。









◆障害者トライアル雇用を用いる労働者の条件




障害者雇用促進法に規定する障害者のうち、次のいずれかに該当する人は、障害者トライアル雇用を用いて就労することができます。


・紹介日において就労の経験のない職業に就くことを希望する者
・紹介日において就労の経験のない職業に就くことを希望する者
・紹介日前2年以内に、離職が2回以上または転職が2回以上ある者
・紹介日前において離職している期間が6か月を超えている者
・重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者


高次脳機能障害による後遺障害は、精神障害とみなされるので、障害者トライアル事業を活用した就労が可能です。









◆障害者トライアル雇用を用いた雇用者の条件




障害者トライアル雇用は、雇用保険適用事業所が対象なので多くの企業が活用できるサービスです。

それだけ多くの会社が、高次脳機能障害などの障害を持った人が就労するための窓口を持っているということです。


障害者トライアル雇用を利用するにはいくつかの条件があります。

まず,ハローワークもしくは民間の職業紹介事業者などの紹介を経て雇用しなければなりません。

つぎに、障害者トライアル雇用または障害者短時間トライアル雇用をしなければなりません。

そして、障害者トライアル雇用等の期間は、雇用保険被保険者資格取得の届出がなされている必要があります。



これらの条件を満たしている企業は、障害者トライアル雇用を利用できます。



高次脳機能障害で就業に悩んでいる方は、トライアルで雇用してもらった上で、雇用者と労働者の双方がお互いを理解して納得した上で本就労する障害者トライアル雇用の利用を検討してはいかがでしょうか?






▼参考記事
・交通事故が原因で支給を受けられるに至った遺族基礎年金・遺族厚生年金,障害基礎年金・障害厚生年金の支給要件や損害賠償との関係について教えてください。
・交通事故による高次脳機能障害で,障害年金を申請する際に注意すべきことは何かありますか?
・交通事故による後遺障害の解説

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交通事故に遭い,高次脳機能障害の後遺症で人と話をするのが苦手になりました。仕事を変えたいときどうしたらよいでしょうか?

2018年08月31日
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交通事故に遭い,高次脳機能障害の後遺症で人と話をするのが苦手になりました。仕事を変えたいときどうしたらよいでしょうか?

障害者職業センターで仕事の適性を検査してもらい、自分に合った仕事を見つける方法があります。





 高次脳機能障害と障害者職業センター 




◆退院後、もとの職場で働けそうにないと自覚した




(33歳男性)
私は、交通事故で頭を強く打ったことが原因で高次脳機能障害になりました。

怪我をして入院した頃は、時間が経てば元気になって元通り仕事ができると信じ切っていました。

ところが、高次脳機能障害と診断されてから、気持ちが滅入ることが多く、一日中何もぜずにぼーっとしている時間が増えました。

人としゃべるのも面倒で、対人関係が煩わしく感じられます。

私は、営業畑一筋でずっと仕事をしてきて、営業成績には自信がありましたが、これでは営業などとてもできません。

これも高次脳機能障害による後遺症の一つだと、医師から処方された薬を飲んで仕事を頑張ろうとしましたが、内心、営業で頑張ることはもうできないと悲鳴を上げている自分の気持ちにも気付いていました。


結局、復職後3カ月経たないうちに会社に辞表を出したのです。








◆どんな仕事をしたいか自分に問いかけた



高次脳機能障害になる前と後では、自分の性格が変わったことを自覚した私は、どんな仕事をしたいか、考えてみました。

その結果、多くの人と会って会話をかわすような仕事は避けたい、一人で黙々とこなす仕事の方が望ましい、という結論を出しました。

でも、そんな自分にばかり都合の良い職場などあるものだろうか?

不安を抱え、貯えを取り崩しながら職探しをしていた時に出会ったのが、自宅から電車で30分のところにある東京都障害者職業センターです。

どんな仕事が向いているかという検査や就労に関する相談に乗ってくれたので、とても心強かったです。
ハローワークと連携しているので、求人している企業に関する情報も簡単に手に入れることができました。





私は、障害者職業センターを利用して2カ月めに、就職先が見つかりました。

もっとも、始めの間は使用期間で、トライアル雇用といって、障害者の受け入れに関して企業側に持慣れてもらう期間が設けられています。

知らない会社でいきなり働き始めて、高次脳機能障害に関する無理解に苦労するような事態は避けたいと思っていましたが、トライアル期間中に会社側が高次脳機能障害に関する理解を深め、どのようにしたら働きやすい環境を整備して私の能力を引き出せるか考えてくれるので心強かったです。




私は、トライアル雇用の後、本採用が決定し、今は物流会社の総務部で働いています。

職場の同僚も私の後遺症に理解があり、働きやすい職場環境に満足しています。






▼参考記事
・交通事故による高次脳機能障害と診断されました。障碍者手帳は取得できるのでしょうか?
・高次脳機能障害と気付かず,復職して苦労しました。復職する前に何かできる事はあったのでしょうか?
・交通事故の高次脳機能障害で,記憶障害でも仕事をする事は可能ですか?

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