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2018年06月14日

交通事故に遭いました。人身傷害保険に加入しているのですが,保険会社から人身傷害保険を使うか聞かれました。こちらの損害賠償を先に進めるか,人身傷害保険を使うかで悩んでいるのですが,両者の関係はどのようなものなのでしょうか?

2018年06月14日
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交通事故に遭いました。人身傷害保険に加入しているのですが,保険会社から人身傷害保険を使うか聞かれました。こちらの損害賠償を先に進めるか,人身傷害保険を使うかで悩んでいるのですが,両者の関係はどのようなものなのでしょうか?

人身傷害補償保険と損害賠償金の両取りは基本的にはできません。ただし,人身傷害保険を先に受け取ると,後にするよりも総受取額が上がる可能性があります。




 交通事故 : 人身傷害補償保険と損害賠償金 




◆人身傷害補償保険とは




人身傷害補償保険に加入していると,交通事故の被害に遭って負傷したり死亡したりすると「人身傷害補償保険」から保険金を受け取れます。


人身傷害補償保険は,加入者やその家族などに死傷の結果が発生したときに保険金が支払われる保険です。


人身傷害補償保険は,被害者が加入している保険会社から支払われる保険金です。事故の加害者や加害者の保険会社から支払われる損害賠償金とは別のものです。









◆人身傷害補償保険と損害賠償金の関係




人身傷害補償保険を利用すると,損害賠償金とは別に保険金を受け取れるので,人身傷害補償保険の分,受取総額が上乗せされるのでしょうか?


実際にはそのような扱いにはなっていません。


人身傷害補償保険は交通事故によって被害者が受け取れるお金(利益)ですが,このような「事故に起因する利益」については,損害賠償金から差し引くべきと考えられています。約款にもその趣旨が記載されています。
こうした考え方のことを「損益相殺」といいます。


そのため,交通事故に遭ったとき,人身傷害補償保険金の総額+損害賠償金の総額の全額を総取りすることは不可能です。








◆人身傷害補償保険を先に受け取った場合




ただし,被害者に過失がある場合には人身傷害補償保険に加入しているとメリットを受けられます。


人身傷害補償保険を先に受け取ると,人身傷害補償保険の受取金は「被害者の過失割合の部分」に先に充当されます。このことにより,被害者の過失部分についての金額まで受けることができます。

たとえば被害者に2割の過失割合がある場合,相手から受け取れる損害賠償金は総損害額に対して2割減になってしまいますが,人身傷害補償保険がその部分に充当されますので,人身傷害補償保険と損害賠償金を合計すると,被害者は総損害額の10割に相当する金銭を受けることができるのです。







◆人身傷害補償保険を後で受け取った場合




これに対し,先に損害賠償金を受け取ると異なる結果となります。先に損害賠償金を受け取る場合,過失相殺によって被害者の過失割合の分,賠償金が減額されますが,人身傷害補償保険からは,「すでに受けとった損害賠償金」が控除されます。


すると,結局は過失相殺を適用した分の損害賠償金しか受けとることができなくなってしまう可能性が高くなります。

人身傷害補償保険が先なら,上記のように被害者の過失割合の分も受け取れる可能性があるので,損害賠償金を先に受け取ると,損になります。






以上のように,被害者に過失がある場合,人身傷害補償保険を先に請求した方が得になる事例が多いです。交通事故の保険についてご不明な点がある場合には,お気軽に弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・交通事故に遭いました。私は,搭乗者傷害保険に加入していますが,どのような補償が受けれますか?
・過失割合について納得がいかないのですがどうすればよいですか。
・交通事故と治療Q&A

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