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高次脳機能障害の社会的行動障害のリハビリ

高次脳機能障害の社会的行動障害のリハビリ

最終更新日:2023年7月3日

監修者:よつば総合法律事務所
代表弁護士 大澤 一郎

Q高次脳機能障害の社会的行動障害のリハビリはどのようにしますか?
A社会的行動障害とは、行動や言動、感情をその場の状況に合わせてコントロールできなくなる障害です。リハビリは落ち着いた環境を整えた後、何が問題になっていて、どう対処するかを患者自身が考えながら行うのが望ましいです。
鬱状態

高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは脳損傷による認知障害全般です。様々な認知障害だけではなく、行動障害や人格変化を伴うことが多いです。症状には記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。

社会的行動障害とは

社会的行動障害とは、行動や言動、感情をその場の状況に合わせてコントロールできなくなる障害です。次のような症状があります。

  • 興奮する
  • 大声を出す
  • 暴力をふるう
  • 思い通りにならないと大声を出す
  • 感情を爆発させる
  • 自傷行為をする
  • 自分が中心でないと満足しない
  • 子供っぽくなる
  • 無制限に食べる
  • 無制限にお金を使う
  • 相手の立場や気持ちを思いやることができず、よい人間関係が作れない
  • 1つのことにこだわって他のことができない
  • 意欲が低下する
  • 抑うつ状態になる

社会的行動障害のリハビリの内容

高次脳機能障害による社会的行動障害の人にリハビリを行うには、まず環境を整えることが重要です。情報量を限定し、多くの人が周囲にいない落ち着いた環境を作ります。

社会的行動障害の人は、インプットする情報量が多すぎると症状が悪化することが多いです。疲れないような静かな環境を作りましょう。

また、行動異常を誘発する刺激が特定できれば、刺激を取り除くことも大事です。

リハビリは到達しやすい目標を定めます。計画を立て、計画を実行する訓練を行います。目標を達成するだけでなく、途中で適切な態度や言葉遣い、行動が取れるかを評価します。

たとえば、リハビリの最中に社会的行動障害が原因と思われる適切でない言動を患者が取ったとします。不適切な行動があったときはリハビリを一度中断します。患者にリハビリの場から離れてもらうか、担当者がいなくなるという対応をします。

リハビリがストップすることで、患者が自らの行動への評価を実際に知ることができます。結果として適切な行動を取ることを覚えていきます。

リハビリで習得を目指す内容

リハビリは次のような内容の習得を目指します。

  • うつ状態への対処
  • 躁状態への対処
  • 攻撃性や興奮状態への対処
  • 異常行動が異常行動であることの認識の獲得
  • コミュニケーションに対する対処
  • 食事や睡眠を規則正しくすること
  • 会話するときの姿勢
  • 挨拶の仕方
  • 言葉遣い
  • 自己主張の仕方
  • 身だしなみを整える
  • 他者とのトラブルの解決
  • ユーモアのセンス

投薬も効果的

うつ状態、躁状態、攻撃性や興奮状態への対処のためには投薬も効果的です。

まとめ:高次脳機能障害の社会的行動障害のリハビリ

社会的行動障害とは、行動や言動、感情をその場の状況に合わせてコントロールできなくなる障害です。リハビリは落ち着いた環境を整えた後、何が問題になっていて、どう対処するかを患者自身が考えながら行うのが望ましいです。

(監修者 弁護士 大澤 一郎

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