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2018年01月16日

開業準備中に交通事故に遭いました。休業損害や後遺障害逸失利益における基礎収入はどう考えればよいですか?

2018年01月16日
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開業準備中に交通事故に遭いました。休業損害や後遺障害逸失利益における基礎収入はどう考えればよいですか?

開業準備中の場合,開業の蓋然性や被害者の年齢,これまでの経歴,事故前の実際の収入などを参考にして,平均賃金などを基準に,基礎収入を算定します。




 開業準備中の交通事故 : 休業損害と後遺障害逸失利益



◆開業準備中の個人事業者にも,休業損害や逸失利益が認められる




交通事故に遭うと,治療のために仕事を休まなければならないケースがあります。

その場合,休業損害が発生します。また,事故の受傷によって後遺障害が残ると,その影響によって労働能力が低下するので,後遺障害逸失利益が発生します。

これらの休業損害や後遺障害逸失利益は,被害者が,事故前に収入を得ていたことが前提となる損害です。




仕事をしていない人の場合には,休業しても損害は発生しませんし,労働能力が低下しても,逸失利益が発生しないためです。

しかし,被害者が個人事業者として開業準備中に交通事故で怪我をしたというケースがあります。

この場合,まだ実際には収入を得ていませんが,交通事故がなかったら無事に事業を開業して,収入を得ていたはずですから,休業損害や逸失利益が認められる余地があります。

開業準備中の休業損害や逸失利益が認められるためには,開業をしていた蓋然性が高いことが必要です。

たとえば事業所を借りたり備品を購入したり,広告を作成したりしていたなど,開業準備を相当具体的に行っていたことを証明する必要があります。







◆開業準備中の場合の基礎収入




次に,開業準備中の場合,被害者の基礎収入をどのように計算すべきかが問題となります。

既に開業して実績のある個人事業者の場合には,前年度の確定申告書をもとに収入額を明らかにすることができますが,開業準備中の場合,そうした資料もありません。まだ実際に収入を得ていないので,売上げや経費に関する帳簿などの資料も存在しないためです。




このようなケースでは,被害者の年齢や開業する事業内容,これまでの職歴,過去の実際の収入状況などを参考にして,平均賃金をもとに,基礎収入を決定することができます。

たとえば東京地裁平成21年11月12日では,そば屋の開業を準備していた被害者の事案でしたが,被害者がこれまでそば屋の従業員として10年以上働いてきたという事情や被害者が具体的に開業準備を進めていたこと,被害者の実際の前年度や前々年度などの給与所得額などをもとに,平均賃金の7割程度の収入を,基礎収入として算定しています。




以上のように,開業準備中の休業損害や逸失利益については,認められないケースもありますし,認められるとしても,基礎収入の算定が困難です。

自分で対応していても,適切な賠償を受けにくいので,困ったときには交通事故に強い弁護士にご相談下さい。




▼参考記事
・失業中に交通事故に遭った被害者,労働意欲・就労の蓋然性があったとして4か月分の休業損害が認められた解決事例
・休業損害・逸失利益について
・逸失利益の算定について




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤 寿康)
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