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内縁と高次脳機能障害

内縁と高次脳機能障害

最終更新日:2023年6月27日

監修者:よつば総合法律事務所
代表弁護士 大澤 一郎

Q内縁の夫が高次脳機能障害で重症です。どうすればよいですか?
A内縁とは、結婚の意思で男女が同居しているものの、婚姻届を出していない状態です。複雑な家族関係のときは当事者が協力して賠償交渉を進めることをおすすめします。症状が重いときは成年後見申立を検討しましょう。
内縁関係の場合

高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは脳損傷による認知障害全般です。様々な認知障害だけではなく、行動障害や人格変化を伴うことが多いです。症状には記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。

内縁の地位は不安定

内縁とは、結婚の意思で男女が同居しているものの、婚姻届を出していない状態です。

高次脳機能障害で重症の場合、家族であれば事実上手続きを代理できることがあります。しかし、婚姻届を出していない内縁関係の場合、事実上手続きを代理することができないことが多いです。内縁の地位は不安定です。

親兄弟や成人した子供がいるとき

では、高次脳機能障害の被害者に親兄弟や成人した子供がいるときはどうなるでしょうか?

親兄弟や成人した子供がいるとき、それらの人と内縁配偶者が協力できれば手続きを進めることができます。お互いが協力できないと手続きが複雑になります。損害賠償の手続きは協力して行うのが望ましいです。

内縁配偶者の損害賠償請求

では、内縁配偶者は加害者に損害賠償請求できるでしょうか?

死亡事故以外の場合、高次脳機能障害の被害者本人以外の損害の請求は認められないことが多いです。

では、死亡事故の場合はどうでしょうか?

死亡事故では相続人が権利義務を相続します。内縁配偶者は相続人ではありません。しかし、過去の裁判例では内縁配偶者が加害者へ損害賠償請求することを認めている事案もあります。

ただし、内縁配偶者の損害賠償請求は複雑な問題です。交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。

成年後見申立を検討

成年後見とは認知症や知的障害などにより判断する能力が欠けているのが通常の状態の方について、家庭裁判所が成年後見人を選任する制度です。

後遺障害1級のときは成年後見申立が必要なときが多いです。後遺障害4級以下のときは成年後見申立が必要なときは少ないです。後遺障害2~3級のときは個別事案によります。

成年後見人に誰が選ばれるかは個別事案によります。当事者間に争いがなければ内縁配偶者が成年後見人になる可能性もあります。

成年後見人を選任すると、手続きがスムーズになることが多いでしょう。

まとめ:内縁と高次脳機能障害

内縁とは、結婚の意思で男女が同居しているものの、婚姻届を出していない状態です。複雑な家族関係のときは当事者が協力して賠償交渉を進めることをおすすめします。症状が重いときは成年後見申立を検討しましょう。

(監修者 弁護士 大澤 一郎

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