2017年07月12日

交通事故に遭った被害者本人だけではなく,家族の慰謝料が認められる場合はありますか?

2017年07月12日
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交通事故に遭った被害者本人だけではなく,家族の慰謝料が認められる場合はありますか?

家族の慰謝料が認められることはあります。死亡慰謝料の場合に認められやすいですが,重傷のケースでも家族の慰謝料が認められる可能性があります。




 家族の慰謝料 


◆交通事故の慰謝料と家族の精神的苦痛について


交通事故に遭って生命や身体に傷害が発生した場合,被害者本人には慰謝料が発生します。
交通事故の慰謝料は3種類あります。

(1)入通院慰謝料 :交通事故の怪我が原因で,入通院治療をした場合の慰謝料
(2)後遺障害慰謝料:交通事故による怪我が完治せず,後遺障害が残ったことに対する慰謝料
(3)死亡慰謝料  :交通事故が原因で死亡したことに対して,支払われる慰謝料

これら3つの慰謝料は,基本的には被害者本人のものです。
精神的苦痛を被るのは,被害者本人だからというのが,一応の理由です。

ただ,家族も精神的苦痛を被ることはあります。
特に死亡事案では,家族の精神的苦痛が強いので,家族の慰謝料が問題になることが多いです。
このような場合,一定のケースでは家族の慰謝料が認められます。







◆死亡慰謝料と家族の慰謝料


死亡事故の場合には,家族に固有の慰謝料が認められやすいです。

まず,自賠責保険の場合には,明確に家族の慰謝料が認められています。
具体的な金額は,以下になります。

・遺族が1人なら550万円,2人なら650万円,3人なら750万円
・被扶養者がいた場合には,遺族が1人なら750万円,2人なら850万円,3人なら950万円


これに対し,任意保険基準や弁護士・裁判基準の場合には,被害者本人の死亡慰謝料に基本的に家族の慰謝料も含まれると考えられています。

ただ,民法711条は,配偶者と子ども,親には固有の慰謝料を認めているため,配偶者や子ども,親の場合には,固有の慰謝料が認められ,本人の慰謝料とは別途認められるケースがあります。

また,内縁の配偶者や兄弟姉妹の場合にも,固有の慰謝料が認められることが比較的よくあります。







◆重度の後遺障害事案と家族の慰謝料


近親者の固有の慰謝料が認められるのは,基本的には死亡事案のみですが,それにとどまりません。


重度な後遺障害が残ったケースでも,家族が重大な精神的苦痛を被ることが考えられます。



たとえば,被害者の意識が回復しないままの状態になってしまったら,やはり家族は苦しむことになります。
このような場合も,家族の慰謝料が認められる可能性があります。

最高裁判所の判例は,「死亡にも匹敵するような精神的苦痛」を被った場合には,家族も慰謝料を請求しうるとしています。

被害者の意識が回復しないケース,重度な高次脳機能障害になったケース,重度な麻痺が残ったケースなど,家族による介護が必要になる事案で認められやすいです。




家族の慰謝料の金額算定においては,後遺症の等級,被害者の関係や今後予想される介護状況,被害者本人の慰謝料額等が考慮されます。慰謝料の金額としては,被害者本人に認められる慰謝料の10〜30%が目安となっているようです。




▼参考記事
・解決事例:横断歩道上で発生した死亡事故について4400万円の賠償が認められた事例(遺族固有の慰謝料の請求)
・よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」:死亡事故による慰謝料
・交通事故HP:交通事故と慰謝料のすべて




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤 寿康)
プロフィール
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