2017年07月03日

会社役員をしていますが,会社役員でも休業損害は補償されますか?

2017年07月03日
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会社役員をしていますが,会社役員でも休業損害は補償されますか?

会社役員でも休業損害が補償されることは多いですが、その金額や計算方法は事案によって異なります。




 会社役員 休業損害 


◆会社役員には休業損害が認められにくい理由


交通事故前に仕事をしていた人の場合,交通事故によって怪我をすると働けない期間が発します。

この場合,その期間に得られたはずの収入を得られなくなるので,損害が発生します。この損害のことを休業損害と言います。

そこで,事故前に働いて収入があった人は,事故によって休業した期間に応じて相手に対し,休業損害の請求ができます。
休業損害の計算方法は,事故前の基礎収入を基準として,「1日あたりの基礎収入×休業日数」によって算出します。


しかし,会社役員の場合には,当然に休業損害が認められるとは限りません。
会社役員は,労働の対価としてお金をもらっているのではなく,事故に遭ったとしてもそれとは無関係に収入を得られる立場にあるから,休業による損害が発生しないと考えられるからです。



そこで,会社役員が交通事故に遭うと,サラリーマンや個人事業主などと比べて休業損害が認められにくくなってしまいます。







◆会社役員の休業損害


会社役員のケースで休業損害が認められにくいと言っても,全く認められないわけではありません。
特に日本では,会社役員とは言っても実質的に従業員と同じような働きをしており,それに対する対価をもらっていることも多いです。


そこで,会社役員のもらっている給与は,「役員報酬部分」と「労務対価部分」の2種類に分けて考えられます。

役員報酬部分は,役員として経営に関わることによって支払われる報酬なので,事故とは無関係に支給されます。
労務対価部分とは,役員が実際に会社に労務を提供することによって支払われる給与で,サラリーマンなどと同様のものです。




そこで,役員報酬部分については,労働とは無関係に支給されるものなので休業損害の基礎収入とはなりませんが,労務対価部分については基礎収入として休業損害を請求することができます。







◆役員報酬部分と労務対価部分の計算方法


そうなると,役員報酬部分と労務対価部分をどのようにして計算するかが問題になります。
この場合,職務内容や他の役員や従業員の給与などを参考にして,事案ごとに個別に判断します。


通常は,報酬全額が認められることはなく,割合的に算定されますが,小さい会社などで実質的に役員が労働者と同じ立場であるようなケースでは,100%の役員報酬が基礎収入とされることもあります。

反対に,社外取締役や社外監査役の場合には,労務対価部分を観念できないのでその割合は0%となり,休業損害は認められないことが多いです。




このように,会社役員でも休業損害が認められる可能性はあります。保険会社から支払いが出来ないと言われて困っている場合には,一度弁護士に相談することをおすすめします。




▼参考記事
・解決事例:095 会社役員の休業損害・逸失利益を認定
・交通事故HP:休業損害・会社役員について(裁判基準)
・注目の裁判例:会社代表者の逸失利益




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤 寿康)
プロフィール
弁護士法人よつば総合法律事務所
地域最大級の弁護士14名が所属しております。事務所名の「よつば」は事務所に関わる人が皆幸せになるようにとの思いから名付けました。お気軽にご相談ください。
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